イプソスが、キングズ・カレッジ・ロンドンのGlobal Institute for Women’s Leadershipと共同で、世界28カ国で実施した新たな調査によると、
- 人々は男女間の賃金格差は現実であり、重要な問題だと考えているが、それを現在の最優先課題とすべきかどうかで意見が分かれている
- より柔軟な仕事のやり方と暴力や虐待の被害にあう女性と少女への支援は、コロナ禍で困難な状況にある女性たちが回復するカギとなると考えられている
男女間の賃金格差は現実的かつ重要な問題と見なされているが、現在の最優先事項であるかどうかについては見解が分かれる
調査では、パンデミックが女性に及ぼす不均衡な経済的影響1が協調されいていますが、男女間の賃金格差をなくすことを現在の最優先課題とするかどうかについては意見が分かれています。42%は男女間の賃金格差をなくすことは重要だが、今は優先すべきではないと考えており、36%は男女間の賃金格差を自国の最優先課題の一つにすべきだと考えています。女性(41%)は、男性(31%)よりも「優先課題とすべきだ」と回答する傾向がみられます。
男女の賃金格差を埋めることが優先と回答した割合が世界平均よりも高い国は、チリ (53%) 、南アフリカ (52%) 、フランス (51%) です。
こうした見解の相違にも関わらず、男女間の賃金格差に取り組む必要性には幅広い共感があり、世界28カ国の調査対象者の50%が、男女間の賃金格差に関する懸念は現実問題への反応であると回答しています。しかし5人に1人 (19%) は、男女間の賃金格差に関する懸念は政治的正当性が行き過ぎた例であると考えており、またほぼ同数 (18%) が、この件に関するメディアでの報道はフェイクニュースだと考えています。男性(21%)のほうが女性(16%)よりも、男女間の賃金格差の報道はフェイクニュースだと考える傾向があります。
賃金に関してより透明性を高めることに対する多数の支持があります。半数以上 (56%) が、同じような仕事をしている同僚の賃金を知る権利を支持しています。そしてこの権利への支持は、女性(58%)が男性(54%)をわずかに上回っています。20%は、同じ仕事をしている同僚の賃金を知る権利について否定的です。
透明性を求める声が最も大きい国は、チリ (70%) 、ペルー (67%) 、アルゼンチン (66%) 、ハンガリー (65%) です。
より柔軟な仕事のやり方と暴力や虐待の被害にあう女性への支援は、コロナ禍で困難な状況にある女性たちが回復するカギとなる
より柔軟な労働慣行 (40%) と、暴力と虐待の被害にあう女性と少女へのより多くの支援 (36%) は、困難な状況にある女性が回復するための最優先事項です。これに続くのが、医療サービスへのアクセスの改善(33%)、社会支援(現金/食料援助/失業/医療/介護労働者など)(30%)、雇用創出プログラムへの投資(29%)です。
在宅勤務やパートタイム勤務などより柔軟な労働慣行の重要性への評価が世界平均より多い国は、チリ (49%) 、オーストラリア、カナダ、日本、韓国(いずれも48%)、オランダ (47%) 、英国 (46%) などです。ブラジル (28%) 、フランス、南アフリカ(いずれも32%)、アルゼンチン (33%) では比較的重要性が低いと考えられています。
トルコ (56%) 、南アフリカ (52%) 、ペルー (51%) の調査対象者は、暴力や虐待に直面している女性や少女への支援を、世界平均よりもかなり優先する傾向があります。対照的に、ロシア (24%) 、オランダ (23%) 、イタリア (21%) では優先度が低いと見られています。
しかし、国がパンデミックから回復するにつれて、男女平等の状況はパンデミック以前に戻ると考えている人が半数 (52%) もいます。男女平等が改善されるか悪化するかについては意見が分かれています。11%が女性は男性とより平等になると考えており、同じ割合 (11%) が女性はより平等でなくなると考えています。女性は男性より若干悲観的で、13%がより平等でなくなると回答したのに対し、男性では9%です。
回復のカギは政治よりも人を優先すること
調査によると、パンデミックからの回復にうまく対処するために人々が政治的リーダーに望む最も重要な資質は、自国のニーズを政治よりも優先させることであることがわかりました。調査対象者の33%がそのように回答しており、男女の違いはありません。続いて、国民に正直であること (29%) 、一般の人々が直面している問題を理解していること (28%) 、経済や健康への影響を考慮していること (25%) 、適切な時期に適切な決定を下すこと (25%) の順となりました。
政治のリーダーに対して、女性は以下の項目を男性よりも多く選ぶ傾向があります。
- 一般の人々が直面している問題を理解していること(女性30%、男性26%)
- 経済や健康への影響を考慮していること(女性27%、男性22%)
- 自国の人々を守るために迅速に行動すること(女性26%、男性22%)
女性はパンデミック以前よりも現在のほうが健康やウェルビーングに気を配る傾向
