世界が懸念していることは?-コロナへの懸念が2020年5月以来の高水準に

世界の2人に1人(50%)が、コロナウイルスは自国が直面している最重要課題の一つであると回答しています。調査対象となった27カ国の多くでは、前月比で大幅に増加しています。

世界が懸念していること調査によると、新年の喜びが足りない

2021年1月、世界の62%の人が「自国の状況は悪い方向に向かっている」と回答しました。これは、2020年11月に64%を記録した本調査の最も悲観的な直近のポイントにわずかに及びません。

ペルーは、83%が「間違った方向に進んでいる」と答え、最も悲観的な国の地位を占めています。ペルーに続くのは、南アフリカ(78%)、チリ(77%)、ポーランド(76%)です。75%が「間違った方向に向かっている」とが回答した米国は、トップ5に入っており、最も楽観的な5カ国に入っていた2020年1月から大きく変化しています。

新型コロナウイルス

コロナウイルスへの懸念は、2020年5月以来の高水準となりました。調査対象となった27カ国では、2人に1人(50%)が、コロナウイルスが現在自国が直面している最も懸念すべき問題の一つであると回答しています。

夏季オリンピックが延期された日本では、1日の患者数が過去最多となったことを受けて、コロナウイルスに対する関心度が最も高く(前月比7ポイント増の70%)、マレーシア(同じく70%)と並んでトップとなりました。

韓国(67%)、カナダ(66%)、英国(同じく66%)が、最も関心の高い上位5カ国のに入っています。

この1ヶ月間でコロナウイルスへの関心が最も高まったのは、南アフリカ(+22ポイント)、オランダ(+10)、アルゼンチン(+10)、オーストラリア(+9)、ペルー(同じく+9)です。下の図は、関心度の高い12カ国の前月比の増加を示しています。

現在、世界的な懸念事項のトップは、以下の順になっています。「コロナウイルス」(50%)、「失業」(37%)、「貧困・社会的不平等」(29%)、「金融・政治的腐敗」(27%)、「医療」(24%)。「医療」は「犯罪・暴力」に代わって、今月5番目に差し迫った世界的な問題となっています。

失業

現在、最も雇用問題に関心の高い国はイタリアと南アフリカで、それぞれの国で62%の人が雇用問題を最重要課題として挙げています。スペインは57%で3位でした。

米国(8ポイント増の34%)と英国(6ポイント増の37%、2014年以来の高スコア)では、失業に対する懸念が月ごとに大きく増加しています。

「失業」は、コロナウイルス問題が発生して以来、世界で2番目に大きな心配事であり続けています。2020年1月時点では、「貧困・社会的不平等」(34%)に次いで、「金融・政治的腐敗」(31%)と同程度の問題でした。

貧困・社会的不平等

ロシアは引き続き、「貧困・社会的不平等」を最も懸念している国です(57%がこの問題を最も重要な問題の一つと回答)。今月、ロシアは6ポイント上昇し、他の調査対象国との差をさらに広げています。

チリ(41%)、トルコ(40%)、ドイツ(39%)、ハンガリー(同じく39%)では、10人に4人がこの問題を自国の問題として考えています。一方、「貧困・社会的不平等」に関する懸念が前月比で最も大きく増加したのは、イスラエルでした(11ポイント増の32%)。

2020 年 1 月には、「貧困・社会的不平等」が平均 34%で世界の懸念事項で第 1 位となりました。さらに1年前の2019年1月にも、この問題は「金融・政治的腐敗」と並んで、懸念事項のトップでした。

金融・政治的腐敗

ハンガリーは、先月から10ポイント上昇し、南アフリカと並んで、「金融・政治的腐敗」に最も懸念を抱く国のトップになりました。この2カ国では、約62%の人が「金融・政治的腐敗」を最も心配な問題のひとつと考えています。また、マレーシア(48%)、ロシア(48%)、ペルー(45%)が最も懸念している上位5カ国に入っています。「金融・政治的腐敗」に対する世界の懸念は、「失業」と比べて10ポイント低く、2020年1月には両者の懸念度は同程度でした。

医療

今月の「医療」に関する世界平均スコアは24%で、「犯罪・暴力」に抜いて第5位となりました。

「医療」に対する懸念は、ハンガリー(56%)、ポーランド(55%)、ブラジル(40%)、カナダ(40%、前月比4ポイント増)で最も顕著であることがわかりました。

過去12ヶ月間で「医療」に対する懸念が最も高かったのは2020年4月の調査で、28%がこの問題を懸念していました。その時もハンガリー、ポーランド、ブラジルが上位3位に入っていました。

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