世界が懸念していること - 2019年7月

世界が懸念していることは?― 58%が自国は間違った方向に進んでいると考えています。失業問題は引き続き最大の懸念です。

イプソスの「世界の懸念事項調査(What Worries the World study)」によると、調査対象である世界28カ国の過半数(平均58%)が「自国が間違った方向に進んでいる」と感じていることが明らかになりました。最も大きな懸念を示しているのはイギリス(78%)、フランス(77%)、南アフリカ、ベルギー(どちらも74%)、スペイン(73%)です。

「世界の懸念事項調査(What Worries the World study)」は、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、フランス、イギリス、ドイツ、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、ポーランド、ペルー、ロシア、サウジアラビア、セルビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、アメリカの65歳未満を対象にしに実施している毎月のオンライン調査です。

この調査では、調査対象となった28カ国の過半数の人々が「自国は間違った方向に進んでいる」と回答していることがわかりました(平均58%、前月より変化なし)。しかし、世界中でそれぞれの国のスコアには大きな差があります。

正しい方向

今回も中国(94%)は、自国の進む方向性について最も国民が自信を感じている国です。第2位サウジアラビア(78%)、第3位インド(73%)も前回同様のランキング、次いでマレーシア(60%)という結果です。

  • 今月、肯定的な回答が最も増えた国はトルコ。8ポイント増の33%で、2018年9月の34%以来の最高だった。アルゼンチン(36%)は7ポイント上昇した。
  • ハンガリー(31%)とブラジル(45%)でも、自国が正しい方向に向かっていると考える市民が増えており、それぞれ6ポイント、5ポイント上昇している。

間違った方向

  • イギリス、フランス、南アフリカ、ベルギー、スペインでは、自国の方向性に対する不安を最も強く感じている。自国が正しい方向に向かっていると考えているイギリス人はわずか22%で、次いでフランスが23%、南アフリカとベルギーが26%、スペインが27%。
  • ベルギーはまた、ポジティブな感情が最も減少した国でもあり、前月から6ポイント低下した。
  • イスラエル(42%)とスペイン(27%)でも5ポイント低下した。

世界の5大懸念事項は次のとおりです。

  1. 失業(32%):この問題を最も懸念している国は韓国(64%)で、南アフリカが62%、イタリアが59%と続いている。傾向を見ると、中国(27%)では、この不安が前月比で最も大きく減少しており、6月から17ポイントの大幅な低下となっている。失業の懸念を最も感じていないのはドイツ(8%)、次いでポーランド(9%)。
  2. 貧困・社会的不平等(32%):この問題を最も懸念している国はロシア(60%)で、セルビア(52%)、ハンガリー(49%)と続いている。サウジアラビア(17%)の市民はこの点についての懸念が最も少なく、スウェーデンとポーランドが僅差で続いている(18%)。懸念が最も高まっているのはセルビア(+5)、ハンガリー(+5)、イスラエル(+5)だ。
  3. 犯罪・暴力(31%):この問題を最も懸念している国はメキシコ(66%)で、南アフリカ(62%)、ペルー(60%)を上回った。懸念が最も高まっているのはスウェーデン(50%)で、9ポイント上昇した。インド(37%)、中国(22%)の上昇も目立つ(+8ポイント)。この問題に対する懸念が最も少ないのはが最も少ないのはロシア(7%)で、ハンガリー(11%)、サウジアラビア(13%)が続く。韓国(23%)とトルコ(20%)では、前月比5ポイント低下した。
  4. 金融・政治腐敗(30%):この問題を最も懸念している国は南アフリカ(60%)で、ロシア(57%)、ペルー(56%)が続いている。今月この問題に関する懸念度が最も減少した国はトルコ(18%)。また、懸念も少ないのはスウェーデン(8%)、ドイツ(10%)で、次いで日本、イギリス(13%)となっている。
  5. 医療 (26%).

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