調査では、パンデミック以前と現在で、生活の中で変わった様々な事柄についてを尋ねました。女性は、パンデミック以前よりも現在のほうが「健康とウェルビーイングを改善するための行動を取っている」と回答する割合が、男性よりもわずかに高くなっています(女性50%、男性46%)。パンデミック以前よりも現在のほうが健康とウェルビーイングを改善するための行動を取っていると回答した割合が高い国は、ペルー (73%) 、メキシコ (69%) 、南アフリカ (68%) です。対照的に、最も低いのはトルコ (32%) とポーランド (29%) です。
調査対象の28カ国全体で、37%がパンデミック以前よりも現在のほうが「仕事に費やす時間が減り、家族と過ごす時間が増えた」と回答しています。39%は「変化はない」、17%は現在のほうが仕事に費やす時間が増えていると回答しています。
調査対象者の有職者のうち44%がパンデミック以前よりも現在のほうが「仕事を失うことを心配している」と回答しています。34%は「変化はない」、13%は現在のほうが心配していないと回答しています。女性は男性よりも仕事を失うことについて心配する傾向があります(女性45%、男性42%)。南アフリカ (63%) 、メキシコ (60%) 、ペルー (58%) では、仕事を失うことを心配しているという回答の割合が、世界平均よりもかなり高いことが分かりました。「女性の仕事」は不当に低賃金? 保育、介護、ケアワーカーなどの福祉関連の仕事は、主に女性によって行われており、低賃金だと考えられています。同様にそれは店舗ズ・カレッジ・ロンドンのGlobal Institute for Women’s Leadershipと共同で、世界28カ国で実施した新たな調査によると、
人々は男女間の賃金格差は現実であり、重要な問題だと考えているが、それを現在の最優先課題とすべきかどうかで意見が分かれている
より柔軟な仕事のやり方と暴力や虐待の被害にあう女性と少女への支援は、コロナ禍で困難な状況にある女性たちが回復するカギとなると考えられている
男女間の賃金格差は現実的かつ重要な問題と見なされているが、現在の最優先事項であるかどうかについては見解が分かれる
調査では、パンデミックが女性に及ぼす不均衡な経済的影響1が協調されいていますが、男女間の賃金格差をなくすことを現在の最優先課題とするかどうかについては意見が分かれています。42%は男女間の賃金格差をなくすことは重要だが、今は優先すべきではないと考えており、36%は男女間の賃金格差を自国の最優先課題の一つにすべきだと考えています。女性(41%)は、男性(31%)よりも「優先課題とすべきだ」と回答する傾向がみられます。
男女の賃金格差を埋めることが優先と回答した割合が世界平均よりも高い国は、チリ (53%) 、南アフリカ (52%) 、フランス (51%) です。
こうした見解の相違にも関わらず、男女間の賃金格差に取り組む必要性には幅広い共感があり、世界28カ国の調査対象者の50%が、男女間の賃金格差に関する懸念は現実問題への反応であると回答しています。しかし5人に1人 (19%) は、男女間の賃金格差に関する懸念は政治的正当性が行き過ぎた例であると考えており、またほぼ同数 (18%) が、この件に関するメディアでの報道はフェイクニュースだと考えています。男性(21%)のほうが女性(16%)よりも、男女間の賃金格差の報道はフェイクニュースだと考える傾向があります。
賃金に関してより透明性を高めることに対する多数の支持があります。半数以上 (56%) が、同じような仕事をしている同僚の賃金を知る権利を支持しています。そしてこの権利への支持は、女性(58%)が男性(54%)をわずかに上回っています。20%は、同じ仕事をしている同僚の賃金を知る権利について否定的です。
透明性を求める声が最も大きい国は、チリ (70%) 、ペルー (67%) 、アルゼンチン (66%) 、ハンガリー (65%) です。
より柔軟な仕事のやり方と暴力や虐待の被害にあう女性への支援は、コロナ禍で困難な状況にある女性たちが回復するカギとなる
より柔軟な労働慣行 (40%) と、暴力と虐待の被害にあう女性と少女へのより多くの支援 (36%) は、困難な状況にある女性が回復するための最優先事項です。これに続くのが、医療サービスへのアクセスの改善(33%)、社会支援(現金/食料援助/失業/医療/介護労働者など)(30%)、雇用創出プログラムへの投資(29%)です。
在宅勤務やパートタイム勤務などより柔軟な労働慣行の重要性への評価が世界平均より多い国は、チリ (49%) 、オーストラリア、カナダ、日本、韓国(いずれも48%)、オランダ (47%) 、英国 (46%) などです。ブラジル (28%) 、フランス、南アフリカ(いずれも32%)、アルゼンチン (33%) では比較的重要性が低いと考えられています。
トルコ (56%) 、南アフリカ (52%) 、ペルー (51%) の調査対象者は、暴力や虐待に直面している女性や少女への支援を、世界平均よりもかなり優先する傾向があります。対照的に、ロシア (24%) 、オランダ (23%) 、イタリア (21%) では優先度が低いと見られています。
