世界が懸念していること - 2022年8月

インフレに対する懸念が5ヶ月連続でトップとなっている一方、一部の国では新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念も見られます。

インフレに対する懸念は13ヶ月連続で上昇し、「世界が懸念していること調査(What Worries the World)」で5ヶ月連続の懸念事項の第一位となりました。世界平均で、10人に4人(39%)がインフレを自国に影響を与える最重要課題のひとつと回答し、前月より1ポイント上昇しました

イプソスが毎月実施している「世界が懸念していること調査(What Worries the World)」では、10年分のデータをもとに、世界28カ国の市民が現在最も重要な社会問題や政治問題は何であると考えているのかを調査しています。今ウェーブは、2022年7月22日~8月5日に実施されました。

 

主な調査結果

  • インフレは依然として世界的な懸念事項の第一位である。39%が現在自国が直面している最大の懸念事項の一つであると回答し(2022年7月比1ポイント増)、11カ国がインフレを最大の懸念事項として挙げている。
  • インフレへの懸念に続き、貧困/社会的不平等(31%)、失業(27%)、犯罪と暴力(26%)、金融/政治的腐敗(25%)が、世界の懸念事項の上位5位を占めている。
  • 気候変動は、世界平均で17%が懸念しており、懸念事項の第7位に浮上した。
  • 新型コロナウイルスに対する懸念は2ヶ月連続でやや上昇(+2)し、18の懸念事項の中で、9位に上昇した。
  • パンデミックを懸念する上位13カ国のうち9カ国が、8月には前月比で上昇し、上位3カ国はいずれも2桁の上昇となっている。
  • 国家間の軍事衝突への懸念は今月2つ順位を下げ、17の懸念事項のうち、環境への脅威と過激派の台頭に挟まれ14位となった。
  • 3人に2人(65%)が自国は間違った方向に向かっていると考えており、アルゼンチンでは91%に上った。

 

インフレ

インフレに対する懸念は13ヶ月連続で上昇し、5ヶ月連続で世界の懸念事項のトップとなりました。8月は7月より1ポイント上昇し、ほぼ4人に1人(39%)が自国に最も影響を与える課題の1つとして挙げています。

懸念の上昇はゆるぎなく、今月は12ヶ月前より26ポイント、1月より19ポイント高い上昇を示しています。インフレに対する懸念はすでに過去最高水準に達しているにもかかわらず、今月は16カ国でこの問題に対する懸念が上昇しました。最も上昇したのは、サウジアラビア(+24)、メキシコ(+10)、ポーランド(+8)でした。

アルゼンチンは引き続きインフレを最も懸念しており、今月は6ポイント上昇し71%となりました。アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、英国、ポーランド、サウジアラビア、韓国、トルコ、そして米国の11カ国において、最大の懸念事項となっています。

 

気候変動

気候変動は18の懸念事項の中で7位に上り、世界平均で17%が自国に影響を与える最重要課題として挙げており、前月比で1ポイント上昇となりました。

西ヨーロッパが記録的な猛暑に見舞われる中、スペイン(+12)、英国(+11)、フランス(+10)で2桁の上昇を示しました。ドイツは前月比で6ポイントの上昇です。

オーストラリアは、先月から 1 ポイント上昇し、3 人に 1 人(33%)が気候変動に対して最も懸念を抱いています。オーストラリアは、過去9ヶ月のうち8ヶ月間、気候変動に対する懸念のランキングでトップでした。3月はドイツで懸念が高まり、トップになりました。


新型コロナウイルス

新型コロナウイルスに対する懸念は、2ヶ月連続でわずかに上昇しました(+2)。世界平均では大きな上昇には至っていませんが、国別ではより大きな上昇が見られます。

新型コロナウイルスを懸念する上位13カ国のうち、今月は9カ国で懸念が上昇しました。8月に入り最も懸念が上昇したのは、日本(+22)、韓国(+18)、オーストラリア(+11)の上位3カ国です。

日本では2人に1人(50%)がパンデミックを懸念しており、3月以降、初めて50%を超えるスコアとなりました。新型コロナウイルスを懸念する国は2ヶ月間なかったのですが、日本では懸念事項の第1位となりました。今月の上位4カ国は、7月のパンデミックに関する懸念のランキングでもトップでしたので、グローバルでの懸念の高まりがみられます。

 

国家間の軍事衝突

国家間の軍事衝突は、今月2つ順位を下げ、現在では、17の懸念事項のうち、環境に対する脅威と過激派の台頭の間で14位です。国家間の軍事衝突を自国の懸念事項とする回答は8%にとどまり、8月は2ポイント減少しました。

ポーランドとドイツは、この問題が調査対象に加わった4月以来、一貫して最も懸念の多い国です。ポーランドでは、3人に1人(33%)が重要な問題としており、今月は2ポイント上昇し、引き続きトップです。ドイツでは、4人に1人(27%)が軍事衝突を懸念しており、8月は2ポイントの減少となりました。

今月は日本(14%)とイタリア(10%)で最も大きく減少し(ともに-6)、イタリアでは7月の4位から今月は10位に減少しています。

 

経済への注目

調査対象の28カ国において、自国の現在の経済状況を「良い」と回答したのは3分の1(33%)で、「悪い」と回答したのは3分の2(67%)でした。

サウジアラビアは、97%が自国の経済状況を「良い」と回答し、トップとなりました。これは2022年6月と同等の高いスコアです。
8月に、現在の自国の経済状況を「良い」と答えた人の割合が前月比で最も上昇したのは、フランス、スペイン(ともに+8)、英国(+6)でした。
前月から最も減少したのは、スウェーデン(-10)、南アフリカ、ポーランド(ともに-9)でした。

アルゼンチンは、自国の経済状況を「良い」と回答した人がわずか5%で、依然として最下位です。これは先月から2ポイントの減少で、2019年4月と同様で過去最低のスコアに並びます。

社会