市民は「自国経済はすぐには回復しない」と思っている

世界で実施した調査によると、復興をリードする責任は政府と大企業にあると考えられていることがわかりました。

2021年8月5日、ニューヨーク ― イプソスが世界経済フォーラムのために実施した調査によると、世界29カ国の調査対象者の約4人に3人が、自国の経済が新型コロナウイルスのパンデミックから回復するには少なくともあと2年はかかると考えていることがわかりました。自国の経済がパンデミックからすでに回復していると思う人はわずか7%、1年後には回復していると思う人は19%です。楽観的な見方が最も多いのは中国で、56%がすでに経済は回復したと考えており、最も少ないのはロシアで、66%が回復には3年以上かかると答えています。
市民は、自国の政府や大企業・多国籍企業が景気回復をリードしてくれると期待する傾向があります。29カ国の平均では、調査対象者の過半数が、自国経済の回復のために最も責任を負うべき存在として、消費者、中小企業、非政府組織よりも、政府と大企業を挙げています。しかし、7人に1人は、景気回復のためにこれらのグループのいずれも信用していません。
地域経済がパンデミックから回復していることを示す指標として最も広く認識されているのは、(1)知り合いが元の仕事に戻ったり、新しい仕事に就いたりすること、(2)新しいビジネスが開業すること、(3)観光客が増えること、の3つの動きです。


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調査結果の詳細

パンデミックから経済が回復するまでどのくらいの時間がかかるか

今回イプソスが世界29カ国で実施した調査では、調査対象者に、地域経済がパンデミックからすでに回復しているか、あるいは回復までにどれくらいの時間がかかると思うかを尋ねました。
世界平均では、

  • 自国の経済はすでに回復したと考えているのはわずか7%で、この考えが最も広く浸透しているのは中国(56%、調査対象者の過半数を占める唯一の国)とサウジアラビア(25%)である。
  • 1年後に自国の景気が回復していると考える人は19%で、この傾向はサウジアラビア(38%)、米国(32%)、韓国(31%)で最も顕著である。
  • 35%は自国の経済が回復するのに2、3年かかると考えている。日本(52%)、チリ(46%)、イタリア、マレーシア(いずれもに44%)、オランダ(42%)で、この傾向が顕著である。
  • 39%がパンデミックからの回復には3年以上かかると考えており、ロシア(66%)、南アフリカ(62%)、アルゼンチン(59%)、ルーマニア(58%)でこの考えを持つ傾向が強い。

 

景気回復の担い手を誰に託すか

自国の経済回復のために最も信頼できる団体や機関について尋ねたところ、市民は他の選択肢よりも「自国の政府」を挙げる傾向がありました。29カ国の平均では、調査対象者の53%が「自国の政府」を挙げており、そのうち34%が第一選択の回答でした。「大企業/多国籍企業」は、全体ではほぼ同率(52%)で挙げられていますが、第一選択としては17%となっています。
「個人、自分自身」、つまり消費者は40%(うち17%は第一選択)が挙げています。次いで、中小企業(全体で37%、うち第一選択は13%)、非政府組織・団体(全体で24%、うち第一選択は6%)となっています。また、14%は自国の経済回復をリードするのにこれら5つの団体や機関のいずれも信用しておらず、11%が1つか2つしか信用していませんでした。

 

景気回復を牽引する様々な団体や機関への期待は、国によって大きく異なる

  • 「自国の政府」が最も多く挙げられている国は、ロシア(91%)、ハンガリー(88%)、韓国(86%)で、少ないのはコロンビア(30%)、ポーランド(32%)、ルーマニア(34%)。
  • 「大企業や多国籍企業」が最も多く挙げられている国は、中国(83%)、韓国(78%)、ロシア(71%)、ハンガリー(68%)で、少ないのはベルギー(34%)、米国(35%)、オランダ(36%)。
  • 一方、個人についてはその逆のパターンで、オランダ(71%)、米国(60%)、ベルギー(54%)で最も多く言及され、ハンガリー(11%)、韓国(18%)、中国(19%)では最も少ない。
  • 「小規模企業」が最も多く挙げられている国は、コロンビア(60%)、スペイン(58%)、アルゼンチン(57%)で、少ないのはロシア(7%)、韓国(10%)、ハンガリー(14%)。
  • 「NGO」が最も多く挙げられている国は、トルコ(41%)、南アフリカ、マレーシア(いずれも39%)、サウジアラビア(33%)で、少ないのはロシア(8%)、オランダ(13%)、スペイン(13%)。

 

景気回復の兆し

調査対象者に9つの事象を提示し、それぞれの事象をどの程度地域経済の回復の指標として捉えるかを尋ねました。地域経済の回復を示すものとして最も多く挙げられているのは、「元の仕事に戻った、新しい仕事に就いた」(世界平均79%)、「新しいビジネスが始まった」(78%)、「観光客が増えた」(72%)です。
他の6つの事象についても、調査対象者の過半数が、地域経済の全面的または部分的な回復のシグナルであると考えています。最も多かったのは、道路や橋、建物の新設(68%)で、次いで、知人の休暇や旅行の計画(65%)、路上生活者の減少(64%)、地元企業がカーボンニュートラルや持続可能な活動を発表(同じく64%)、道路交通量の増加(61%)、空気の清浄化(55%)となっています。


 

本調査について
これは、イプソスが同社のGlobal Advisorオンラインプラットフォームで29市場を対象に実施した調査結果です。2021年6月25日~7月9日、18歳~74歳の合計21,503人の成人を対象に調査を実施しました。
サンプルは、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国(本土)、フランス、ドイツ、英国、イタリア、日本、スペイン、米国の各地域で約1,000人、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ハンガリー、インド、マレーシア、メキシコ、オランダ、ペルー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコの各地域で約500人となっています。
ブラジル、中国(本土)、チリ、コロンビア、インド、マレーシア、メキシコ、ペルー、ルーマニア、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコのサンプルは、一般人口に比べて都市部居住、高学歴、富裕層が多く、結果はより「コネクティッド」な人々の意見を反映していると捉えるべきです。
アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、英国、ハンガリー、イタリア、日本、オランダ、ポーランド、韓国、スペイン、スウェーデン、米国のサンプルは、それぞれの国の75歳以下の一般成人人口を代表するものと考えられます。 
このデータは、各市場のサンプル構成が、最新の国勢調査データに基づく成人人口の属性を最もよく反映するように加重されています。 
結果の合計が100にならない場合や、「差」が実際よりも±1程度大きくなったり小さくなったりする場合は、四捨五入や複数回答、不明や未記入の回答を除外したことが原因と考えられます。
Ipsos のオンライン調査の精度は、信頼性区間を用いて計算されており、1,000 人の世論調査の精度は +/- 3.5 パーセントポイント、500 人の世論調査の精度は +/- 5.0 パーセントポイントとなっています。Ipsosの信頼性区間の使用についての詳細は、Ipsosのウェブサイトをご覧ください。
この調査結果の公表は、現地の規則や規制に従います。 

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