より危険な世界:人々は個人の安全を脅かすハッキングを恐れている
世界がより危険な場所になったと感じる人は、2年連続の減少の後、この1年間で増えています。
ハリファックス国際安全保障フォーラム(Halifax International Security Forum)の依頼でイプソスが実施したグローバルアドバイザー調査によると、28カ国の人々の80%が、この12カ月で世界はより危険な場所になったと考えています。
これは前年比6ポイントの増加で、2016年からは10ポイント低下しました。
この傾向は中南米諸国で最も高く、新興市場国は世界がより危険になったと感じている上位10カ国のうちの9カ国を占めています。
「世界がより危険になった」と考えている国
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ペルー(93%)
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コロンビア(91%)
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メキシコ(89%)
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チリ(88%)
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南アフリカ、トルコ(87%)
「世界の状況は悪化しているのではなく、改善している」と回答したのは、調査対象者18,500人の46%でした。
イプソス パブリック・アフェアーズ部門CEOのダリル・ブリッカーによると、最近のラテンアメリカでの政治的混乱は、市民の安全や安心感に大きな影響を与えているといいます。
「これはまた、世界全体の不安が増大する原因となっている」とブリッカーは言います。
最大の脅威はなにか?
世界の人々が直面している最大の脅威は、今後1年間で、詐欺やスパイ目的でハッキングされるのではないかという恐怖です。75%がこれを「脅威」と回答し、2018年と比較して5ポイント増加しました。
核または化学兵器による攻撃への恐怖も昨年と同じくらい増加しており、68%の人々がこれを脅威として挙げています。選択肢のなかで2番目に高い割合です。
自国におけるテロ攻撃の恐怖は、世界的にはわずかに増加しました。2018年からは1ポイント増加で65%です。しかし2017年の72%からは大幅に減少しました。
2018年と同様に、今後1年間のテロ攻撃を恐れていると感じているのは、イギリス人(90%)です。以下、インド(87%)、ロシア(87%)、トルコ(86%)、フランス、スペイン(85%)と続きます。
個人や家族の安全に対する脅威、民族や少数民族間の暴力的な紛争、大規模な健康被害、他国との武力紛争などに対する認識は、昨年から1%~3%幅で上昇しました。
政府への信頼感
人々は、自然災害への対処は別として、今後12カ月で、政府が「安全保障」と「大規模な健康被害からの保護」を提供できると信頼しています(52%)。
この信頼感は先進国で顕著であり、上位10カ国のうち7カ国を先進国が占めました。
世界的には、自国政府がテロ攻撃、民族・少数民族間の武力紛争、他国との武力紛争、核攻撃や生物攻撃、個人情報のハッキングなどの脅威から自国を守ることができると信頼しているのは、調査対象者の半数以下に止まります。
半数以上(51%)が、世界の危機を考えると、自国の政府は軍への支出を増やす必要があると回答しました。
国防への支出がより多く必要だと考えている国
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インド(81%)
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ポーランド(72%)
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トルコ(69%)
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スウェーデン(65%)
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マレーシア(64%)
気候変動に対する懸念
各国が直面するあらゆる危険な状況の中で、世界の人々は、今後12カ月以内に大規模な自然災害が発生した場合、自国の政府が自国を守り、安全を確保できると信頼していました。
上位10カ国を見ると、この傾向は発展途上国と新興国の市場全体に広がっています。
同時に人々は、今後1年間の自国での大規模な自然災害の脅威を3番目に高い関心事(66%)として挙げています。このような環境的脅威に対する恐怖は2010年以降11%急増しました。
また、調査対象者の45%が、自国が気候変動と闘うために適切かつ妥当なことをしていると感じています。この傾向は新興国で高く、中国(84%)、インド(75%)、マレーシア(65%)、サウジアラビア(65%)、ペルー、ロシア(60%)が上位5位を占めました。
この調査結果の詳細は こちらからご覧いただけます。