コロナウイルスはもはや世界最大の関心事ではないー経済問題がトップに

イプソスの「世界が懸念していること調査(What Worries the World)」では、長期間にわたりコロナウイルスが世界の懸念事項のトップでしたが、2021年10月、その座を明け渡しました。コロナウイルスは、貧困と社会的不平等、失業に次いで、第3位になりました。

主な調査結果:

  • コロナウイルス」が18の懸念項目の月間ランキングでトップから3位に。自国が直面している最大の問題の一つであると答えた割合は、9月の36%から29%(世界各国平均)に低下した。
  • 調査対象となった28カ国のうち、3か国を除くすべての国でコロナウイルスへの懸念が低下した。特に大幅に低下したのは日本(22ポイント減)、メキシコ(16ポイント減)、ドイツ(14ポイント減)、ペルー(12ポイント減)、ブラジル(12ポイント減)。
  • 現在、コロナウイルスがトップの懸念事項なのはわずか4カ国(オーストラリア、英国、マレーシア、米国)で、先月の12か国、2020年4月の24か国から減少している。
  • 貧困・社会的不平等(33%)、失業(30%)は、平均すると、現在世界の人々にとってコロナウイルスよりも大きな懸念事項となっている。
  • このようにコロナウイルスへの関心が低下しているにもかかわらず、世界の人々は自国の方向性について楽観的ではない。64%が「自国が間違った方向に向かっている」と回答しており、先月とほとんど変化がない。

What Worries the World | Top 5 issues | Ipsos

イプソスの世界が懸念していること調査What Worries the World)では、18カ月連続で、世界28カ国の人々の最大の懸念事項ががコロナウイルスであるという調査結果でしたが、2021年10月、ランキングに初めて大きな変化がありました。「新型コロナウイルス」は(同率)3位となりました。自国の現在の最大の懸念事項の一つに数えていると回答した人の割合は、世界各国平均で前月に比べて7ポイント減の29%でした。

その代わりに、「貧困・社会的不平等」が懸念事項としてトップになりました。先月から2ポイントの微増で、世界平均で33%がこの問題を選択しています。

「失業」(30%)が懸念事項の2位で、「新型コロナウイルス」と「金融・政治的腐敗」(ともに29%)を上回っています。

貧困・社会的不平等 (33%)

本調査で、コロナウイルスに対する懸念を他の通常の問題と一緒に追跡調査する前は、「貧困・社会的不平等」が圧倒的な懸念事項であり、2020年初頭の数ヶ月間は、トップまたは同率トップでした。

「貧困・社会的不平等」への懸念が最も高い国はハンガリーとロシアで、それぞれ55%がこの問題を取り上げています。これにコロンビア(47%)とブラジル(46%)が続きます。

前月に比べ、19カ国でこの問題に対する懸念が高まっており、特にハンガリー、ブラジル、日本、ペルーでは6ポイント上昇しています。

フランス、ドイツ、日本では今月、コロナウイルスに代わってトップの懸念事項となっています。

失業 (30%)

失業は世界で2番目に大きな懸念事項であり、平均すると10人に3人(30%)が自国が直面している最も重要な問題の一つとして数えています。

今回も南アフリカが「失業」を最も懸念している国で、67%の調査対象者がこれをトップの懸念事項と回答しました。次いで、スペイン(54%)、イタリア(51%)、コロンビア(50%)となっており、約2人に1人が仕事に不安を感じています。

この問題に対する懸念が先月より大きく増加したのは、サウジアラビア(8ポイント増)とトルコ(7ポイント増)です。一方、オーストラリアでは7ポイント、カナダでは6ポイント低下しました。

新型コロナウイルス (29%)

今月、コロナウイルスに対する懸念の世界平均スコアが7ポイント減少したことで、18ヶ月間、世界のトップの懸念事項であったコロナウイルスは、ランキングの第3位となりました。平均で29%の調査対象者が「コロナウイルス」を自国の最重要課題の一つとして挙げています(「金融・政治的腐敗」と同レベル)。

マレーシアは、前月に比べて10ポイント低下したものの、調査対象者の64%がコロナウイルスを最重要課題として挙げており、現在最も関心が高い国となっています。日本は22ポイント減の50%で、オーストラリア(6ポイント減の52%)に次いで3番目に関心が高い国となりました。

このほか、メキシコ(16ポイント減)、ドイツ(14ポイント減)、ペルー(12ポイント減)、ブラジル(12ポイント減)では、コロナウイルスが最重要課題であると回答した人の割合が大幅に減少しています。

Just four countries have Coronavirus as their top concern in October (Australia, Great Britain, Malaysia, and the US), down from a total of 12 in September and 24 in April 2020.

