世界最大の経済大国間で、消費者信頼感は異なる動きを見せる

日本、ドイツ、カナダでは景況感が大幅に上昇し、フランスは 2 年ぶりの低水準に達しました。

 イプソスのグローバル消費者信頼感指数は、先月から 0.3 ポイントの微増となり、調査対象の 29カ国 のうち7カ国で消費者心理が大幅に上昇、3 カ国で大きく低下しました。「現況指数」と「投資指数」はそれぞれ約0.5ポイント上昇しましたが、「期待指数」と「雇用指数」は引き続き安定しています。

G7では、日本、ドイツ、カナダの3カ国が国別指数で少なくとも2ポイントの上昇を示しました。また、トルコ、タイ、ペルー、ハンガリーでも景況感が顕著に上昇しています。

一方、年金制度改革法案に対する不満が広がる中、フランスの消費者信頼感 は今月さらに低下し(とは言えわずか1ポイントの低下)、過去2年間で 最も低い水準となりました。また、アルゼンチン、チリ、そして大規模な街頭デモが発生しているイスラエルでも、景況感は前月から低下しています。

グローバル消費者信頼感指数は、 調査対象国すべての総合指数または国別指数の平均値です。今月の調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームで行われた、29カ国の75歳以下の成人21,000人以上を対象とした月次調査に基づいています。本調査は2023年3月24日~4月7日に実施されました。

イプソスのグローバル消費者信頼感指数は、その信頼性を高めるための変更を行いました。

今月から、2月に追加された8カ国(チリ、コロンビア、インドネシア、マレーシア、オランダ、ペルー、シンガポール、タイ)と、同月のインド都市部全域を含む29カ国で構成されています。ロシア (1 年以上未測定)、中国、サウジアラビアは含まれなくなりました。

調査目的(類似比較)のため、イプソスは2010年のトラッカー創設以来、すべての世界および地域指数を、長年にわたって測定され続けている「レガシー20カ国」のみに基づいて再計算しています。

 「レガシー 20」は、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、英国、ハンガリー、イスラエル、イタリア、日本、メキシコ、ポーランド、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、および米国で構成されています。

29カ国における消費者心理

29カ国のうち、インドネシア(63.5)が今月最も高い国別指数を示し、国別指数が60を超える唯一の国です。

ブラジル (57.9)、メキシコ (56.2)、インド (55.5)、シンガポール (55.1)、タイ (53.7)、オランダ (51.7)、米国 (50.7) )、ドイツ (50.3)、マレーシア (50.2)の9カ国は、国別指数が50を超えています。

一方、国別指数が40を下回った国は、フランス(39.8)、チリ(39.3)、南アフリカ(39.1)、日本(38.8)、韓国(38.8)、ポーランド(37.1)、トルコ(36.8)、ハンガリー(34.7)、アルゼンチン(33.6)の9カ国です。

12 か月前と比較すると、スウェーデン (-8.0) とハンガリー (-7.4) は引き続き消費者心理の急落を示しています。ブラジル (+11.3) とトルコ (+10.5) は最大の上昇を示しています。

トレンド

Ipsos のグローバル消費者信頼感指数 (調査対象 29 カ国全てに基づく) は現在 46.2 です。 以前から調査対象となっている20カ国のみに基づくと44.2となり、過去3か月の測定値と同じになります。

消費者の経済情勢に対する認識や現在の購買、雇用、投資意欲を反映する「現況指数」は、先月から 29 カ国でわずかな上昇を示し、 0.6 ポイント上昇して36.1 となりました。10カ国が前月比で大きく上昇(少なくとも2ポイント)したのに対し、大きく低下したのはわずか5カ国でした。

同様に、消費者の投資意欲を示す「投資指数」は、29カ国平均で前月比0.5ポイント上昇の38.3を記録しました。 9 か国が大幅な上昇を示していますが、イスラエルとアルゼンチンのみ大幅な減少を示しました。

将来の経済状況についての見通しを示す「期待指数」は、ほぼ横ばい(0.1ポイント増)で、55.8となりました。トルコでは経済の見通しの改善が続いており、先月から 5 ポイント、昨年から 13 ポイント上昇しています。合計で、4 か国が期待指数で大幅な上昇を示し、4 か国が大幅な下落を示しています。

雇用の安定と市場に関する見通しを示す「雇用指数」安定性を示し(+0.3)、今月は 56.1 にとどまっています。期待指数と同様に、トルコの見通しは大幅に上昇しています。7カ国が雇用指数で大幅な上昇を示し、5カ国が大幅な下降を示しています。


本調査について

この調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームと、インドではIndiaBusプラットフォームを使用し29カ国で実施されている月次調査のデータに基づいています。これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) により毎月報告されるものです。

この調査結果は、インドでは18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳の成人21,200人以上を対象に実施された調査に基づく結果です。

Related news