イプソスの調査によると、世界市民の74%が国連の持続可能な開発目標(SDGs)について少なくともある程度の認識を持っていることがわかりました。2015年に世界の指導者によって示されたこれらの目標は、世界中の貧困を終わらせ、不平等と闘い、気候変動を止めるために設定された17の目標でした。今回の調査では世界28カ国の19,000人以上を対象に17の目標のうち16項目に対する認識や意見を伺いました。
経済先進国よりも新興国の方がSDGsに対する認知度や親密性が高い傾向があります。認知度(少なくともSDGsについて聞いたことのある人)の割合はトルコ(92%)、中国本土(90%)で最も高く、インド(89%)、ブラジル、マレーシア、スウェーデン(いずれも87%)が続いています。しかし、日本(49%)、イギリス(49%)、アメリカ(50%)、カナダ(51%)では約半数に止まっています。
国連のSDGsにいくらか、あるいは非常に精通していると答えた人は、世界の4分の1を占めていますが(26%)、インド(55%)、トルコ(53%)、中国(52%)、サウジアラビア(51%)では過半数を占めています。これに対し、日本(8%)、フランス(11%)、イタリア(11%)、カナダ(11%)、イギリス(13%)では、約10人に一人しかSDGsを熟知していません。
調査対象となった18カ国で、少なくとも4分の3の人が16項目のそれぞれを「非常に重要/ある程度重要」だと考えています。重要度のランキングは次のとおりです。
- 飢餓をゼロに (目標2):85% — 7カ国で第1位(ベルギー、チリ、ハンガリー、イタリア、メキシコ、ロシア、南アフリカ)、しかしインドでは下位2位(#15)
- 安全な水とトイレを世界中に (目標6):84% — 3カ国で第1位(アルゼンチン、フランス、トルコ)、その他12カ国で上位3位
- すべての人に健康と福祉を (目標3):84% — 4カ国で第1位(オーストラリア、日本、オランダ、アメリカ)、その他7カ国で上位3位
- エネルギーをみんなに、そしてクリーンに (目標7):83% — 4カ国で第1位(カナダ、中国、イギリス、ポーランド)、その他7カ国で上位3位
- 海の豊かさを守ろう (目標14):83% — ドイツ、スペイン、ペルーで第1位
- 陸の豊かさも守ろう (目標15):83% — 韓国で第1位、ブラジル、チリ、中国、インド、マレーシア、ペルーで上位3位
- 質の高い教育をみんなに (目標4):82% — ブラジル、マレーシア、シンガポールで第1位、しかしペルーでは最下位(16位)、ポーランドと中国では下位3位
- 働きがいも経済成長も (目標8):82% — スペイン、韓国、メキシコ、南アフリカで第2位
- 貧困をなくそう (目標1):82% — マレーシア、サウジアラビア、スペイン、メキシコで上位3位
- 住み続けられるまちづくりを (目標11): 81% — マレーシア、サウジアラビア、イタリア、ロシアで上位5位
- 気候変動に具体的な対策を (目標13):80% — ポーランド、ペルー、フランス、韓国で上位5位
- 平和と公正をすべての人に (目標16):79% — アルゼンチン、ドイツ、マレーシアで上位5位
- つくる責任、つかう責任 (目標12):79% — インドで第1位、トルコ、サウジアラビアで上位5位
- 産業を技術革新の基盤をつくろう (目標9):79% — サウジアラビアで第1位
- 人や国の不平等をなくそう (目標10):76% — イタリア、ブラジル、ハンガリー、トルコで上位5位
- ジェンダー平等を実現しよう (目標5):74% — スウェーデンで第1位、インドで第2位
これらはイプソスが世界経済フォーラムのために実施した調査の結果です。記事を読む