消費者向け美容分野でのAIによる顧客体験の向上
人工知能を活用した消費者インテリジェンス(AICI)は、データ主導の顧客体験(CX)、マーケティング、製品開発に関して、次世代の大きなトレンドです(この点については、昨年からこの記事(英語)で取り上げています)。そしてAICIのアプリケーションの中で、おそらく最もエキサイティングであるのに最も理解されていない利用ケースは、AIとソーシャルデータを駆使して消費者のアンメットニーズを見出すことです。製品やサービスの体験向上だけでなく、イノベーションの機会を見出すこともできるのです。
AICIは、CXと消費者インサイトの両チームがオンラインとオフラインのデータを統合し、CX、カスタマーサクセス、さらには企業全体の営業とマーケティング活動を支援するインサイトを提供する事を可能にします。従来のソーシャルリスニングのアプローチからこのように飛躍するには、社会的シグナルが引き続き必要です。しかし、顧客調査からのインプット、検索パターン、Webサイトやマーケティングツールなどからの他の情報も必要です。
しかし、真の実現者はAIです。そして、さらに言えば機械学習です。
このため、CXにおいて最も興味深い開発は、AIと消費者インサイトが出会うところです(詳しくは、 消費者インサイトにおけるAIの役割の拡大に関するIpsos Viewsをご覧ください)。このアプリケーションの最先端は、セマンティックAIと機械学習を用いて、消費者の言動を処理し、可視化することです。Synthesioでは、これをトピックモデリングと呼び、次世代のソーシャルインテリジェンスを習得しようとする多くのブランドが目指す方向性であると見ています。
ここでは、このアプローチの仕組みと、より多くのベンダーがインサイト(およびエンゲージメント)プラットフォームにこのデータサイエンスの手法を取り入れることで、CXチームが期待できることをご紹介します。
消費者向け美容分野での一例:
その好例が消費者向け美容製品で、顧客満足度とロイヤルティは、ブランドの調達、ビジネス、パッケージングに至るまで、必要不可欠なサステナビリティ(sustainability imperative)をいかに取り入れているかにますます結び付いています。
このケースでは、ブランドとその小売パートナーにとって重要なテーマである、サステナブルなパッケージングと詰め替え製品に関する消費者体験を調査することが第一の目的でした。最初のトピックモデリング調査では、「廃棄物ゼロの詰め替え用消臭剤」の需要など、予想されるトピックが明らかになりましたが、パッケージが壊れたり、期待したほど耐久性がなかったりする等の経験に関するアンメットニーズも発見されました。
トピックモデリングでは、特定のソーシャルメンションや オンラインコミュニティをより深く掘り下げることで、チームは新たなイノベーションの機会を見出すことができました。例えば、並外れた強度と優れた生分解性を持つ竹は、代替パッケージング材料として注目されています。
既存オプションのCXに関する新しいインサイトを得たチームは、消費者が何を考え、どのような購入意思を持っているかを確認するために、集中的なフォローアップ調査を開始することができました。特に、この調査では、製品の検討プロセスにおけるサステナビリティの重要性が確認されました(これらの製品を扱う小売り店やホテルなどの業者にも適用されます)。また、消費者の3分の1は、竹製の詰め替え用製品があれば購入すると回答しています。
最高の消費者インサイトは、変化を生み出します。この例では、消費者が本当に望んでいることに耳を傾けることから、より良いCXが始まりました。そして、悪い事例がトレンドになる前に、AIがニーズを察知し、選択肢を提案し、チームが迅速にソリューションを見出すことで、より適切な対応を可能にするのです。
SynthesioのAICIプラットフォームが、どのようにCXを向上させ、イノベーションの機会を見出すのに役立つかについて、詳しくは当社の専門家チームにお問い合わせください。