ヨーロッパの都市の生活の質

より良い都市、より良い生活!欧州委員会による欧州都市の生活の質に関する新たな調査結果。

2020年国連世界都市サミットを前に、2019年欧州都市生活の質に関する認知調査の結果が欧州委員会(European Commission)より発表されました。このレポートは、地域・都市政策総局(DG REGIO)が発行したものです。「欧州都市における生活の質に関する調査」の第5版では、ヨーロッパ35カ国、83都市の居住者を対象に、さまざまな公共サービスや快適性に関する認識や経験を調査しました。

大多数の市民(調査対象者の90%)は、自分の居住都市での生活に概ね満足していると回答しています。EU域内の北部の都市の住民はおおむね満足しており、そしてEU域内東部の都市の住民の満足度もかなり向上しています。小都市に住んでいる市民は、夜に一人で歩くことを安全だと感じていますが、アテネ、ローマ、ソフィア、リエージュ、マルセイユの各都市では、安全だと感じている住民は半数に足りませんでした。

移動性の面では、大都市の住民は全体的に公共交通機関に満足しています。アルバニア、イタリア、キプロス、北マケドニア、セルビアの住民のうち、公共交通機関に満足しているのは半数未満でした。

さらにレポートによると、大半の市民が自分たちの都市を、移民や子どものいる若い家族、高齢者にとって住みやすい場所だと考えています。また、ゲイやレズビアンの人々にとっても、自分たちの住む都市は住みやすいと考えています。

また、大多数の市民が満足しているのは、緑地(回答者の80%)、空気の質、清潔さ、騒音のレベル等です。

しかし、EU南部の都市に住む市民は、良い仕事を見つけるのに何の問題も経験していないのは半数以下に止まります。また、EUの北部の都市では、金銭的に価値のある良い住居を簡単に手に入れることができると回答したのは少数の住民です(調査対象者の3分の1未満)。そして、今回の調査に新しくくわえられた質問では、住民の半数が地方行政の中に汚職があると考えていることを示しています。

本調査では、欧州連合 (EU) 全加盟国、英国、EFTA加盟国、西バルカン諸国、トルコの各都市を対象とし、合計58,100件の電話インタビューを実施しました。都市における移動性、治安、公共の場所、雇用、住宅、施設に関する市民の意見や経験について質問したものです。

効率的なサンプリングを確実にするためには、このプロジェクトの目的のために定義された都市地域の住民をできるだけ多く識別することが重要でした。イプソスは革新的なサンプリング方法を使用しました。この方法では、モバイルサンプルに、ソーシャルメディアのプロファイルから抽出された郵便番号や居住情報など、公に利用可能な地理位置データを追加し、事前に適格性を判断できるようにしました。

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