しかし、国がパンデミックから回復するにつれて、男女平等の状況はパンデミック以前に戻ると考えている人が半数 (52%) もいます。男女平等が改善されるか悪化するかについては意見が分かれています。11%が女性は男性とより平等になると考えており、同じ割合 (11%) が女性はより平等でなくなると考えています。女性は男性より若干悲観的で、13%がより平等でなくなると回答したのに対し、男性では9%です。
回復のカギは政治よりも人を優先すること
調査によると、パンデミックからの回復にうまく対処するために人々が政治的リーダーに望む最も重要な資質は、自国のニーズを政治よりも優先させることであることがわかりました。調査対象者の33%がそのように回答しており、男女の違いはありません。続いて、国民に正直であること (29%) 、一般の人々が直面している問題を理解していること (28%) 、経済や健康への影響を考慮していること (25%) 、適切な時期に適切な決定を下すこと (25%) の順となりました。
政治のリーダーに対して、女性は以下の項目を男性よりも多く選ぶ傾向があります。
一般の人々が直面している問題を理解していること(女性30%、男性26%)
経済や健康への影響を考慮していること(女性27%、男性22%)
自国の人々を守るために迅速に行動すること(女性26%、男性22%)
女性はパンデミック以前よりも現在のほうが健康やウェルビーングに気を配る傾向
調査では、パンデミック以前と現在で、生活の中で変わった様々な事柄についてを尋ねました。女性は、パンデミック以前よりも現在のほうが「健康とウェルビーイングを改善するための行動を取っている」と回答する割合が、男性よりもわずかに高くなっています(女性50%、男性46%)。パンデミック以前よりも現在のほうが健康とウェルビーイングを改善するための行動を取っていると回答した割合が高い国は、ペルー (73%) 、メキシコ (69%) 、南アフリカ (68%) です。対照的に、最も低いのはトルコ (32%) とポーランド (29%) です。
調査対象の28カ国全体で、37%がパンデミック以前よりも現在のほうが「仕事に費やす時間が減り、家族と過ごす時間が増えた」と回答しています。39%は「変化はない」、17%は現在のほうが仕事に費やす時間が増えていると回答しています。
調査対象者の有職者のうち44%がパンデミック以前よりも現在のほうが「仕事を失うことを心配している」と回答しています。34%は「変化はない」、13%は現在のほうが心配していないと回答しています。女性は男性よりも仕事を失うことについて心配する傾向があります(女性45%、男性42%)。南アフリカ (63%) 、メキシコ (60%) 、ペルー (58%) では、仕事を失うことを心配しているという回答の割合が、世界平均よりもかなり高いことが分かりました。「女性の仕事」は不当に低賃金? 保育、介護、ケアワーカーなどの福祉関連の仕事は、主に女性によって行われており、低賃金だと考えられています。同様にそれは工場作業にも当てはまります(しかし人々がバランスを考えている職業の例には、配達員ドライバーや警官のように男性で構成されていることが多い低賃金労働と見られているものもあるが)。対照的に、政治家や銀行家は給料が高すぎると見られており、圧倒的に男性の職業だと見られています(但しこれは必ずしも因果関係とはみなされていないことを指摘しておく必要がある)。
- 82%は、保育サービスを提供する仕事(保育士など)は圧倒的に女性が多いと考えている。55%はその仕事に対する報酬は少なすぎると考えている。
- 68%は、看護の仕事はほとんど女性で構成されていると考えている(男性と女性がほぼ同数と考えているのは25%)。59%がその仕事に対する報酬は少なすぎると考えている。
- 64%は、高齢者や障害者の介護のような介護福祉士の仕事は圧倒的に女性が多いと考えている。63%がその仕事に対する報酬は少なすぎると考えている。
- 調査対象国全体で66%が、政治家は圧倒的に男性が多いと考えており、仕事に対して報酬が高すぎると回答した割合が最も多く、全体の4分の3 (74%) であった。
- 86%は、建設労働者はほとんどが男性だと考えている。配達員の場合は78%、警察官の場合は68%である。これらの仕事で、人々はその仕事に対する報酬は少なすぎると考えていることを、意見のバランスは示している。
オーストラリア元首相でキングス・カレッジ・ロンドンのGlobal Institute for Women’s Leadership会長であるJulia Gillard氏は次のように述べました。
「私たちはいま、コロナウイルスの岐路に立っていると言われている。よりよい状況を取り戻すか、男女平等の進展を停滞・後戻りさせるか、その選択に直面している。世界がどの道を進むかを決めるとき、幸いなことに、大多数の人々が男女間の賃金格差をなくすことが重要であると認識している。悪いニュースは多くの国々で社会を再開し、再建し始めるにあたって、それがいまの最優先事項であるべきだということが明確でないことだ。しかし危機によって女性がこれ以上損をしないことを保証する機会があるならば、私たちはこの問題を議題の上位に掲げる必要がある。」
1https://www.unwomen.org/en/news/stories/2020/9/feature-covid-19-economic-impacts-on-women