66歳から老後、しかし10人中6人が楽しみではないと回答
世界中の国々で人口の高齢化が進んでいます。国連は、2030年までに6人に1人が60歳以上になると予測しています。しかし、人々の文化的な意識や価値観はこの変化に適応しているのでしょうか?
この32か国を対象とした調査では、高齢化に対する人々の意識を調査し、2018年以降どのように変化したか、あるいは変化しなかったかを明らかにしています。
主な調査結果は次のとおりです。
- 世界では高齢化が進んでいますが、「何歳から高齢とみなされるか」という認識は変わっていません。32か国の平均では、人々は「老後」は66歳から始まると考えています。しかし、加齢に対する認識は2018年以降ほとんど変わっておらず、ラテンアメリカでは逆に若返っています。
- ほとんどの国は高齢人口の規模を過大評価しています。例えばメキシコでは、国民の3割(30%)が65歳以上だと考えられていますが、実際にはその3分の1以下の8%にとどまっています。超高齢社会である日本は、最も65歳以上の人口規模を過少評価している国です。
- ほとんどの人は老後を楽しみにしていません。32か国全体で57%が「老後が楽しみではない」と答えており、「楽しみ」と答えた人は38%にとどまっています。老後への期待は、所得や教育水準が高い人、若い世代ほど高くなる傾向があります。
- 人々は12年間の「老後」を楽しむことを期待しています。平均すると、32か国の人々は78歳まで生きると予想されており、残りの「老後」の期間は12年です。フィリピンやインドネシアでは、この「老後」の期間が平均17年間と見込まれています。一方、ハンガリーでは老齢は65歳からとしているものの、人々は64歳までしか生きられないと考えています。
- 人生の最盛期?28~35歳は人生の節目となる年齢とみなされています。大多数の国では、結婚、初めての家の購入、出産といった重要な節目を迎える理想的な時期は28歳から35歳の間とされています。
- 10人中3人は、年齢に関係なく誰でも自国のリーダーになれると考えています。一方で、年齢制限を設けるべきだと考える人の間では、61歳を超えると「高齢すぎる」とされています。16か国では、現在の国家リーダーの年齢が、国民が考える上限年齢を超えています。

- 高齢者の可能性を活かす方法については、イプソス世代レポート 2025で詳しく知ることができます。また、ウェビナー「KEYS: 世代の再考」のアーカイブもご視聴いただけます。
本調査について
これは、イプソスが2025年1月24日(金)から2月7日(金)にかけて、オンラインプラットフォームGlobal AdvisorとインドではプラットフォームIndiaBus上で32か国で実施した調査の結果です。この調査でイプソスは、インドでは18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳の合計23,745人を対象に調査を行いました。「世界各国平均」とは、調査が実施されたすべての国と市場の平均的な結果を反映したものであり、各国または市場の人口規模に合わせて調整されておらず、全体的な結果を示すものではありません。