「真のアメリカ人」、「真のブラジル人」、「真の中国人」とは?そしてそうではない人とは?
イプソスのグローバルアドバイザー(Global Advisor)調査によって、「真の同国人」として他人を受け入れられる包容力が最も高かった国は、カナダとアメリカであることがわかりました。これに次いで包容力が高かったのは、南アフリカ、フランス、そしてオーストラリアです。これらの国々では「国民の包容力」インデックスのスコアが最も高く、宗教、移民、性的指向、性同一性、政治的見解、犯罪歴などの社会的多様性に対して包容力があることを示しています。
総合的包容力インデックス |
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Canada |
55 |
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Great Britain |
35 |
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South Korea |
9 |
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United States |
54 |
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Mexico |
33 |
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Russia |
9 |
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South Africa |
52 |
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Belgium |
30 |
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Hungary |
6 |
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France |
46 |
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Poland |
24 |
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Turkey |
-6 |
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Australia |
44 |
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Italy |
22 |
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Japan |
-6 |
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Chile |
42 |
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Brazil |
22 |
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Serbia |
-8 |
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Argentina |
40 |
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Germany |
20 |
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Malaysia |
-17 |
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Sweden |
38 |
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Peru |
19 |
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Saudi Arabia |
-28 |
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Spain |
36 |
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総合的包容力インデックスは、2018年4月~5月に実施したイプソスのグローバルアドバイザー調査の結果を基にした指標です。イプソスは本調査で世界27か国の20,700人以上の男女に対し、28種の人々について聴取を行いました。対象者は各種類の人々について「あなたはこのような人を"真"の同国人とみなしますか、それともみなしませんか」と問われています(例:アメリカでは“真のアメリカ人”、ブラジルでは“真のブラジル人”、など)。総合的包容力インデックス は、6つの各構成要素のネットスコア(「“真”の同国人である」から「“真”の同国人ではない“を差し引いたスコア)の平均値を算出したものです。
- 宗教の包容力(“キリスト教”、“イスラム教”、“ユダヤ教”、“仏教”、“ヒンズー教”、“無神論者”それぞれのネットスコアの平均値)のトップ2はカナダ とフランス
- 帰化人に対する包容力(帰化人に関する質問のネットスコア)のトップ2はアメリカとオーストラリア
- 移民二世に対する包容力(世界の9つの各宗教が主要宗教である国から移住してきた親の子供で、同国で出生した人に関する質問のネットスコアの平均値)のトップ2はカナダとチリ
- LGBTに対する包容力(ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーに関する質問のネットスコア )のトップ2は、カナダ とフランス
- 犯罪歴を持つ人に対する包容力(前科があり、服役経験がある人に関する質問のネットスコア)のトップ2はカナダと南アフリカ
- 極端な政治的見解に対する包容力(極端な政治的見解を持つ人に関する質問のネットスコア)のトップ2は南アフリカとカナダ
この調査には、ベンチマークを設定する目的で、国の軍隊で任務を果たした人に対する包容力(米国がトップ)や、地元民の「“真”の国民」としての自己認識(中国やインドでは、一般的な考えとして根付いている傾向が最も高い)についても質問しています。
また、同調査では、各国の人々と交流する国際的な経験やつながりを持つことについても探究しています。この観点で、最も突出していた国はセルビアとスウェーデンで、海外で生活した経験のある国民、あるいは、プライベートや仕事で他国に住む人と接触する経験のある国民が最も多い2か国となりました。