2024年4月: ヨーロッパの消費者信頼感は大きく上昇
イプソス世界消費者信頼感指数(Ipsos’ Global Consumer Confidence Index)は先月からわずかな変化(+0.3ポイント)を示し、48.9となっています。先月の低下から今月は安定した推移を示し、昨年のこの時期の数値を3ポイント近く上回る状態が続いています。
調査対象29カ国のうち、7カ国が消費者景況感の大幅な上昇を示し、4カ国のみが顕著な低下を示しています。
2010 年 3 月以降の調査対象である「レガシー20カ国」のみに基づくと、46.9となり、3月からわずかに0.4ポイント上昇しました。「レガシー 20カ国」指数は、昨年のこの時期の数値を 2 ポイント以上、上回っています。
今月大幅に上昇したのは期待指数のみです。一方で、現況、投資、雇用指数には大きな変化は見られません。
ヨーロッパ全体で景況感が大きく上昇しています。スウェーデン(+3.6ポイント)、英国(+3.1ポイント)、フランス(+2.8ポイント)、スペイン(+2.5ポイント)はいずれも今月大幅な上昇を示しました。スウェーデンでは、今月の数値がおよそ過去2年間で最高となりました。
対照的に、他の地域では景況感にばらつきが見られます。アジア太平洋地域では、タイ(+2.1ポイント)で消費者信頼感が上昇した一方、インド(-5.2ポイント)はどの国よりも大きく低下しました。ラテンアメリカでは、アルゼンチン(+3.7ポイント)が最も大きく上昇しましたが、ブラジル(-3.5ポイント)では急激に低下しました。
グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべての総合または国別指数の平均値です。今月の記事は、イプソス・グローバルアドバイザーの オンライン調査 プラットフォーム Global Advisor online platformで実施された、29カ国の 75 歳以下の 21,000 人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は 2024 年 3月 22 日~ 4 月 5 日に実施されました。
29 カ国の消費者景況感
29 カ国の中で、インド (67.0) が引き続き最高の国別指数を保持しています。インドとインドネシア (65.1) は依然として国別指数スコアが 60 以上である唯一の国です。
他に国別指数が50を超えているのは、 メキシコ(59.8)、タイ(57.6)、オランダ(54.8)、シンガポール(54.6)、スウェーデン(54.5)、米国(53.4)、ブラジル(53.3)、ポーランド(50.3)、英国(50.2)、オーストラリア(50.1)の10カ国です。
対照的に、国別指数が 40 を下回っているのは、韓国(39.6)、トルコ(36.8)、ハンガリー(33.2)の3カ国のみです。
注目すべきは、アルゼンチンの景況感(44.5)が2018年4月以降、最高値を記録していることです。
12 カ月前と比較して、消費者景況感の大幅な減少を示しているのは 3カ国のみです。14カ国が大幅な上昇を示し、中でもポーランド(+13.2)、インド(+11.4)、アルゼンチン(+10.8)が顕著な上昇を示しています。
トレンド
イプソスの世界消費者信頼感指数(調査対象 29カ国に基づく)は現在 48.9 で、先月からほぼ変化はありません(+0.3ポイント)。2010 年 3 月以降の調査対象である「レガシー 20カ国」のみに基づくと、46.9 となります。
現在の個人の経済状況、購買や投資意欲、雇用の安定性を反映する現況指数は、 29カ国全体で大きな変化は見られず(+0.2ポイント)、39.4となっています。現況指数が前月比で大幅に上昇(少なくとも 2 ポイント)しているのは9カ国、大幅な低下を示している国は8カ国となっています。
消費者の投資意欲を示す投資指数も大きな変化は見られず(+0.3ポイント)、41.9となっています。全体で10カ国が投資指数で大幅な上昇を示し、5カ国のみが大幅な低下を示しています。
消費者の今後の経済状況に対する期待を示す期待指数は、唯一大幅な上昇を示し(+0.7ポイント)、57.9となっています。7カ国が期待指数で大幅な上昇を示した一方、ハンガリーのみが大幅な減少を示しています。
雇用の安定と雇用市場に関する認識を反映する雇用指数は、わずかに0.2ポイント上昇し、57.9となっています。5カ国が雇用指数で大幅な上昇を示し、5カ国では大幅な減少が見られます。
注目すべきは、4 つのサブ指数すべてで大幅な減少(少なくとも 2 ポイント)を示した国はないということです。対照的に、トルコとスウェーデンは、4 つのサブ指数すべてにおいて前月比で大幅な上昇を示しています。