世論調査:継続的な改善プロセス

選挙前になると、政治情勢の変化や分裂を理解し対応するために世論調査が注目されます。新しいアプローチを導入し、一般的なエラーの原因に注意を払うことで、世論調査は選挙結果を予測するための重要なツールであり続けることができます。

Opinion polls: A tour of the territory | Ipsos政治的世論調査は何十年も前から、特に選挙の前には、高いレベルの審査が行われてきました。また、結果にどれだけ近いかによって、世論調査そのものへの評価も批判と賞賛の間で揺れ動きます。

ジョー・バイデン氏が選出された2020年米大統領選の後、The Atlanticは「The Polling Crisis is a Catastrophe for American Democracy(世論調査の危機はアメリカ民主主義の破滅)」と題した記事を掲載しました。しかし2019年のイギリス総選挙の際にBBCは「Opinion poll accuracy holds up(世論調査の精度は維持されている)と指摘しています。では最終的に私たちはどう考えればよいのでしょうか?
​​​​​​このIpsos Viewsでは、これらの疑問に正面から取り組み、このテーマに関する学術的な文献の概要を示し、さまざまな国や状況における世論調査の実践を説明しています。その目的は、読者が自分自身で世論調査を評価できるようにすることです。

世論調査は民主主義において、世論を正直に、かつ独立して測定するというポジティブな役割を果たしています。本ペーパーでは、最近の選挙の世論調査を背景に、政治的世論調査の基礎となる手法が、厳密な技術的・科学的調査からどのように発展してきたかを示しています。 

Brexitと2016年米大統領選を経験した後、イプソスは世論調査の実施方法について徹底的な見直しを行い、これらの学びを踏まえて、どう運営するかについていくつかの重要な決定を行いました。本稿では、これらの最近の経験を振り返り、今日の不安定な環境の中で世論調査の実践がどのように進化しているかを考察します。

世論調査の精度が低いと思われる場合、世論調査自体が世論を把握するための方法として不適切であると考えるのが一般的です。実は、その選挙で行われた実践的な手法に問題がある場合が多いのです。また、手法そのものではなく、世論調査の結果を誤って解釈してしまうことが問題になることもあります。

本稿では、選挙予測の精度を向上させるためにイプソスが採用した新しい手法や世論調査の革新性を検証するとともに、世論調査員が直面する一般的な課題や、注意すべき落とし穴についても紹介しています。

政治的世論調査は、調査業界の顔であり、メディア、一般市民、意思決定者にとって重要な情報源です。そのため、正しい実践には大きな責任があります。それぞれの選挙に向けて、2017年のニューヨーク・タイムズの「After French Vote, a Question: How Were the Polls So Right?(フランス投票後の疑問。なぜ世論調査がこんなに正しかったのか?)」に呼応するような解説をするのが私たちの野望です。

本ペーパは、今年4月に実施されるフランス大統領選挙に先立ち、改訂・更新されました。詳細については、イプソスの全報道に関する専用ホームページ をこちらから(仏語)ご覧ください。

イプソスは、世界各地で政治的な世論調査を行っており、例えば、オーストラリア、ブラジル、米国中間選挙に向けた世論調査などを行っています。

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