ベルリンの壁崩壊から30年、人々は安全ではないと感じている

壁が崩壊したので、ヨーロッパはより安全な場所だと考えている人は3分の1にも届いていません。

30 years since the fall of the Berlin Wall | communism | East Germany 先週はベルリンの壁崩壊から30年を迎えましたが、その崩壊と1989年の東ドイツにおける共産主義の終焉からの後遺症は、この歴史的出来事の後何ヶ月も何年も続き、その影響は今日も残っています。

それに続く過去30年間の社会的・経済的変化は、東ヨーロッパと西ヨーロッパの格差を解消し、さらに大陸最大の経済を統合することを意図していました。

しかし、この格差が解消されたのか、あるいはいつかは解消されるのかについては、まだ議論が続いています。

イプソスは、壁崩壊から30年後のいま、人々はどう感じているのかについて、ヨーロッパ13カ国と域外の西側3カ国の12,000人以上対象として調査を実施しました。

この調査結果は、この地域の情勢についてさらに疑問を投げかけています。

ベルリンの壁崩壊とヨーロッパの共産主義の終焉の結果、ヨーロッパがより安全な場所になったと考えている人は29%に止まります。より多くの人(31%)がこの意見に反対で、ベルギーとロシアがトップ、ドイツがそれに続きます。

それに加え、鉄のカーテンの崩壊以降、38%の人々は「自国の生活は改善していない」と回答し、特にドイツの人々の多くはこれに同意しています。

Life after the fall of the Berlin Wall | Ipsos | Pollsベルリンに拠点を置くロバート・グリム(イプソス ドイツのパブリックアフェアーズ担当ディレクター)は、ヨーロッパはここ数年、分裂し紛争が続いているため、この結果は驚くべきものではないと述べています。

「共産主義が終わった直後から、現地の利益と民族主義によって引き起こされた多くの戦争があった。ボスニア、クロアチア、コソボ、そしてウクライナではいまも続いている」とグリムは言います。「ロシアの脅威も大きくなっている。最初のサイバー攻撃はエストニアで起きた。ロシア軍は度々、海上や空中で挑発行為を行ってる。」

グリムは、共産主義が終焉を向かえる前、世界はリベラル資本主義と共産主義が対立して成り立っていたと付け加えました。

「今日では、経済的資源の点で比較的平等な社会から、社会的に分断された社会まで、はるかに混沌としているように見える」とグリムは言います。「今日の社会は、人々の社会的アイデンティティと消費者の選択という点で、非常に細分化され、個別化されている。旧東欧では社会は均質だった。」

壁の撤去は、東西間の社会的・経済的障壁の除去を目的としたものでしたが「現在、東欧と西欧は共通の目標を共有している」と回答したのは調査対象者の28%でした。25%がこの意見に同意しておらず、48%はまだ分からないと回答しました。

グリムは、2つのヨーロッパの間にはまだ根本的な違いがあると言います。

「東欧諸国ははるかに保守的で、基本的には移民や難民に反対している。東欧は西欧よりも国家主義的だ。彼らはロシアの脅威を感じ、西側には理解されていないと感じている。」

経済的後遺症

ドイツ統一後の経済政策は、単一通貨ユーロの導入や欧州中央銀行の設立など、双方の経済を統合することを意味していましたが、批判的な人々が、中央金融政策はすべての国のニーズに応えるものではないと主張しているように、これもまた問題視されています。

「ある国は他の国より弱い通貨を必要とする。中心となるドイツなどは、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャなどの国に補助金を出していると感じている」とグリムは言います。「これは、ドイツが影響力を持ちすぎているかどうかという設問への回答パターンに見ることができる。反感がある。」

Berlin Wall | tourism | security | Polling

壁の崩壊と鉄のカーテンの崩壊以降、ドイツが欧州で影響力を持ちすぎているかどうかについては、調査対象者の意見が分かれました。対象者の半数以上が「ドイツは影響力を持ちすぎている」と回答した国の上位は、トルコ、スペイン、イタリアでした。

また、壁が崩壊してから地域の生活が改善されたかどうかについても意見が分かれました。

ドイツ政府が発表した経済指標によると、第2四半期に景気が縮小した後、同国の第3四半期の国内総生産(GDP)成長率は0.1%となり、景気後退をわずかに回避しました。米中貿易戦争、イギリスのEU離脱の先行き不透明感、自動車生産の減少などで輸出企業が打撃を受け、ヨーロッパ最大の経済が自律的景気後退に突入するというのが大方の予想でした。

グリムはさらに、ドイツ統一や、壁崩壊後の欧州連合の創設なしに、イギリスEU離脱はあり得たのだろうかと考えなければならないと付け加えた。

「統一ドイツはヨーロッパの中心で強すぎるため、より広範な欧州経済、すなわち欧州連合と単一通貨に統合されなければならないという懸念があった。」とグリムは言います。

「このシステムは機能せず、各国の経済発展はあまりにも異なり、通貨統合は行き詰まる、というのが、これまでドイツの欧州懐疑論者たちが言い続けてきた主な批判だ。」

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