データで読み解く日本の世論と政治ー2026年1月
「自国が良い方向に進んでいるか」との指標は高市さんの自民党総裁決定を受けて大きく上昇しています。
この総裁選に先立つ参議院選挙での大敗を受けた自民党の危機意識の表れとしての高市総裁誕生に大きく期待を寄せる民意の表れかと思います。
続く2026年2月の衆議院選挙は高市総理信任選挙・政権選択選挙とも呼ばれその結果から高市内閣への非常に強い国民の期待が見て取れます。
ここまではイメージ先行ですので、今後の実行と国民の評価・受け取り方を継続して注視します。
国は正しい方向に進んでいるのか?
「国が正しい方向に進んでいる」という認識は43%から44%へとわずかに改善しました。前年同月比では+17%と大幅に改善しています。
国際的には、41%が「自国が正しい方向に進んでいる」と答えています。特にフランスはランキングで最下位に位置しています。 国が正しい方向に進んでいると信じている国民はわずか9%です。
日本での懸念事項
日本ではインフレ(34%)が最重要課題であり、次いで30%が貧困と社会的不平等を挙げています。インフレは前月比+3%となり、物価上昇に対する不安が継続的に高まっていることを示しています。
名目上の賃金は増えても、それを上回る物価上昇が続くため、生活者の手取り感覚はむしろ悪化しているのが実情です。2022年以降、日本は年率3%台のインフレに見舞われていますが、賃金上昇が追い付かない状況が続いていました。
国際的には、犯罪や暴力への懸念(32%)がトップで、次いで29%の回答者がインフレを挙げています。
日本の経済状況
日本の経済状況を良いと考える人は18%で、前月と比較すると3%上昇しています。また、2024年4月以来の高い水準です。
日本経済に対するセンチメントは、最悪期を脱し、緩やかな回復基調にあります。その要因として、日経平均株価などが高水準を維持していることが、資産効果や「日本経済はまだ大丈夫だ」という心理的な心の支えになっている可能性があります。本格的な消費の拡大といった好循環につながるかどうかは、今後の物価安定と持続的な賃上げにかかっているでしょう。
世界の動向
2026年1月の調査では、世界的に「自国が正しい方向に向かっている」との回答が前年より微増し、インフレへの懸念も約4年ぶりの低水準(29%)に改善しました。一方で、オーストラリアでの過激主義への不安急増、アメリカでの医療への懸念、そして世界的な「犯罪と暴力」への根強い不安など、国ごとに特有の課題も浮き彫りになっています。対照的に、マレーシアでは経済状況をポジティブに捉える層が75%に達し、過去最高を記録しました。
詳細は 世界が懸念していること – 2026年1月をご覧ください。
著者

イプソス日本 代表取締役
内田 俊一(うちだ しゅんいち)
1985 年ニューヨーク州立大卒業後、 日本の商社、欧州のメーカーを経て、 1993 年現イプソス(株)の前身日本 統計調査(株)入社。2008 年同社代表 取締役就任。2017 年より一般社団法人 日本マーケティング・リサーチ協会 会長