広告効果測定の成功事例|プリングルズのスーパーボウルCMが成功した理由とは?

スーパーボウルは、世界最大級の広告イベントとして知られています。数秒のCM枠に数億円規模の投資が行われ、企業にとっては「ブランドの未来を左右する場」とも言える存在です。その中で、8年以上にわたり継続的にスーパーボウル広告へ投資し続けているのが、ポテトチップスブランド「Pringles(プリングルズ)」です。

本記事では、プリングルズがどのようにしてブランド価値を守りながら広告効果を最大化してきたのか、そしてイプソスの調査プラットフォームを活用した広告クリエイティブについて詳しく解説します。

 

プリングルズがスーパーボウル広告に投資し続ける理由とは?

スーパーボウルのCM枠は、世界で最も高額な広告枠の一つです。30秒で数百万ドルとも言われており、簡単に参入できる市場ではありません。それでもプリングルズが継続的に出稿している理由は、以下の3点に集約されます。

  • 圧倒的な認知拡大効果

スーパーボウルは全米で1億人以上が視聴する巨大イベントであり、一度の放映で世界的な注目を集めることができます。

  • ブランドイメージの強化

    話題性の高いCMは、SNSやメディアでも拡散され、長期的なブランド資産として蓄積されます。

  • 競合との差別化

トップブランドが集まる場に出続けることで、市場における存在感を維持できます。

つまり、プリングルズにとってスーパーボウル広告は「単なる販促」ではなく、長期戦略の中核なのです。

 

8年間の挑戦、ブランドを守りながら進化する難しさ

8年間にわたってスーパーボウル広告に投資してきたプリングルズは、「ブランドの軸をぶらすことなく、一貫性を保ちながら、いかにして視聴者を楽しませ続け、驚きを提供し続けるか」という大きな課題に直面していました。
同じような表現を続ければ視聴者は飽きてしまいます。一方で、斬新さを追求しすぎると、プリングルズらしさが失われてしまいます。

これらを解決するために導入されたのが、イプソスの広告評価・検証ツール Creative|Spark です。
Creative|Spark は、人の感性(HI)とAIを組み合わせ、広告クリエイティブに対する消費者の反応を短時間で予測し、成果につながる改善ヒントを提供する分析ツールです。

 

 

広告効果測定ツール「Creative|Spark」による事前検証と最適化

プリングルズと広告代理店は、3つの候補となるストーリー案を調査対象として提示し、イプソスの Creative|Spark 調査プラットフォームを活用して、それぞれのコンセプトを評価しました。これにより、最適なメイン案を特定するとともに、制作過程における改善・最適化のポイントを明らかにしました。

その中のひとつが、「Call of the Mustaches(ヒゲの呼び声)」というアイデアで、プリングルズの象徴的な“ヒゲ”をテーマにし、空腹のファンのもとへプリングルズの缶がヒゲの力で飛んでいくというユニークなストーリーでした。3つの案はいずれも、高い可能性を秘めていると評価されました。

「Call of the Mustaches」は、一部の評価項目では他の案よりスコアが低い部分もありましたが、イプソスは単なる数値だけを見るのではなく、詳細な診断データを分析しました。さらに、自社独自の広告効果データベースや、これまでのスーパーボウル調査の知見も活用し、総合的に評価を行いました。

その結果、イプソスの専門チームは、以下の理由から「Call of the Mustaches」を採用することを推奨しました。

  • 幅広い視聴者層に訴求できる汎用性の高さ
  • 有名人の起用が、ブランドと自然に結びついた明確な役割を果たしている点
  • スーパーボウル前後に使用する短縮版CMにも展開しやすい、シンプルで分かりやすいストーリー構成
  • 他の案と比べて、本制作段階でさらに完成度が高まる可能性が大きいことを示す兆候があった点

またイプソスは、特に視聴者の共感を得ていたシーンと、影響力が弱く削除可能なシーンを明確に区別しました。
こうした制作前の的確なアドバイスにより、完成版CMでは印象的なシーンに十分な時間を割くことができ、より魅力的な仕上がりにつながりました。

 

広告効果測定で実現したスーパーボウルCMの大成功

最終制作段階において、プリングルズと広告代理店は、ヒゲが印象的な俳優やスポーツ界の有名人物など、個性の強い著名人を起用し、CMの世界観にリアリティとユーモアを加えました。単に知名度の高い人物を起用するのではなく、「ブランドの象徴であるヒゲ」と自然に結びつくキャスティングを行った点が、大きな特徴です。事前調査で明らかになっていた強みを活かしながら、視聴者に親しみやすさと記憶に残りやすさを同時に与える設計がなされていました。

その結果、初期テストと比較して、Creative|Sparkの主要KPIは大幅に改善され、広告としての完成度が大きく高まりました。

「Call of the Mustaches」は、イプソスによる2025年スーパーボウルCMの年次評価において、トップクラスの広告のひとつとして選出され、「Happy CFO Award」を受賞するなど、高い評価を獲得しています。

さらに、広告の総合的な効果を測定する「Creative Effect Index」や、話題性・拡散力を示す「Social Power Index」においても、他のスーパーボウル広告を大きく上回るスコアを記録しました。これは、話題づくりだけでなく、売上貢献まで見据えた広告設計が成功していたことを示しています。

このCMは、エンターテインメント性と独自性の両面で平均的なスーパーボウル広告を上回っていただけでなく、「自分に関係があると感じられる広告か」という点でも高い評価を得ました。多くの大型CMが苦戦しがちなポイントをクリアしていた点も、特筆すべき成果です。空を飛ぶヒゲという非現実的な演出でありながらも、登場人物の表情や演出には親しみやすさがあり、視聴者が自然に楽しめる構成となっていました。

 

プリングルズのシニアブランドディレクターであるマウリシオ・ジェンキンス氏は、次のように語っています。

制作初期に消費者から学ぶことは、非常に重要でした。イプソスから得られた洞察により、最良の広告を完成させることができました。

 

まとめ:データ活用が広告成果を左右する時代へ

プリングルズのスーパーボウルCM事例は、ブランドと広告代理店が消費者調査を最大限に活用し、データに基づきながら常識にとらわれないクリエイティブを実現した、非常に優れた成功例だと言えるでしょう。
感覚に頼らず、消費者調査と広告効果測定を活用することで、話題性と成果を両立させることが可能です。

日本企業においても、制作前の調査・KPI設計・改善プロセスを体系化することで、広告投資のROIを大きく高められるでしょう。これからのマーケティングにおいて、広告効果測定は「選択肢」ではなく「必須戦略」です。

 

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