今月、コロナウイルスに対する懸念が大幅に増加したのは1カ国のみで、ロシア(5ポイント増で22%)でした。

10月にコロナウイルスがトップの懸念事項となった国はわずか4カ国(オーストラリア、英国、マレーシア、米国)で、9月の合計12カ国、2020年4月の24カ国から減少しています。

金融・政治的腐敗 (29%)

金融・政治的腐敗が自国にとって重要な問題であると答えたのは、世界平均で29%で、これはコロナウイルスと並んで第3位の懸念事項となっています。

南アフリカ人の懸念は55%と最も高く、次いでコロンビア(52%)、マレーシア(50%)となっています。また、ハンガリーとペルーでは、2人に1人がこの問題を重要な懸念事項として選択しています(いずれも49%)。

Corruption is the number one concern in Colombia and Peru today.

この問題を選択する割合が最も大きく増加したのは、+12ポイントの韓国でした。ペルーとサウジアラビアでも8ポイントの増加となっています。

現在、コロンビアとペルーでは、「金融・政治的腐敗」がトップの懸念事項となっています。

犯罪・暴力 (27%)

「犯罪・暴力」は、調査対象となったすべての国の平均で27%が今日の最重要課題のひとつと考えており、5番目に大きな懸念事項となっています。

犯罪・暴力を最も懸念している国のトップ3は、スウェーデン(68%)、メキシコ(56%)、南アフリカ(54%)です。スウェーデンとメキシコではこの問題が最重要課題となっていますが、南アフリカでは失業や汚職に対する懸念が相対的に高くなっています。

イスラエル(前月比13ポイント増の45%)とチリ(前月と同じ41%)でも、犯罪・暴力が最も心配な問題となっています。43%でこの2カ国の間に位置するコロンビアは、犯罪や暴力への懸念が前月比7ポイント増加しています。

気候変動 (16%)

11月に開催される画期的な国連気候変動会議を前に、世界の気候変動への懸念について最新の調査結果をご紹介します。

気候変動を自国で最も懸念すべき問題のひとつと考えているのは、すべての調査対象国の平均で15%です。

カナダとドイツでは34%に達しています。これは、カナダでこれまでに報告された気候変動への懸念の中で最も高いレベルです。

また、オーストラリア(31%)とオランダ(30%)は、10人に3人が「気候変動」を懸念事項のトップに挙げていることがわかりました。

今月、「気候変動」は全18項目の中で、「教育」「税金」「インフレ」(いずれも16%)に次ぐ第10位となりました。

自国は正しい方向に向かっているか、それとも間違った方向か?

調査対象となった28カ国の平均では、64%が自国の状況は悪い方向に向かっていると回答し、36%が正しい方向に向かっていると回答しましたが、これは前月とほとんど変わりません。この結果は、コロナウイルスへの関心の低下が、必ずしも人々のポジティブな見通しに影響を与えていないことを示しています。

「間違った方向に向かっている」と答えた人が最も多い国はコロンビア(90%)で、次いでペルー(83%)、アルゼンチン(82%)、ブラジル(80%)となっています。

マレーシアでは、先月から楽観的な見方が急増しています(「正しい方向に向かっている」との回答が16ポイント増)。その他、日本(+8)、ハンガリー(+7)でも、先行きに対する楽観的な見方に変化しています。

一方、スウェーデンとサウジアラビアでは7ポイント低下しましたが、サウジアラビアは依然として、今後の方向性について最も肯定的な国としてトップの座を維持しています。

 
Ipsosの「世界が懸念していること What Worries the World調査」は、Ipsos Online Panelシステムを通じて世界28カ国で実施されています。調査対象国は、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、フランス、英国、ドイツ、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、米国です。
2021年9月24日~10月8日に、米国、南アフリカ、トルコ、イスラエル、カナダでは18歳~74歳、その他の国では16歳~74歳の成人を対象に、21,516件のインタビューを実施しました。データは母集団のプロファイルに合わせて加重しています。

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