隔離、渡航禁止に対する市民の意見は二分 ー 新型コロナ感染拡大防止策で
最新のイプソスの調査によると、調査対象国の半数以上の人々が渡航制限や隔離の義務化では新型コロナウイルスの蔓延を防ぎ切れないと考えています。
3月19日~21日に世界14カ国の約14,000人を対象として実施したオンライン調査で、14か国中8か国で半数以上の対象者が、「渡航禁止や隔離などの社会的距離をとる措置ではウイルスの蔓延を防止できない」という意見に同意しています。日本では62%がこの意見に同意し対象国中トップ、次いでインド(61%)、メキシコ(59%)、ブラジル(56%)、ドイツ、ベトナム(55%)、オーストラリア(52%)で社会的距離を置くことでウイルスの蔓延を防げないという意見に同意する人々が過半数を占めています。一方、この意見に同意しない人々が過半数を占めたのは中国(61%)、カナダ(59%)、イタリア(57%)、フランス(56%)です。
イプソス パブリックアフェアーズ部門のCEOであるダレル・ブリッカーは、今回の調査結果は、個人レベルでも国レベルでも、隔離によって新型コロナウイルスの感染拡大が防止できるという確信を人々が持っていないことを示していると述べました。
「これらの調査結果は、なぜ一部の国で隔離が守られていないのかを説明するのに役立つ。うまくいくかどうかは意見が分かれる。」
政府がパンデミックの拡大を抑えるためにどのような対策を講じることができるかという点では、調査対象のすべての国で、ウイルスを封じ込めていることが証明されるまで、国境を閉鎖すべきだと考える人が増えています。
大幅な増加が見られたのはカナダ、フランス(+28ポイント)、ドイツ、イギリス(+23ポイント)、オーストラリア(+14ポイント)です。
「隔離がウイルスを阻止するかどうかは疑問だが、国境は閉鎖したい、というのは矛盾しているように思えるかもしれない。だが国民は、たとえその有効性を疑問視するとしても、政府による強力な行動を支持している。」とブリッカーは言います。
健康、雇用への影響
感染が健康に深刻な影響を及ぼす可能性があると考えている人の割合は4カ国で大幅に増加しています。しかしそれは、予想される雇用への影響と比べると低くとどまっています。
アメリカ、イギリス、ドイツ(いずれも+11ポイント)、カナダ(+10ポイント)では二桁台の上昇が見られます。しかし、新型コロナウイルスが健康に深刻な影響を与えることを最も懸念しているのはアジア太平洋諸国で、中国で77%、インドで75%、ベトナムで74%の対象者が新型コロナウイルスが健康に深刻な影響を与えると考えています。驚くべきことに、この指標が低下した唯一の国はイタリアで、12ポイント低下して26%になりました。
一方、新型コロナウイルスが自分の仕事やビジネスに大きな脅威をもたらすと考える人の割合は、ほとんどの対象国で顕著に増加しています。例外は唯一減少した日本(32%、-2ポイント)と、変化がなかったイタリア(63%)です。
増加幅が大きかったのは先進国で、イギリス(+20ポイント)、次いでカナダ(+16ポイント)、オーストラリア(+14ポイント)、フランス(+12ポイント)、米国(+10ポイント)でした。しかし、仕事やビジネスに不安を感じる人が最も多い国は依然としてベトナム(66%)です。