地球を救うために旅の計画を変えますか?

7人に1人は、航空機よりも二酸化炭素排出量の少ない旅行手段により多くのお金を払うと述べています。

Traveler | carbon footprint | Ipsos


シュチタ・フサインさんは カナダの一流大学の国際リクルーターとして、よく出張をします。

彼女の出張のほとんどは北米内で行われていますが、イベントのために世界の他の地域へのクイックな旅行もあります。フサインさんは、年間40回以上航空機に乗ると見積もっています。

二人の子供を持つ38歳の母親である彼女は、二酸化炭素排出量を心配して航空機の利用を減らすと言っていますが、費用と時間の問題で選択肢が限られています。

「どこか遠くに行きたいと思ったら、交通手段は飛行機に限られていて、私には自分の二酸化炭素排出量を相殺するための何らかのイニシアティブにお金を払う余裕はありません。」とフサインさんは言います。

しかしフサインさんは、飛行機の利用を減らすために、家族旅行を出張に追加しようとしているとも付け加えました。

フサインさんは、ヨーロッパで広がっている航空機での旅行をなくそうとよびかける環境保護運動「フライトシェイム(flight-same)」、スウェーデン語で「flygskam」を真剣に考え始めた世界中の数千人の人々の一人です。

16歳のスウェーデン人環境保護活動家、グレタ・ツンバーグさんが先月、国連サミットに出席するためイギリスからニューヨークまで大西洋を二週間かけて航海横断してニュースになりました。彼女は航空機が排出する二酸化炭素量を懸念して航空機の利用を拒否しました。

考えているよりも汚染している

ロンドンのランカスター大学で将来の持続可能性を研究する、二酸化炭素排出のコンサルタントでもあるマイク・バーナーズ=リー教授は、航空機からの排出量は報告されている量よりもはるかに多い可能性があると言います。

「世界の気候変動の2%を占めていると言われていますが実際はそれ以上です。人々は高い価の要素を無視する傾向があるので先進国ではこれを倍の4%、あるいはそれ以上と考える必要があります。」とバーナーズ・リー教授は言います。

専門家によると、航空機から排出される二酸化炭素の量は、より多くの人が航空機を利用するにつれて増え続けるとのことです。しかし、あなたは汚染を減らすためにもっと航空機での旅行を減らせますか?

それは、コストと利便性という2つの重要な要素に左右されるようです。

イプソスのグローバルアドバイザー調査 (Global Advisor study) によると、調査対象の世界27カ国では、たとえ利便性が低くてもコストが高くても、航空機よりも二酸化炭素排出量の少ない交通手段を利用すると回答したのはわずか14%です。

しかし、同じくらい便利で同じくらいのコストならば航空機は使わないと回答したのは19,000人余りの対象者の29%と、その数字はは2倍になります。

Choosing a form of transportation with a lower carbon footprint | Ipsos

 

フサインさんは、同じようなコストであれば電車を使って移動し、都市間は車を運転して移動するつもりだと述べ、この数年このことについて考えていたと付け加えました。
「プラスチックカップのゴミなどを含め、航空機が引き起こす汚染の大きさについてを読んだとき、私は飛行機に乗るのが恥ずかしいと感じました。ですから、私は常に詰め替え用の水筒を持って、空港や飛行機の中で水を入れています。」とフサインは言います。

飛行を 「質素に」 考える

バーナーズ=リー教授によると、重要なのは人々が飛行の倹約について考え始める必要があるということです。なぜなら「液体炭化水素を大量に燃焼させずに、旅客機を空中に浮かせて長距離飛行を行う方法がわからない」からです。

「消費者としての私たちには飛行を減らす責任があり、ビジネスには可能な限り航空機を飛ばすことを最小限に抑える責任があります。政府にはもちろん、このことをはっきりさせる責任があります。」とバーナーズ=リー教授は言います。

一方、航空会社は炭素排出量を削減するための目標と対策を設定しています。KLMオランダ航空は、繁忙期の夏の旅行シーズンの間に、人々に航空機の利用を減らすよう呼びかけるキャンペーンまで始めました。

しかし、航空会社の環境への影響を減らす取り組みと能力について、人々がどれだけ信頼しているかという点では意見が分かれています。調査対象者の3分の1弱が航空会社を信頼していると回答している一方で、ほかの3分の1は航空会社にほとんど、あるいは全く信頼を置いていません。

代替手段の検討

世界の多くの航空会社も、炭化水素燃料の代わりにバイオ燃料を使用したり、電気飛行機を開発したりする代替案を検討してきましたが、バーナーズ=リー教授によると、バイオ燃料の生産は持続可能ではなく、後者の技術はまだまだ先の話です。

「例えば、小麦を育てて一日分のカロリーをまかなう代わりにそれをバイオ燃料にして私の小型車に電力を供給するとしたら、私の車は約1マイルしか走れません。今日の航空燃料の需要を満たすためには、世界中のすべての人が2,000カロリーを超える発熱量の作物を栽培しなければならないのです。これは食糧生産と生物多様性にとって信じられないほどの犠牲です」と教授は述べています。

バーナーズ=リー教授は、飛行機に乗れば乗るほど税金が増えるという選択肢もあると述べ、世界の航空旅行の多くはわずかの人によるものだと強調しました。
「気候変動に関しては、今も勝たなければならない心の戦いがあります。」と彼は言います。「ますます多くの人々が気候危機を非常に恐れるようになっていますが、私たち全員がこれが大きな問題であることをもっともっと意識する必要があります。」

税金は、航空機の利用が大きな影響力を持つものであり、だから税金がかかるのだということを、人々に知らせるために使うことができると、彼は付け加えました。

「現在の気候変動が飛べば飛ぶほど激しくなり、飛ばないほど軽減するという事実を回避することはできないのです。」

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