75年後、第二次世界大戦の誇りはいまでも重要

第二次世界大戦は依然として世界の国家アイデンティティの重要な部分を占めています。

ナチスドイツに対する連合軍の勝利75周年を前に実施したイプソスの調査によると、世界28カ国の男女の55%が第二次世界大戦を記念する式典を開くことの重要性に同意しています。

調査対象となった国の中で、紛争の中での自国の役割を最も誇りに感じているのはロシア、イギリス、ウクライナ、アメリカ、中国、ポーランドの市民です。

世界中で多くの人々が大戦に直接、あるいは家族がつながりを持っています。世界的には、調査対象者の40%が、第二次世界大戦中に親族や祖先が従軍したと回答しており、21%が戦死し、15%が戦争中の意図的な大量虐殺、虐殺、爆撃、病気、飢餓などのために死亡したと回答しています。

第二次世界大戦の影響力は今も色濃く残っています。世界的には、42%が自国の政治は依然として大戦中の事件や勝敗に影響されていると考えています。この見方は、調査対象となったすべての国の中で、ポーランド、中国、ドイツ、ロシア、イギリスで最も広く支持されています。

この調査は 「75th Anniversary of the End of World War II: A Global View (第二次世界大戦終結75周年:世界の見方)」と題され、2020年3月20日~4月3日、イプソスのグローバルアドバイザー・オンラインプラットフォームで世界28カ国の75歳未満の20,005人を対象に実施されたものです。

調査結果の詳細

第二次世界大戦を記念する追悼式典の開催は、28カ国中16カ国で過半数、世界全体では55%が重要と考えています。調査対象となった国の中で、第二次世界大戦を記念する追悼式典を開くことが重要だと広く捉えられているのはロシア、イギリス、オーストラリア、オランダ、カナダ、アメリカ、ウクライナ、ポーランド、中国、フランス、ベルギーで、いずれの国でも調査対象者の3人に2人以上が重要だと回答しています。一方、日本とサウジアラビアでは同様の回答したのは5人に1人未満でした。年代別にみると、50~74歳が61%で最も多く、35~49歳と35歳以下ではいずれも52%と過半数を占めました。

調査対象国のうち12カ国で、過半数の人々が第二次世界大戦における自国の役割を誇りに思っていると回答しています。ロシア、イギリス、ウクライナ、米国、中国、ポーランド、カナダ、オーストラリアでは調査対象者の3人に2人が、誇りを持っていると回答しています。一方、ドイツ、日本、スペイン、チリでは、誇りを持っていると回答したのはわずか6人に1人です。第二次世界大戦を記念することが重要であるという信念は、特にヨーロッパでは、自国の役割に対する誇りと必ずしも結びついていません。式典の重要性が広く認識されている国には、市民が自国の役割を誇りに思っているすべての国が含まれていますが、オランダ、フランス、ベルギー、スウェーデン、イタリアのように、自国の役割について市民の意見が分かれているヨーロッパの国も含まれています。

第二次世界大戦中の事件と勝敗は、ポーランド、中国、ドイツ、ロシア、イギリス、ウクライナ、ハンガリーの政治に依然として影響を与えていると考えられており、調査対象者の少なくとも半数がこれに同意しています。これとは対照的に、サウジアラビア、メキシコ、アルゼンチン、チリでは同意したのは4人に1人未満です。調査対象となった28カ国では42%が同意しています。年代別にみると、35歳未満(40%)、35歳~49歳(40%)は、50歳~74歳 (45%)と比べて、その差はそれほど大きくありません。

世界全体では、40%が、第二次世界大戦中に親族や祖先が従軍していたと回答しています。21%が戦死した、15%が故意の大量虐殺、虐殺、爆撃、病気、飢餓などが原因で死亡したと回答しています。第二次世界大戦中の親族や祖先による従軍は、ロシア (86%) 、ウクライナ (83%) 、イギリス (73%) 、ドイツ (61%) 、アメリカ (57%) 、オーストラリア (56%) で最も広く報告されています。親族や祖先が第二次世界大戦中に戦死したと回答する割合が高い国は、ロシア (59%) 、ウクライナ (55%) 、ドイツ (44%) 、ポーランド (32%) です。意図的な大量虐殺、虐殺、爆撃、疾病、飢餓などで死亡した親族や祖先を持つと回答した割合が高い国は、ウクライナ (37%) 、ロシア (28%) 、ドイツ (26%) 、ポーランド (25%) 、インド (20%) 、ハンガリー (20%) です。世界的には、50~74歳層 (48%)は、第二次世界大戦中に軍隊に勤務していた親族や祖先をもつと回答する割合が有意に高い (35歳未満は33%、35~49歳は37%) 。親族や祖先が戦死したと回答した割合は、50~74歳層(24%)が35歳未満(19%)、 35~49歳(20%)と比較してやや高く、意図的な大量虐殺、虐殺、爆撃、病気、飢餓 による死亡の場合はほとんど差がありません(50~74歳14%に対し、35歳未満16%、35~49歳14%) 。

本レポートの中の調査結果は、イプソスが2020年3月20日~4月3日、28か国の20,005人(アメリカ、カナダ、マレーシア、南アフリカ、トルコの18歳~74歳、その他23カ国の16歳~74歳)を対象に、イプソス オンラインパネルシステムを使用して実施したグローバル・アドバイザー調査に基づくものです。

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