オムニチャネル体験の人間化
パンデミックの影響で、デジタルトランスフォーメーションのペースが加速し、デジタルチャネル、タッチポイント、サービス、体験が拡大しました。約3割の人が、主要な取引チャネルはオンラインになったとしています。オムニチャネルは、シームレスな顧客体験を提供する顧客中心主義が原則ですが、時に顧客の人間性が認識されないことがあります。
イプソスの調査によると、デジタル化された環境で活動する際、人々は必ずしも人間味を感じていないようです。多くのオンラインショッピングの主な動機である「利便性」は、必ずしも「人間らしさ」とは一致しません。そして実際には、その逆もあり得るのです。イプソスが発表した「顧客体験の力 (Forces of CX)」では、顧客体験のドライバーとして6つの要素を挙げていますが、そのうち利便性そのものに関係するものは、コントロール、確実性、公正な扱いの3つだけです。残りの3つは、楽しさ、所属感、ステータスです。
データ化が進む環境下では、テクノロジーや数字に目を奪われ、人を見失いがちです。しかし、選択肢を探し、荷物を開け、製品を使い、サービスを体験するのは、最終的には人です。私たちは、企業がオムニチャネルを考えるとき、人間が体験することを中核に据えるべきだと強く信じています。人間のニーズと体験を理解することは、チャネル戦略を進化させる上で非常に重要です。