消費者信頼感が2018年以来の最高値を更新、雇用指標が追い風
イプソスの最新の調査によると、世界の消費者信頼感は2018年10月以来最高の水準に達し、世界中の人々が雇用と金融の将来についてよいムードが広がっているようです。
イプソス グローバル消費者信頼感インデックス (Ipsos Global Consumer Confidence Index) は、6月から0.6ポイント上昇し、7月には50.2ポイントとなりました。指数が50ポイントを超えたのは9か月ぶりのことです。
指数が50未満の場合は、過去の経済状況の中央値を下回り、50以上の場合は、過去よりも高い水準であることを示唆しています。
この報告書の著者であるNicolas BoyonとChris Jacksonによると、世界の消費者信頼感は、前回のリセッション (景気後退) が終わってから全般的にプラスの傾向にありますが、一部、乗り遅れていた国が7月に違いを生んだと言います。
「特に今月は、信頼感の低い一部の市場が小幅な反発を示しました。概して好調なその他調査対象国の数字とあいまって、グローバル全体の指数を50ポイント超に押し上げています。」
消費者信頼感インデックスが最も高い国:
- 中国 (74.1)
- インド (64.7)
- サウジアラビア (63.1)
- アメリカ (62.6)
消費者信頼感インデックスが最も低い国:
- トルコ、アルゼンチン (36.9)
- 韓国 (39.4)
- 日本 (39.9)
- ロシア、南アフリカ (40.1)
スコアの低い国では信頼感が高まる:
全体では、調査対象の24カ国のうち11カ国で消費者信頼感インデックスが3ヶ月前と比較して大幅に上昇しました。特に、トルコの消費者信頼感インデックスは、スコアは低いのですが、上昇は過去3カ月で5ポイント以上で、アルゼンチンは4ポイント近く上昇しました。
トルコはまた、サブインデックスでもトップのパフォーマンスを示し、投資インデックスでは最大の上昇が見られ、ジョブインデックスと期待インデックスの上昇では調査対象国中2番目に大幅な上昇が見られました。アルゼンチンは投資インデックスで2番目に大きく上昇しました。
Chris Jacksonは、グローバルインデックスは、現在及び将来の自国の経済状況、個人の金融状況と大規模投資に対する信頼感を反映するものですが、雇用に対する人々の感情は従来から信頼感の「最も強力な単一指標」だと言います。
ジョブインデックスのグローバル平均は58.4で全ての消費者指数の中で最も高く、過去調査の中央値をはるかに上回っています。
Jacksonは、指数の悪いパフォーマンスを見せているトルコやアルゼンチンのような国々では、低迷する経済が関連しているようだと指摘しています。
一方、7月の消費者信頼感インデックスで大幅な低下を見せたのは日本のみです。指数は39.9で、この3ヶ月で3ポイント近く低下し、3年間で最低を記録しました。
「日本の数字は全ての指数にまたがって低下しています。幅広いベースで、何かが起こっていることを示しています。」とジャクソンは語ります。
世界第3位の経済大国である日本では、政府の資料によると、今年第1四半期 (1〜3月) の経済成長率は2.2%でした。しかし国内総生産 (GDP) の約60%を占める個人消費は前期比0.1%減少しました。
日本政府は10月に消費税を現行の8%から10%に引き上げる方針であり、これは消費支出と信頼感をさらに損なう可能性があると多くの人が指摘しています。