職場の革新:恐れと期待

イプソスが実施した仕事の未来に関する調査から、「従業員が職場の変化ついて感じていること」に関するユニークなインサイトをご紹介します。この調査は、パリで最近開催された2017 Revolution@Workに向け、イプソスが国際的に行ったものです。

職場の革新:恐れと期待

イプソスは、未来の労働習慣の国際的な共同プラットフォーム、Revolution@Workのパートナーです。このプラットフォームでは、一年を通して物理的なイベント(1つ)と、デジタルベースのイベント(複数)を開催しており、イノベーションや具体的なソリューションの共有を通じて、仕事を進める方法や職場空間について、新しい考案を行っています。ラ・デファンスにて開催された大規模なイベント(物理的な方のイベント)にて、イプソスは「職場の変化について従業員が感じている恐れと期待」に関する専門的調査の調査結果を発表しました。全ての企業が、変化に対して準備万端なのでしょうか? 従業員に与えられる機会、あるいは、従業員が恐れていることとは、どのようなものなのでしょうか? 今後10年間で、今よりも充実した職業体験を得られるようになるのでしょうか? それとも、その充実度は低くなってしまうのでしょうか?

 

【調査結果1】 ほとんどの従業員は、「もうじき、職場に革新的な変化がやってくる」と確信している

  • 4人中3人以上が「現在、職場で進行している変化が進めば、大きなインパクトがもたらされる」と回答した
  • 全体の80%は「10年後の働き方はいまとは違うだろう」と考えている

これらの調査結果を見ると、従業員は「テクノロジー主導型で多少の調整が進む」ことを予期しているわけではないとわかります。彼らが予見しているのは、「あらゆる国のほとんどの分野に影響を及ぼす、大規模な崩壊が起こる」ことです。「そろそろ、非正規雇用多い労働市場が新しい標準となる、そして、そこから驚くべき結果に発展する」というのが、彼らの見解です。

 

【調査結果2】この新しい就業環境については、賛否両方の反応が見られる

回答者には、ポジティブな変化とネガティブな変化の両方の選択肢を数多く呈示し、今後10年間で起こる可能性があると思われるものを選択してもらいました。キーワードは「柔軟性(フレキシビリティ)」です。

  • ポジティブな側面においては、「従業員は、ワークライフバランスを向上できるよう、よりフレキシブルな労働時間と場所で仕事ができるようになる」ことを期待している
  • ネガティブな側面においては、「職業に安定性が欠如する」を選んだ回答者が40%近くいた

ここでは回答者の地理条件、業界、年齢層、役職がどのようなものであっても、一貫してこの調査結果が得られました。

 

【調査結果3】オートメーションが従業員の不安を煽る傾向がある

  • 「人工知能(AI)が職場に導入されれば、それは、“従業員にとっての機会”となる」と捉えている人は、全体のたった15%
  • 「AIは、“ポジティブ、ネガティブのどちらでもない革命”だと予想している」と言明したのは、全体の39%

  • 回答者の35%が「“ほとんどの従業員にとって、脅威”となる」と回答
  • 「人間味のない関係性になるリスク」は、どの国の回答者のコメントを見ても、最も関心が高かった

AIの台頭にともない、カスタマーサービス、および製造関連の職に就いている従業員の間で、「職業の安定」に関する懸念が増大しています。

 

【調査結果4】全ての人にとって、全体的な職業経験の充実度が低下する

  • 回答者の40%近くが「将来も、職業経験については同様の充実度が得られる」と回答したが、ここでは役職や年齢で非常に大きな違いが見られた
  • この点に関する上級管理職の回答は、ブルーカラーの労働者と比較すると、ポジティブ度は3倍
  • また、25歳以下の層では、50歳以上と比較してポジティブ度が3倍

「今後10年間で、自身の職務経験の充実度は現状維持される」、あるいは、「向上する」と明らかに確信ししていたのは、上級管理職や責任者だけに限られていました。

 

【調査結果5】 従業員は変化のスピードが速すぎるとは捉えていない

  • 「自身の就労国においては、企業が調整を進めているペースが速すぎる」と捉えている回答者の割合は少ない(平均13%)
  • 「変化のペースが遅すぎる」と捉えている従業員の割合は、「速すぎる」の3倍
  • 全体で見ると、38%が「企業は“適切なペース“で調整を進めている」と回答

「企業の準備は万端である」と捉えていた回答者が過半数を占めたのは、米国のみでした。おそらく、米国はGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)の本拠地であるため、従業員からこのような好ましい評価が得られた考えられます。フランスなど、欧州諸国では「労働者に安心を与える説明を行い、現在進行中の変化によってポジティブな影響がもたらされることを納得してもらう」という課題に真っ向から取り組む必要があります。