世界の消費者信頼感、過去16ヶ月で最高を記録
イプソスのグローバル消費者信頼感指数は先月から1ポイント上昇し47.2となりました。調査対象の29カ国のうち、10カ国が消費者景況感の大幅な上昇を示し、目立った下落を示したのはわずか2カ国でした。世界の現況指数、投資指数、雇用指数はそれぞれ少なくとも1ポイント上昇し、期待指数は0.5ポイント以上上昇しました。
ポーランド、フランス、英国、オランダのヨーロッパ4カ国は、国別指数で少なくとも2ポイントの上昇を示しました。トルコの大統領選挙に先立ち、今月同国は2019年8月以来の高い数値となりました。さらに、イスラエル(+2.7ポイント)の景況感は、大規模な街頭抗議デモによる先月の低下から回復しています。
一方、ブラジル(-2.5) とコロンビア(-2.1)では景況感が大きく悪化しています。
グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべての総合または国別指数の平均値です。イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームGlobal Advisor online platformで行われた、29カ国の75歳以下の成人21,000人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は、2023年4月21日~5月5日に実施されました。
世界29カ国における消費者景況感
29カ国のうち、インドネシア(64.5)が今月最も高い国別指数を示し、60を超える国別指数を保持する唯一の国となっています。
メキシコ(59.9)、インド(58.7)、タイ(55.5)、ブラジル(55.4)、マレーシア(54.4)、オランダ(54.1)、シンガポール(53.5)、米国(52.5)、オーストラリア(50.7)、ドイツ(50.5)の10カ国は、国別指数が50を超えています。
一方、現在国別指数が40ポイントを下回っている国は、トルコ(39.1)、チリ(38.9)、南アフリカ(38.9)、日本(38.8)、韓国(37.8)、ハンガリー(34.6)、アルゼンチン(32.1)の7カ国のみです。
12ヵ月前との比較では、韓国(-5.8)が最も消費者景況感を悪化させ、ブラジル(+8.9)、メキシコ(+8.6)、トルコ(+8.0)で最も上昇しました。
トレンド
イプソスのグローバル消費者信頼感指数(調査対象29カ国全てに基づく)は、現在47.2で、先月から1ポイント上昇しています。2010年3月以降に調査された「レガシー20カ国」のみに基づくと、45.0となります。
現在の個人の経済状況、購買や投資意欲、雇用の安定性を反映する現況指数は、29カ国全体で前月比1ポイント増の37.1となりました。前月比で現況指数が大きく上昇(2ポイント以上)した国は13カ国にのぼり、一方で大きく下降した国は4カ国にとどまりました。
同様に、消費者の投資意欲を示す投資指数も29カ国の平均で前月から1ポイント上昇し、39.3を記録しました。14カ国が大きく上昇し、5カ国のみが大きな減少を示しています。
消費者の今後の経済状況に対する期待を示す期待指数は、0.7ポイントの微増を示し56.5となりました。経済の見通しが最も改善したのはトルコで、先月から6.5ポイント、3月からは11ポイント以上上昇しました。トータルで7カ国が期待指数の大幅な上昇を示し、6カ国が大幅な下降を示しています。
雇用の安定と雇用市場に関する認識を反映する雇用指数は、サブ指数の中で最も大きな増加(+1.3)を示し、今月は57.4となりました。期待指数と同様に、トルコでの見通しが2ヶ月連続で大きく上昇しています。11カ国が大幅な上昇を示し、コロンビア、ベルギー、ブラジルのみが大幅な下降を示しています。
本調査について
この調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームと、インドではIndiaBusプラットフォームを使用し29カ国で実施されている月次調査のデータに基づいています。これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) により毎月報告されるものです。
この調査結果は、インドでは18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳の成人21,200人以上を対象に実施された調査に基づく結果です。