気候変動はコロナウイルスと同じくらい深刻な危機ー世界の市民の3分の2が同意

市民は気候変動を優先するために経済回復措置を望んでいます。

世界14カ国で実施したイプソスの新しい調査によると、世界の対象者の71%が、長期的には、気候変動は新型コロナウイルスと同じくらい深刻な危機だと考えています。この調査では、コロナ後の景気回復において、気候変動を優先させる政府の行動に対して幅広い支持があることを示しています。65%がこれを重要だと回答しています。調査は2020年4月16日~19日、28,000人以上の人々を対象にオンラインで実施されました。

2020年2月21日~3月6日、世界29カ国の20,000人以上の人々を対象にオンラインで実施した別のイプソスの調査によると、気候変動は依然として世界中の市民にとって最も重要な環境問題です。しかし「自分たちの環境行動を変えるつもりだ」と回答したのは6年前と変化がありません。

主な調査結果:

  • 気候変動は依然として世界で最も重要な環境問題であり、37%が地球環境問題の3大課題の一つに挙げている。このほか、大気汚染 (33%) 、ゴミの排出量 (32%) 、森林伐採 (26%) 、水質汚濁 (25%) などが市民にとって重要な環境問題である。この4つの問題への関心は2年前から高まっている。
  • 世界の市民の多く (68%) は、自国政府が気候変動と闘うためにいま行動しなければ、自国民を見捨てることになると考えている。57%は気候変動を深刻に受け止めていない政策をとる政党には投票しないと回答している。
  • さまざまな環境行動の中で、世界全体の5分の2もの人々が、特定の分野では可能な限りのことをすでに行っていると感じている。改善の余地がないと感じている分野としては、リサイクル (40%が 「私はすでにできる限りのことをしている」 と述べている) 、家庭での省エネ (37%) 、家庭での節水 (33%) などが挙げられる。

人間の活動が気候変動に寄与するという意見への同意は、2014年と2020年を比較すると下降しています。ヨーロッパの一部の国 (ドイツで14ポイント、イタリアで9ポイント、フランスで8ポイント) 、また、世界の他の地域 (ブラジルで17ポイント、中国と日本で16ポイント、ロシアで12ポイント) でも下降が見られます (但し、この時期にオンライン人口のプロフィールが変化していることに注意することが重要で、例えば、オンラインを利用している高齢者の割合が増加しています) 。しかし、イギリスやアメリカなどの国々では、大きな変化はありませんでした。

多くの市民は、個人による気候変動への影響を制限するために、自分自身の行動を変える可能性が高いと感じています。しかし、6年前にイプソスがこのような質問をした時と比較して「変えるだろう」という回答は増えていません。飛行機に乗らない、食事を変えるなど、達成するのが難しそうな変化を計画するよりも、利便性が高く達成しやすい行動を計画する傾向が依然として強くなっています。

  • 人々は自分たちの持つ消費力を行使しようとしている:過剰なパッケージを持つ製品を避けることが最も人気のある変化であり、全体の57%が来年にはこれに対する態度を変える「だろう」と回答している。
  • 続いて、新しい商品を買わない、持っているものを修理する、中古品を買う (52%) 、家庭での省エネ (50%) 、リサイクル (49%) 、家庭での節水 (49%) となっている。

快適さや利便性の低下した生活様式の変化をどの程度受け入れられるかについては、市民の意見が分かれています。

  • 41%は、個人による気候変動への影響を制限するために、来年は飛行機に乗るのを避けるだろうと回答。しかし33%は、この変化を起こす可能性は低いと回答している。
  • 41%が、来年には肉を食べる量を減らすか、一部の食事の肉を豆などの代替品に置き換える可能性が高いと回答。しかし39%は、その可能性は低いと回答している。
  • 35%は、乳製品の摂取量を減らしたり、乳製品を豆乳などの代替品に代えたりする可能性が高いと回答。しかし49%は、その可能性は低いと回答している。

イプソスがトレンドデータを持っている12カ国では、個人による気候変動への影響を制限するために、自分たちの行動を変えるつもりだと言う可能性は、2014年以降ほとんど変わっていません。

  • 変化が見られないのは、これら12カ国の国民がすでに行動を起こしているからではない。むしろ2014年以降、ほとんどの行動について 「できる限りのことをしている」 と回答する人の割合が減少している。この動きのなさは、行動を変えることの難しさに対する国民の感覚が高まっていることと関係しているのかもしれない。問題意識を高めることは、状況を改善するためにはほとんど何もできないという意識が高まることを伴う。

食習慣の変化は、2014年から多少の動きがある分野です。2020年調査では18%が可能な限り肉を減らしていると回答、2014年調査(14%)から4ポイント上昇しました。 また、この変化を起こす可能性が低いと言う割合も2014年の44%から2020年の39%へ減少しています。乳製品の消費については「来年消費を減らす可能性が低い」との回答は、2014年の55%から2020年の49%へと減少しました。

これは、イプソスのグローバルアドバイザー オンラインプラットフォームで実施した2つの調査に基づいています。一つは、2020年4月16日~19日に14カ国で実施した調査で各国2,000人以上(カナダとアメリカの18~74歳、オーストラリア、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、インド、日本、メキシコ、ロシア、スペインの16~74歳)を対象に実施された調査です。もう一つは、2020年2月21日~3月6日に29カ国で実施した調査です。この調査のサンプルサイズは20,590人(オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国 (本土) 、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、日本、メキシコ、スペイン、スウェーデン、アメリカで各国1000人以上、アルゼンチン、ベルギー、チリ、コロンビア、ハンガリー、インド、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、トルコで各国500名以上)で、アメリカ、カナダ、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコの18~74歳、その他23カ国の16歳~74歳を対象としています。

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