新型コロナウイルス大流行:成長予測、金利、株式市場の急落の減少は何を意味するのか

景気後退の脅威は、政府による大規模な財政措置につながると、エコノミストは指摘しています。

Covid-19 and financial impact | Coronavirus outbreak | Ipsos ほんの数週間のうちに、世界は全く違う場所のように見え始めました。

「外国」の問題のように思われていたことが、今ではあなたの周りで起こり始めているかもしれません。新型コロナウイルス感染の増加は、学校の閉鎖、在宅勤務の義務化、旅行の制限、スポーツや娯楽イベントのキャンセルにつながり、店の棚や通りが空っぽになります。

それに加えて、本格的な金融危機を防ぐために中央銀行や政府が介入する株式市場での激しい変動は、企業や投資家を動揺させただけでなく、この世界的大流行がどのような影響を及ぼすのか、消費者に考えさせました。

イプソスが2週間ほど前に実施した世界10か国での調査 では、その前の調査と比較して、この大流行が自分や家族に個人的な経済的影響をもたらすと回答した人の割合が大幅に増加しました。実際、ドイツを除いたすべての対象国で2桁の増加がありました。

Will Covid-19 impact you financially? | Ipsos | Coronavirus

エコノミストらによると、最新の経済指標が新型コロナウイルスの大流行による影響を示唆しているとすれば、今後さらに悪化する可能性があると言います。

3月13日に発表された世界最大の経済大国であるアメリカの消費者信頼感は、2月の101ポイントから5ポイント下落した95.9ポイントで、予想よりもはるかに低い結果でしたが、 ミシガン大学の未来予測指数の下落幅がこれよりも大きかったことから、悪化の兆しを見せました。今週発表される予定の世界各国の雇用統計、消費者物価、小売売上高などのデータは、景気の現状をより明確に示すものと考えられます。

景気後退のリスク

しかし、CIBCキャピタル・マーケッツのシニアエコノミストであるロイス・メンデス氏は、この大流行のためにほかの人々との接触を避けようとしている消費者、いわゆる「社会的距離」のため、今後数か月間は世帯の支出が大幅に減少する可能性があると述べました。

「基本的に私の支出はあなたの収入、あなたの支出は私の収入ということなので、こういった環境は雇用の喪失やより大きな不況につながる可能性がある」とメンデス氏は言いました。メンデス氏のチームは世界経済の成長予測をリアルタイムで下方修正していますが、それはニュースの流れに乗って動く的を射ようとしているようなものだと認めています。

「情勢が非常に流動的であることを考えると、どのような予測にも大きな信頼を置くことは難しいが、現在のところ景気後退のリスクは非常に高い。」

先週ブルームバーグがエコノミストを対象に実施した調査(Bloomberg survey of economists)によると、向こう12カ月間に米国経済がリセッション (景気後退) に陥る可能性は45%で、世界的な金融危機が発生した2009年2月以来の高水準となりました。

BMOフィナンシャル・グループのチーフエコノミスト、ダグラス・ポーター氏は、3週連続で世界経済成長率の予測を下方修正したが、今年の米国経済成長率は0.5%にとどまり、昨年の2.3%から大きく低下すると予測しました。

「キャンセルや閉鎖の波を考えると、第1四半期には成長が見られず、第2四半期には大幅な落ち込みが見られ、そして下半期には堅調な回復が見られるだろう。」 とポーター氏。

同氏はまた、 「原油価格の下落でインフレはさらに弱まった。」 と述べ、石油価格の下落により、カナダのような商品主導型の経済は、成長率が0%に低下するとの見通しを示しました。

米国産原油の指標価格であるウエスト・テキサス・インターミディエート (WTI) は、今年1月の1バレル=64ドル前後をピークに55%以上下落し、28ドル前後を記録しました。同様に、イギリスで取引されているブレント原油は、ほぼ同じように下落しました。

ですから、車に給油した時には得をしたように感じるかもしれませんが、世界経済の指標となる石油価格の大幅な下落によって、世界のエネルギー生産者から何十億ドルもの市場価値が失われており、破産や合併の憶測が飛び交って、経済の他の部分にも波及します。

政府の景気刺激を求める

一方、カナダ国立銀行 (中央銀行) の上級エコノミスト、クリシェン・ランガサミー氏は、株式市場の急落は消費者信頼感を損ない、消費成長を圧迫するが、政府による減税などの財政刺激策などがあるだろうと述べました。

「中央銀行の緩和策は信頼感を高めるのに役立つだろうが、金融政策の遅れを考えると、成長へのプラス影響は今年後半から、主に2021年に感じられる可能性が高い。」 とランガサミー氏は言いました。

「財政刺激策も見られるだろうし、そうでなければ景気減速はさらに深刻で長く続くだろう。」

最も注目されている世界のベンチマーク指数の一つであるダウジョーンズ工業株30種平均は、2月中旬につけた今年のピークから30%以上下落して、米国株式市場の11年間の上げ相場を終えました。S&P 500総合株価指数は、2月中旬以降、ほぼ同じ水準で下落しており、日本の日経225株価指数は今年1月の最高値から29%以上下落した。

先週の乱高下を受けて米連邦準備制度理事会 (FRB) は株式市場に1兆5000億ドルの資金を注入し、先週すでに50ベーシスポイントの緊急利下げを実施した後、市場安定のためにウォール街への短期融資と国債購入を決めました。イングランド銀行も基準金利を引き下げて景気刺激策を発表し、カナダ銀行も同様の措置を取りました。

しかし、中央銀行の救済措置は長続きせず、さらに相場は急落し、ドナルド・トランプ米大統領が非常事態を宣言し、コロナウイルス対策を約束した金曜日まで続きました。

メンデス氏によると、中央銀行の対策はこのような場面にはふさわしいものではないため、コロナウイルスの大流行の影響による世界的な景気減速を完全に相殺する能力に欠けているといいます。

「財政刺激は重要な役割を果たす必要がある ... 能力のある財政政策立案者は、その力を使うことをためらうべきではない。」 とメンデス氏。

「金融危機からの回復初期の大きな過ちの一つは、世界のいくつかの地域における緊縮政策への動きだった。調査によると、2008年の金融危機後の緊縮財政や不十分な景気刺激策は、高失業率の長期化を招いた。」 

メンデス氏はさらに、国債利回りが非常に低いことから、市場は政策立案者に刺激策を講じる余地が十分にあること、そしてその必要性を伝えていると付け加えました。

しかし、ランガサミー氏によると、成長鈍化の主なリスクは、債務のコントロール不能なデフォルト (債務不履行) が発生し始めて金融危機が発生し、金融セクターが凍結することだと言います。

「現時点ではこれは基本的なシナリオではありませんが、金融の動向を注視していく。」 とランガサミー氏は述べました。

米連政府 は、企業や消費者の借り入れコストを下げるため、金利をほぼゼロにすることで、再び債務不履行の脅威に対応しました。また、前回のリセッション (景気後退) 時の2008年と同様に、市場を活性化させるための対策をとるとしています。