世界メンタルヘルスデ― 2021

イプソスが30カ国で実施した調査によると、大多数の人が自分の心の健康と体の健康は等しく重要であると考えていますが、それが自国の医療サービスに反映されていないと考えていることがわかりました。
  • 30カ国平均で、10人に8人(79%)が、自分の心と体の健康が等しく重要であると回答しています。
  • しかし、自国の医療制度では、心の健康と体の健康が同等に扱われていると考える人は3分の1(35%)しかいません。一方、身体的な健康を重視していると考える人は42%と、より多くなっています。
  • 今回の調査では、若年層や女性の方が、自分の心の健康について考える傾向にあることがわかりました。
  • 世界の市民によると、メンタルヘルスは自国の人々が直面する最も重要な健康問題の第3位であり、第2位のがんとの差はわずかなものとなっています。

心身の健康についてどのくらいの頻度で考えますか?

すべての国で半数以上(53%)の人が、自分の心の健康について「非常に」または「かなり」頻繁に考えると答えている一方で、人々は体の健康についてより頻繁に考える傾向があります(68%)。10人に1人(11%)が「自分の心の健康について考えたことがない」と答えているのに対し、体の健康については5%でした。

女性は男性よりも自分の心の健康について考える傾向があります(「非常に/かなり頻繁に」女性58% vs. 男性48%)。また、世代間の違いも見られます。35歳以下の61%が少なくとも「かなり頻繁に」自分の心の健康について考えているのに対し、50歳以上では42%にとどまっています。

体の健康について考える頻度については、人口統計学的な違いはそれほど顕著ではありません。

心の健康について考える頻度が高いと回答した割合が高い国は、ブラジル(75%)、南アフリカ(71%)、コロンビア(71%)です。

中国、韓国、ロシア、ドイツ、オランダ、フランス、スウェーデンでは、「自分の心の健康についてあまり考えていない」という回答が多くなっています。

あなたにとって心身の健康はどの程度重要ですか?

30カ国平均で、10人に8人(79%)が、個人の健康に関して、心と体の健康を同じように重要だと考えていると答えています。

同じ王に重要だと回答した割合が最も高い国は以下の通りです。

  • ハンガリー (90%)
  • メキシコ (88%)
  • コロンビア (86%)
  • ペルー (86%)
  • チリ (86%)

どちらかが重要だと思う人の中では、「体の健康」(6%)よりも「心の健康」(12%)を選択する人が多いようです。

「心の健康」が最も重要であると答えた人の割合が高い国は、サウジアラビア(26%)、インド(24%)、スウェーデン(20%)、トルコ(18%)、ブラジル(16%)です。

「体の健康」が最も重要であると答えた人の割合が高い国は、サウジアラビア(14%)、インド(13%)、日本(10%)、中国(10%)、オーストラリア(10%)です。

心と体の健康は、医療制度の中でどう扱われているのでしょうか?

心の健康と体の健康は、健康の全体像を把握する上で同じように重要であるという認識が広く共有されているにもかかわらず、自分の国の医療制度がそれらを同じように扱っていると考える人は少ないようです。世界全体では、35%の人がそうだと答え、42%の人が体の健康がより重要に扱われていると答えています。一方、心の健康がより重要に扱われていると考えているのは、わずか9%でした。

体の健康がより重要に扱われているという意見の割合が最も高い国は以下の通りです。

  • 英国 (60%)
  • 米国 (55%)
  • ブラジル (55%)
  • 南アフリカ (54%)
  • スウェーデン (54%)

心と体の両方の健康が同じように重要に扱われているという意見の割合が最も高い国は以下の通りです。

  • マレーシア (60%)
  • 中国 (54%)
  • 日本 (47%)
  • メキシコ (45%)

これは、一般の人々が自分自身の健康についてどのように認識しているかということと、自国の医療機関でどのように扱われているかということとの間に矛盾があることを示しています。心の健康よりも体の健康の方が重要だと答えた人はわずか6%ですが、42%は体の健康の方が重要に扱われていると考えています。

心の健康は世界の重要な健康問題

30カ国を対象とした調査の世界平均では、今年、メンタルヘルスは、それぞれの国の国民が直面している最も重要な健康問題の第3位に浮上しました。ほぼ3分の1(31%)が、この問題を健康上の最重要課題と考えており、これは「がん」(34%)と比べてわずか3ポイントの差でした。2021年の健康問題のトップは「コロナウイルス」(70%)で、調査を開始した昨年に引き続き、トップとなりました。

メンタルヘルスが健康に関する最大の関心事であるのは、スウェーデン(63%)とチリ(59%)です。メンタルヘルスが健康上の重要な関心事であると答えた人が特に多い国は、オーストラリア(47%)、カナダ(43%)、コロンビア(41%)、シンガポール(40%)、ブラジル(40%)、英国(40%)です。

メンタルヘルスを健康上の重要な問題と考える人が少ない国は、日本(9%)、メキシコ(11%)、フランス(12%)、サウジアラビア(14%)です。

これは、イプソスがGlobal Advisorオンラインプラットフォームで実施した30市場の調査結果です。2021年8月20日(金)から9月3日(金)の間に、米国、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコの18歳~74歳、シンガポールの21歳~74歳、その他の24市場の16歳~74歳の合計21,513人の成人を対象に調査を実施しました。

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