パンデミックの時代に生きる起業家精神

女性や若年層の起業家精神が高まっています。

イプソスが世界28カ国で20,000人以上の男女を対象に実施した調査によると、世界の調査対象者の3分の1が非常に高い起業家精神を持っていることが明らかになりました。イプソス独自のEntrepreneurial Spirit Index (起業家精神指数) は、18の重要な起業家的特徴の広がりを世界で追跡調査しています。強い労働倫理から計算されたリスクをとることを好む特性などを広く測定しています。

2020年末に実施された本調査では、起業家精神が国によって大きく異なることがわかりました。起業家精神指数ランキングのトップはコロンビアで、南アフリカ、ペルーと続きます。下位ランキングはベルギー、イギリス、フランス、オランダ、韓国、そして日本が最下位です。

なぜこれが重要なのか?

多くの専門家や経済学者は、パンデミックが長引くにつれ、起業家精神が持続的な回復の中心になると指摘しています。特に小規模企業は、パンデミック、特にロックダウンの進行によって打撃を受けています。経済の再生は、市民の起業活動に大きく依存します。

主な調査結果

1. 起業家精神はこれまでとは違う層で成長している。パンデミックは企業家の活動に拍車をかけた

  • 起業家精神が最も高いのは、期待されているグループであるミレニアル世代、X世代、そして教育レベルが高い層、所得水準が高い層である。
  • しかし、女性、Z世代、ミレニアル世代、X世代、および教育や収入の低い層の間で起業家精神が最も増加している(2018年11月以来)のは重要なことである。
  • また、昨年事業を始めた起業家の10人に3人は、パンデミックの影響を受けて事業を始めたと回答している。

2. 女性は不利と見られている

  • ほとんどの調査対象者は、女性が事業を始めようとするときに公正に扱われているとは思っていない。調査対象となった28カ国のうち、女性が公正に扱われていると認識しているのはわずか5カ国 (中国、サウジアラビア、インド、マレーシア、トルコ) であり、残り23カ国ではそう見ているのは少数派である。

3. 政府も民間企業も、起業家を積極的に支援しているとはみられていない

  • 世界の調査対象国全体では、自国の政府の起業家支援を肯定的に評価しているのはわずか29%である。政府の取組みを肯定的に評価しているのは、インド、ポーランド、マレーシア、メキシコで、ベルギー、イタリア、ペルー、ハンガリー、日本でその評価は最低となっている。
  • 一般的なビジネスと、特に自国の銀行/金融機関の起業家支援に対して、肯定的に評価しているのは32%。

4. 事業を始めるにあたっての障壁は国によって大きく異なる

資金調達は、ほとんどの国でビジネスを始める上で一番の障害であるが・・・

  • カナダ、ベルギー、米国、オーストラリア、ドイツ、スウェーデン、イギリス、オランダでは、金利が最大の障害となっている。
  • チリ、韓国、マレーシア、ブラジル、アルゼンチン、トルコ、フランス、スペイン、中国、イタリア、ポーランド、ハンガリーでは、経済がより高い障壁となっている。
  • サウジアラビア、チリ、インド、マレーシア、ロシア、中国、日本では、知識がより高い障壁となっている。

5. 事業的起業家精神と社会的起業家精神

起業家精神は、そのほとんどが伝統的な形、つまりビジネスの創造(事業的起業家精神)で現れている。しかしそれはまた、社会的起業家精神(利益団体の創設)でも現れる。時にはビジネスの創造と関連しているものの、常にではない。

実際、最近の現象としては、事業的起業家よりも社会的起業家(利益団体を始めたと言う人たち)の傾向がみられる。

  • 過去に事業を始めたことがあると答えた世界の調査対象者の30%のうち、29%が過去一年間に事業を始めたと回答している。
  • しかし、過去に利益団体を始めた13%のうち、43%が過去一年間に始めたと回答している。

これは、現在の起業家となりそうな人々が誰であるかという現実を反映している。

「事業的起業家精神を支援し促進することに関心を持つ人々は、社会的起業家精神への関心の高まりを含めるために、その範囲を広げる必要がある」と、Mike Colledge (イプソス パブリックアフェアーズ - カナダ、社長)は述べています。「市民の間で起業家精神の促進を成功させるには、起業家にとって社会政治的な問題がますます重要になっていることを認識することも含まれなければならない。」

これはイプソスが2020年11月20日~12月4日、Global Advisorオンライン調査プラットフォームで世界28カ国の20,504人を対象に実施した調査の結果です。米国、カナダ、マレーシア、南アフリカ、トルコでは18歳~74歳、その他23カ国では16歳~74歳を対象としてアンケート調査を実施しました。

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