世界的には10人に7人が中絶を支持

イプソスが世界25カ国で17,500人の男女を対象に実施したによると、調査対象者の70%が人工妊娠中絶を認めるべきだと答えていることが明らかになりました。

イプソスが世界25カ国で17,500人の男女を対象に実施したによると、調査対象者の70%が人工妊娠中絶を認めるべきだと答えていることが明らかになりました。人工妊娠中絶については、44%が「女性が望むときにいつでも許されるべきである」、26%が「女性がレイプされた場合など、特定の状況下で許可されるべきである」と回答しています。中絶はいかなる状況下でも許されるべきではないとする人は5%のみでした。

中絶を受ける女性の権利はヨーロッパで最も広く認められており、80%が認めるべきだと回答しています。トップはスウェーデンで88%、以下ベルギー87%、フランス84%、イギリス、オランダ、スペイン(3か国とも83%)の順となっています。ヨーロッパ以外で人工妊娠中絶が最も広く受け入れられている国は、韓国 (79%) 、オーストラリア (78%) 、カナダ (77%) です。

ラテンアメリカでは容認率が低く、中絶を認めるべきだと答えているのは地域全体の調査対象者の62%です。女性が望むときはいつでも中絶を受けることができるという意見に同意しているのはラテンアメリカ5か国の対象者のわずか26%で、レイプのような特定の状況下で中絶が許可されるべきという意見に同意しているのは36%でした。この地域における人工妊娠中絶の容認率は、ペルーの48%、ブラジルの53%から、アルゼンチンの72%まで幅があります。アルゼンチンは調査対象となったラテンアメリカ地域の国々の中で唯一、グローバル平均を上回りました。

調査対象の全25カ国中、中絶が最も受け入れられていないのはマレーシアです。マレーシアの世論調査では、女性が望むときに、あるいはレイプのような特定の状況下では、中絶を認めるべきだと答えた人はわずか24%でした。マレーシアでは、人工妊娠中絶について「母親の命が危険にさらされている場合を除き、許されるべきではない」(48%、グローバルでは12%)という回答が最多でした。

 

一般的に女性と教育レベルの高い対象者では、特に「中絶は女性の決断である」と言う点で、高い容認率が見られました。

イプソスは2014年以来、中絶に関する世界的な見解を追跡しており、ほとんどの国で長年にわたって結果はかなり安定しています。韓国、ロシア、メキシコでは人工中絶の容認率が大幅に増加しました。

アルゼンチン議会は今年中に新しい中絶法案を採決し、また韓国では裁判所の判決に従って中絶を合法化すべきです。3月8日、国際女性の日を記念して、チリ、アルゼンチン、メキシコをはじめとするラテンアメリカ諸国で、女性たちが権利のために積極的に闘っています。

Global views on abortion

Global views on abortion

これは、イプソスがGlobal Advisorプラットフォームで実施した調査の結果です。米国、カナダ、マレーシア、南アフリカ、トルコでは18~74歳、その他20カ国では16~74歳の合計17,997人を対象とし、2020年5月22日~6月5日の間に同社のオンライン調査プラットフォームでインタビューを実施しました。

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