”アジャイル”は、管理職を危機から救うことができるだろうか
管理職はもはや夢の仕事ではない
これは現実の危機です。欧米諸国で調査対象となった管理職はほぼ満場一致で不満を表明しているのです。81%が「自分の仕事は(以前と比較して)より困難」であると回答しています。彼らは以前よりも過労(71%)やストレス(69%)が多く、支援は少ない(54%)と感じており、48%が以前よりやる気がなくなっていると感じています。その結果、今後5~10年で管理職に留まりたいと考えている人は37%に止まっています。

以前と比較して、より・・・
・過労だと感じているー71%・・・イギリスでは79%
・ストレスを感じているー69%・・・イギリスでは74%
・支援がするないと感じているー54%・・・フランスでは64%
指揮系統ラインの向こう側の芝生は必ずしも青くはないようです。管理職ではない従業員が今後5~10年で管理職になることを希望している割合はわずか9%で、管理職の従業員の35%はその地位にまったく魅力を感じていません(ドイツでは43%)。マネージャーになることの意味は大きく失われて働く者の夢ではなくなり、もはや成功や名誉とは見なされていません。
変化が期待されている
管理職はまず今後5~10年のうちの変化を待ち(66%)、1/3はその頃には自分の管理職レベルがなくなっていると考えています。しかし彼らは楽観的でもあり、ほとんどの人が将来の変化の性質(デジタル、テック、Z世代など)に機会を見出していますが、スキルアップと役割の明確化も求めています。

将来より良い管理職になるために何が役立つと思いますか?
・新しいテクノロジーや働き方における自分のスキル開発ー71%・・・イギリスとアメリカでは74%
・自分に期待される役割と自分のポジションに関する期待の明確化ー63%・・・イギリスでは68%、アメリカでは67%
理想的な管理職についての新たな認識
理想的な管理職に求められるものは、国によって違います。フランスでは、良い管理職はチームに意味を与え、やる気を起こさせることを期待されます(60%)。一方、アメリカ(59%)とイギリス(60%)では、理想的な管理職はチームメンバーのスキル開発を助け、フィードバックを与えることを期待されます。ドイツでは管理職は主に意思決定を行うことを求められており(49%)、中国では経営者の意思決定を支援・説明し、他部門との関係を構築する(53%)ことを求められています。

"アジャイル"が答えかも知れない
解決策を探すと、多くの答えが出てきます。2000年代に新興企業やウェブ企業で生まれたアジャイルモードは、銀行や自動車といった従来型のセクターでうまく使われてきました。このモデルでは、チームは学際的でより自律的です。管理職とチームの間に信頼関係が築かれます。管理職は主に、連携と自主性を保証する者と見なされます。この新しい種類の役割は、現在の危機に解決策をもたらすかもしれません。