2025年6月:世界の消費者信頼感は5か月ぶりに上昇
プソスの世界消費者信頼感指数は今月上昇(+0.8ポイント)し、48.2となりました。この指数は1月以来初めて上昇し、昨年の同時期の水準と同水準となっています。
調査対象となった30か国のうち、11か国で消費者心理が大きく向上した一方、4か国のみが顕著な低下を示しました。今月は4つのサブ指数すべてが大幅な増加を示しています。
2010年3月以降追跡している「レガシー20か国」のみに基づくと、指数は46.6となり、5月からほぼ1ポイント上昇しています。
アジア太平洋地域では、景況感は概ね改善しています。シンガポール(+3.1ポイント)、インド(+2.9ポイント)、日本(+2.5ポイント)、オーストラリア(+2.3ポイント)、インドネシア(+2.0ポイント)はいずれも今月大幅な上昇を示しましたが、調査対象国の中で大幅な下落を示したのはマレーシア(-3.9ポイント)のみでした。
ヨーロッパでも消費者信頼感は高まっています。今月はオランダ(+4.3ポイント)とポーランド(+3.6ポイント)がすべての国の中で最大の増加を示し、英国(+2.8ポイント)も大幅に上昇しました。調査対象国の中で大幅に下落したのはアイルランド(-2.2ポイント)のみです。
世界消費者信頼感指数は、調査対象となったすべての国の総合指数または「国家」指数の平均です。今月のレポートは、イプソスのオンラインプラットフォームGlobal Advisorで30か国の75歳未満の成人21,000人以上を対象に実施された月次調査に基づいています。この調査は2025年5月23日から6月6日まで実施されました。
30カ国の消費者心理
30か国の中で、インドネシア(61.1)が最高の国家指数スコアを獲得しました。今月、国家指数スコアが60以上を獲得した唯一の国です。
その他12か国でも、国家指数は50ポイント以上となっています:インド(59.0)、マレーシア(55.7)、シンガポール(55.1)、メキシコ(54.2)、スウェーデン(54.1)、米国(53.4)、オランダ(52.5)、ブラジル(52.1)、英国(52.1)、ポーランド(50.8)、オーストラリア(50.4)、スペイン(50.0)
対照的に、国家指数が40ポイントを下回っているのは、日本(37.1)、トルコ(35.3)、ハンガリー(33.5)のわずか3か国です。
12か月前と比較すると、10か国で消費者心理が大幅に低下しています。対照的に、2024年5月から大幅な増加が見られるのは6か国で、最も顕著な増加はペルー(+8.7ポイント)です。
トレンド
イプソスの世界消費者信頼感指数(調査対象30か国すべてに基づく)は現在48.2となっています。2010年3月以降追跡している「レガシー20か国」のみに基づくと、46.6となります。
消費者の経済情勢に対する認識や、現在の購買、雇用、投資に対する信頼を反映する現況サブ指数は、今月1.1ポイント上昇し、現在は38.7となっています。合計で13か国が現況サブ指数で前月比大幅な上昇(2 ポイント以上)を示しており、3か国のみが大幅な低下を示しています。
消費者の投資環境に対する認識を示す投資サブ指数も今月1.1ポイント上昇し、現在は41.0となっています。今月、投資サブ指数が大幅に上昇した国は12か国で、大幅な下落を示した国はわずか3か国でした。
将来の経済状況に関する消費者の期待を示す期待サブ指数0.8ポイント上昇し、現在は56.6となっています。10か国では期待サブ指数が大きく上昇している一方、マレーシアと南アフリカのみが大きな下落を示しています。
雇用の安定と雇用市場に関する認識を反映する雇用サブ指数は今月0.6ポイント上昇し、現在は57.7となっています。6か国では雇用サブ指数が大幅に上昇している一方、3か国では雇用サブ指数が大幅に下落しています。
注目すべきは、4つのサブ指数すべてにおいて大幅な下落(2ポイント以上)を示したのはマレーシアのみであるということです。対照的に、ブラジルは4つのサブ指数すべてにおいて前月比で大幅な上昇を示した唯一の国です。