The Reality of Rio - リオオリンピックでのブランドコミュニケーションを振り返る

2016.8 イプソスのメディア&ブランドコミュニケーション部門、Ipsos Connectで、2016年リオデジャネイロオリンピックに関するブランドのスポンサー活動、メディア戦略などに関する考察を発表しました。

● TV放送の視聴率は期待を大きく下回った・・・考えられるその理由

オリンピックに対する風向きが変わっていることは、開会式放映後の逆風で明らかになった。NBCUは、これはビンジ・ウォッチング(ストリーミングで連続ドラマなどを一気に見る=コマーシャルが挟まらない)の傾向が、視聴者の間で高まっているからだと主張している。NBC Sportsは、「ロンドンオリンピックで行ったように、番組の後半で開会式を放映できる時間を稼ぐために、番組のはじめの方にコマーシャルを多めに入れた。リオとロンドンは、ほとんど同じ割合でコマーシャルを入れたにも関わらず視聴率が下がった。これはビンジ・ウォッチングなどへの視聴パターンの変化が、コマーシャルに対する認識を変えてしまったのではないか」と述べている。

● リオオリンピックでのブランドコミュニケーション活動を振り返る

「ブランド経験」を考える

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ブランドが実施する現地でのイベントやソーシャルメディアで発信するコンテンツなどは、そのブランドの魅力を感じてもらう機会を創るだけでなく、人々にブランド経験をシェアしてもらうことで、無料メディアを生み出すことができる。

  • オフィシャル・タイムキーパーであるオメガは、イパネマ・ビーチに「オメガ・ハウス」をオープンした。また、オンラインで「Timekeepng at Rio 2016」などのストーリーを展開した
  • マクドナルドは、「フレンドシップ精神の実現キャンペーン」の一環で、世界18カ国から100名以上の子供たちをオリンピック開会式に招待した

ソーシャルメディアを使ってつながる

グローバルスポンサーである大手企業の多くは、FacebookやYouTubeで競技を観戦できるようにした。

「放送メディア」を考える

依然として放送メディアのリーチが最も優位である。オリンピックは、人々がリアルタイムで何が起きているのかを知りたいと思うイベントであり、このようなイベントでは、頼りになるメディアとして放送メディアが選ばれる。しかし、クリエイティブな工夫がないと人々の印象には残らない。

ポジティブな感情だけでなく、全ての感情を揺さぶる

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「共感」は、注意や関心を引くことができるパワフルな感情である。感情のすみずみまで働きかければ、与える影響も際立って大きくなる。グローバルスポンサー企業はさまざまな方法に取り組んだ。

  • P&G:「トップに立つための毎日の苦しいトレーニング」という暗い側面に入り込むキャンペーンを展開
  • サムソン&VISA:リオオリンピックに出場した難民アスリートチームを支援。難民アスリートに関するストーリーを使ったキャンペーンを展開

ペーパー(英語、4ページ)は、Ipsos グローバルサイトからダウンロードできます。

http://ipsos.com/olympic-games-reality-rio-was-really-apocolympics-now

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