インフレに対する懸念が世界的に高水準に
物価が上がり、多くの人が切り詰めています。
「あらゆるものが高価になり、多くのスペイン人家庭の決断は支出を減らすことでした。物価の上昇により、特に衣料品やバル、レストランでの支出が減っています。」と、イプソス スペインのパブリックアフェアーズ部門のカントリーサービスラインリーダーであるJose Pablo Ferrandizは述べています。
最近、苦境に立たされているのは、スペイン人だけではありません。
インフレに対する懸念は、2020年4月の新型コロナウイルス流行開始時近くの8%から、2022年4月には32%に上昇し、トップに躍り出ました。
イプソス グローバルアドバイザー(Ipsos’ Global Advisor)が3月25日～4月3日に成人を対象に行ったオンライン調査によると、インフレへの不安は27カ国*で前月比平均6ポイント上昇しました。
4月7日から18日にかけて世界経済フォーラム(World Economic Forum)と共同で行った別のイプソス世論調査では、全11カ国**の成人の多くが、来年もインフレが続くと予測しています。
上へ上へ、そして遠くへ
こうした予測は十分に根拠があると考えられます。チリなど世界の多くの中央銀行が、物価高はまだしばらく続くと警告しています。
「2021年は7.2%のインフレ率で幕を閉じ、2022年の予測はチリ中央銀行によって10%となっています。これらの数字は、チリではほぼ30年間見られなかったものです 。」 と、イプソス チリのパブリックアフェアーズ部門のサービスラインリーダーであるAlejandra Ojeda Mayorgaは述べています。
彼女はさらに、「食料価格の上昇は、世論に高い不透明感をもたらし、Gabriel Boric大統領の政権支持率は就任からわずか2カ月で急速に低下しました。」と付け加えました。
コスト削減への意欲
パンデミックやウクライナ紛争による供給問題もあり、チリや他の多くの国々で、目が飛び出るような、心臓が止まるような食料価格を目にすることが普通になっています。
これに対し、チリではプライベートブランドの購入が増え、テレビでは「団体購入で安く商品を卸し、コストを下げる」というプロモーションも行われていると、Ojeda Mayorgaは述べています。
スペインでは「電気代がスペイン人の家計を圧迫しているため、食料品の節約にも目を向けています」とFerrandizは指摘します。「我々は、食品などの日用品への支出を削減しています。多くの人が、スーパーでの買い物カゴの中で節約しようとしているのです。」
高騰する請求額
イギリス人も、プラムからガソリンに至るまで、あらゆるものに値上げの痛みを感じています。
英国のエネルギー規制当局は4月上旬に価格上限を撤廃し、「平均的な家庭では光熱費が2倍になった」と、イプソス英国のパブリックアフェアーズ部門のグループサービスラインリーダー、Trinh Tuは述べています。また、Brexit、新型コロナウイルス危機、戦争による経済的な影響も続いています。
「エネルギー価格が上がり、食料品価格が上昇し、そして実質賃金が下がっているのですから、人々は日常生活の中で本当にそれを感じているのです」とTuは付け加えました。
弾けてしまうのでしょうか？
イングランド銀行の対応
最近、インフレ抑制のために基準金利を1％に引き上げましたが、年末までに不況が英国を襲うかもしれないと警鐘を鳴らしています。モルガン・スタンレーのチーフエコノミストは、今月の分析ノートで、「世界的な不況の材料は揃っている 」と述べています。
世界中の人々が今、明らかに物価高を心配していますが、一方で、物価が下がり始めたらどうなるかという懸念もあります。
中央銀行はインフレバルーンの熱気をゆっくりと逃がすことができるのか、それとも弾け飛んでしまうのか、それは時の経過でしかわかりません。
今のところ、多くの人がすぐに生活水準が上がるとは思っていないようです。
多くの国の人々と同様に、イギリス人も「経済の状況について非常に悲観的」だと感じており、「将来の動向について尋ねると、楽観的よりもずっと悲観的である」とTは述べています。
*調査対象国は以下の通り：アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、フランス、英国、ドイツ、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、米国
** 本調査は、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、英国、イタリア、日本、ポーランド、スペイン、トルコ、米国で実施
