世界が懸念しているのは? - 2018年3月

イプソスが実施したグローバル世論調査によると、世界各国の懸念事項トップ3は「経済・政治の腐敗」(34%)、「失業」(34%)、「貧困・社会的不平等」(34%)でした。

「世界で懸念されていること(What Worries the World)」調査によると、調査参加国28か国の半数以上(58%)が「自身の居住国(以降、自国)は間違った方向に進んでいる」と考えていることが明らかになりました。メキシコ(89%)、ブラジル(88%)、スペイン(81%)、イタリア(80%)が最も懸念度が高い国々です。

南アフリカでは、ラマフォサ氏がアフリカ民族会議の新議長に就任した影響が見られます。楽観的な見方が広がっており、52%の人々が物事が良い方向に進んでいると考えています。これは過去7年間でもっとも高い割合で、2月の調査からは20ポイント上昇しました。南アフリカが楽観的な傾向に向かい始めた昨年12月との比較では42ポイント上昇しました。南アフリカでは顕著な変化はまだ見られませんが、新大統領がポジティブな変化をもたらすという大きな希望を感じているようです

今月2番目に大きな変化を見せたのはスウェーデンで、楽観度は前月比8ポイント上昇し、2012年10月以降最も高いスコア(47%)を記録しました。

「世界で懸念されていること(What Worries the World)」は、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、フランス、イギリス、ドイツ、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、ポーランド、ペルー、ロシア、サウジアラビア、セルビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、アメリカの65歳以下の成人を対象に毎月行われているオンラインのアンケート調査です。

この調査によって、これらの28か国の過半数の人(平均で58%)が、「自国は間違った方向に進んでいる」と考えていることが明らかになりました。しかし世界各国のスコアは国によって大きく違います。

  • 今回もまた、中国の人々が最も自国が向かっている方向について肯定的に捉えている(94%が正しい方向性と回答)。サウジアラビ(67%)は7ポイント下降したが第2位。韓国(66%)はインド(65%)を抜いて第3位の最も肯定的な国となった。
  • 自国が向かっている方向性について最も懸念度が高い国々はメキシコ、ブラジル、スペイン。メキシコでは11%の人々のみが自国の方向性について肯定的で、ブラジル(12%)、スペイン(19%)と続く。
  • 楽観度が最も下降したのはドイツで、今月は30%の人々のみが自国は正しい方向に進んでいると回答。これは2月の記録と比較すると8ポイント下降したことになる。サウジアラビアでは前月比7ポイント下降した。
  • 日本では楽観度が前月比5ポイント上昇し、46%の人々が自国は正しい方向に進んでいると回答。

世界の人々の懸念事項トップ3は・・・:

  1. 経済・政治の腐敗(35%)―ペルー(65%)が最もこれを懸念している国で、次いでマレーシア(59%)。インド(51%)は最も懸念度が上昇した(12ポイント上昇)。スウェーデン(8%)とドイツ(9%)がこれに対する懸念度が低く、この2カ国は2017年7月から連続してこの位置を保っている。日本は19%で前月比1ポイント下降した。
  2. 失業(34%)―イタリア(66%)、セルビア(64%)、スペイン(63%)が最もこれを懸念している。セルビアは前月比で最もこの項目に対する懸念度が上昇した国でもある(5ポイント上昇)。ドイツ(11%)は7ヶ月連続で失業に対する懸念度が最も低い。日本は26%で前月比4ポイント上昇。
  3. 貧困・社会的不平等(34%)―セルビア(58%)、ロシア(56%)、ドイツ(54%)が最もこれを懸念している。アメリカ(19%)が最も懸念度の低い国である。日本は35%で、前月比5ポイント下降。

世界規模の問題トップ5

  1. 経済・政治の腐敗(35%)
  2. 失業(34%)
  3. 貧困・社会的不平等(34%)
  4. 犯罪と暴力(31%)
  5. 健康(24%)       

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