LGBT+フレンドリーな企業は支持される?2026年最新データから読み解くダイバーシティ推進の重要性

近年、SDGsやESG投資の観点からも、企業の「ダイバーシティ(多様性)推進」が強く求められるようになりました。中でも、LGBT+(性的マイノリティ)に関する取り組みは、企業の社会的責任やブランド価値を左右する重要なテーマとなっています。

しかし、「LGBT+フレンドリーな姿勢を打ち出すことは、実際に消費者や求職者からどの程度支持されているのか?」と疑問に思う人事・マーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。


本記事では、グローバル市場調査会社のイプソスが世界26か国、19,019人を対象に実施した最新の「LGBT+ Pride レポート 2026」のデータをもとに、企業のLGBT+支援に対する世界と日本のリアルな意識調査の結果を解説します。

 


企業のLGBT+支援への支持率:世界平均は42%で安定するも、消費者の目はシビアに


企業やブランドがLGBT+の人々の平等を積極的に推進することに対して、世間はどのような視線を向けているのでしょうか。


イプソスの2026年調査によると、世界23カ国の平均で42%の人が「LGBTの平等を積極的に推進する企業やブランドを支持する」と回答しました。

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参照:イプソス LGBT+ Pride レポート2026 9ページ

 

この数字は昨年の41%からほぼ横ばいで安定しているものの、5年前の2021年(49%)と比較すると7ポイントの顕著な低下を示しています。


この背景には、近年世界的に見られる「ウォークラッシュ(過度なポリティカル・コレクトネスへの反発)」の兆候や、消費者の期待の変化があります。つまり、表面的な支援アピール(いわゆるピンクウォッシュ)に対する消費者の目が厳しくなっており、企業には「より本質的で具体的な行動」が求められるフェーズに移行していると言えます。

 

【日本の現状】

日本において、LGBT+の平等を推進する企業・ブランドを「支持する」と答えた人は37%、「反対する」と答えた人は15%でした。反対派よりも支持派が大きく上回っており、日本市場においてもダイバーシティ推進がポジティブに受け止められやすい環境であることがわかります。


 

職場におけるダイバーシティ:LGBT+従業員を支援する制度への賛否


消費者向けのブランドアピールだけでなく、「社内の職場環境」としてのダイバーシティ推進についてはどうでしょうか。

「雇用主が、LGBT+の従業員を明確に支援・称賛するプログラムやポリシーを持つこと」に対する意識調査では、世界26か国の平均で39%が「賛成」、23%が「反対」と回答しました。

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参照:イプソス LGBT+ Pride レポート2026 9ページ
 

 

【日本の現状】

同じ質問に対し、日本では「賛成」が35%、「反対」が12%という結果になりました。

日本の特徴として、反対する人の割合(12%)が世界平均(23%)と比べて非常に低く、タイ(5%)に次いで調査対象国の中で2番目に低い水準となっています。これは、社内制度としてのLGBT+支援に対して、日本社会が比較的寛容(あるいは中立的)であることを示しています。


優秀な人材を獲得・定着させるための「働きやすい職場づくり」として、LGBT+従業員向けの福利厚生や社内規定の見直しを進めることは、日本企業にとって理にかなった施策と言えるでしょう。

 

 

雇用やサービスにおける「差別からの保護」には強い合意


企業が積極的にLGBT+を「推進・称賛」することに対しては意見が分かれる部分もありますが、「差別から保護されるべき」という基本的人権の観点では、世界的に非常に強い合意が見られます。


以下の記述に対する「同意する」の割合を見てみましょう。


レズビアン、ゲイ、バイセクシャルの人々は、雇用、住宅、レストランや店舗などの企業へのアクセスに関する差別から保護される必要がある

  • 世界平均:75%
  • 日本:63%

 

トランスジェンダーの人は、雇用、住宅、レストランや店舗などの企業へのアクセスに関する差別から保護される必要がある

  • 世界平均:73%
  • 日本:63%

 

このように、採用活動や職場環境、あるいは顧客へのサービス提供において、LGBT+の人々を差別から守ることは、もはや「特別な取り組み」ではなく「当然の企業の責任」として広く認識されていることがデータから浮き彫りになっています。

 

 

まとめ:日本企業が今後取り組むべきダイバーシティ推進のポイント


2026年版のイプソスLGBT+プライド調査から、企業のダイバーシティ推進に関する以下の重要なポイントが見えてきました。


1. 表面的なアピールからの脱却: 企業がLGBT+支援を打ち出すことへの支持は依然として高いものの、5年前よりは低下傾向にあります。実態の伴わないPRは避け、社内制度の整備など足元を固めることが重要です。

2. 社内ポリシーの明文化: 日本ではLGBT+従業員を支援する社内プログラムへの反対意見が少なく(12%)、導入のハードルは比較的低いと言えます。

3. 差別防止の徹底: 雇用やサービス提供における差別からの保護は、世界でも日本でも大多数が求めている「企業の最低限の責任」です。


「LGBTフレンドリーな企業」として社会から信頼を得るためには、まずは自社の採用基準や就業規則、ハラスメント防止規定を見直し、すべての従業員と顧客が安心して関われる環境を構築することが第一歩となるでしょう。レポートの詳細はダウンロードしてご確認ください。

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【調査概要】

調査名称:イプソス LGBT+ Pride レポート 2026

調査期間:2026年4月24日〜5月8日

調査対象:世界26か国の16歳(または18歳/20歳/21歳)〜74歳の成人19,019人

調査手法:イプソスのオンラインプラットフォーム「Global Advisor」を用いたインターネット調査

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