グローバル消費者信頼感、パンデミック前の水準にほぼ回復
投資指数は2019年10月以来の高水準
イプソス グローバル消費者信頼感指数は、先月から1.0ポイント上昇し、48.3となりました。雇用指数と投資指数は、それぞれ1.2ポイント、1.1ポイントと、先月から大幅に上昇しました。
グローバル消費者信頼感指数は、世界24カ国の国別指数の平均値です。これは、イプソスのグローバルアドバイザー調査オンラインプラットフォーム上で実施する、75歳未満の17,500人以上を対象とした毎月の調査に基づいています。今回は2021年6月25日~7月9日に実施されました。
調査対象となった24カ国のうち、11カ国の国別指数が前月に比べて大きく上昇しました。アルゼンチン(+2.9)、ドイツ(+2.7)、イタリア(+2.7)、ブラジル(+2.4)、カナダ(+2.3)、メキシコ(+1.9)、ポーランド(+1.9)、トルコ(+1.5)、ハンガリー(+1.5)、フランス(+1.5)、ベルギー(+1.5)です。なお、6月に比べて大幅に減少した国は、南アフリカ(-1.8)のみでした。
国別指数(National Index) のトレンド
グローバル消費者信頼感指数は前月比1.0ポイントの上昇で、48.3となりました。8ヵ月連続の上昇で、2020年11月から6.2ポイント上昇しました。
- 今月、国別指数が50ポイントを超えた国は10か国:中国(73.3)、サウジアラビア(64.9)、米国(61.9)、スウェーデン(59.5)、ドイツ(57.6)、オーストラリア(56.1)、英国(56.1)、カナダ(53.4)、インド(50.9)、イスラエル(50.1)。
- 国別指数が35ポイントを下回っているのは、トルコ(30.0)のみ。
- アルゼンチン(+2.9)は先月に比べて最も高い伸びを示したが、平均値の48.3を11ポイント以上下回っている。イタリア(+2.7)とブラジル(+2.4)も大幅な伸びを示しているが、それぞれ2.6ポイント、5.6ポイント平均を下回っている。

期待指数、雇用指数、投資指数のトレンド
調査対象国全体では、雇用指数、投資指数が前月比で0.5ポイント以上の大幅な上昇を示した一方で、期待指数は伸びが鈍化し、統計的には6月から変化がありませんでした。アルゼンチン、ブラジル、カナダ、イタリア、ドイツの5カ国では、3つの指数すべてが大幅に上昇(1.5ポイント以上)しました。投資指数が大幅に低下した国がなかったこともあり、3つの指数すべてで大幅な低下を記録した国はありませんでした。
- 雇用指数は、2021年6月から1.2ポイント上昇し、54.4。今月もパンデミックが始まってからの最高を記録したが、2020年3月(57.0)を下回っており、2020年1月よりも2.0ポイント低い状態が続いている。トルコ、アルゼンチン、イタリア、カナダ、ブラジルが大きく上昇した一方で、南アフリカは前月比で大幅に減少した唯一の市場となった。
- 投資指数は今月も大幅に上昇し、42.5となっている。先月から1.1ポイント上昇し、2019年10月(42.7)以来の高水準に達している。前月比で最大の上昇は、ドイツ、アルゼンチン、ブラジル、イタリア、ポーランド。
- 期待指数は伸びが鈍化し、58.6で前月と大きな差はないものの、2020年1月に比べて1.6ポイント上昇し、2018年8月(58.7)以来の高水準となっている。アルゼンチン、イタリア、カナダ、ドイツ、ベルギー、ブラジルは、前月比で大幅な上昇を示し、南アフリカ、ロシア、サウジアラビアは先月と比較して大幅な低下。アルゼンチン、南アフリカ、トルコ、日本、インドの5カ国は2020年1月の測定値を大幅に下回ったままである。