Ipsos Views:第2回 環境負荷を認める国・認めない国
第2回 「環境負荷を認める国・認めない国」
「パンデミックは人間の活動が自然や環境に及ぼす負の影響に起因する」と考える人が、世界で多数派を占めています。日本も例外ではありません。
WHOは、確認されるエビデンスの全てにおいて、新型コロナウィルスは過去に流行したHIV、SARS、エボラ出血熱と同様に、野生動物からヒトに感染したものであると発表しています。
https://www.who.int/news-room/feature-stories/detail/who-manifesto-for-a-healthy-recovery-from-covid-19
森林破壊を初めとした人間の経済活動の影響で、野生動物と人間の生活圏が近くなり過ぎました。これにより、野生動物の間にしか存在しなかったウィルスがヒトに感染する危険性が高まっています。これは環境破壊の影響を顧みず経済活動を優先して来た長い歴史の代償で、今回の世界規模にまで発展してしまった新型コロナウィルスというツケは、途方もない規模に膨れ上がっています。そして今後も自然環境を回復しない限り、同じルートで新たなウィルスがヒトに感染し続けるだろうとWHOは警告しています。
しかし、環境破壊と人間界で起こっているパンデミックその他の現象との関係性を否定する人が半数を占める国があります。先ほどと同じイプソスの気候変動に関する世論調査結果では、日本も上位国に名を連ねています。

これらは化石燃料生産量の上位国であり、日本はその主な輸入国です。つまり、資源の採掘と環境への打撃が気候変動の原因であることを認めにくい事情が透けて見えます。経済活動への影響を恐れ環境への取組みを先延ばしにして来た国の政策が、世論にも影響していると考えられます。
日本国内でも、やっとSDGsやESGの認知が高まり、脱炭素社会を意識した動きが活発化して来ました。
「我々は、地球を救う機会を持つ最後の世代になるかもしれない」は、2015年に国連の「持続可能な開発サミット」で宣言されたメッセージです。日本政府はこの宣言から随分遅れた昨年10月に脱炭素社会の実現を2050年という期限付きで宣言しました。政府の鶴の一声で、日本社会は一斉に2050年からのバックキャスティングを行い、具体的な工程表作成を始めました。
SDGsやESGランキングなるものが数々の機関から発表されるようになりました。ランキングは出すが、それを改善するための分析手法は持たない会社が多い中、イプソスコーポレートレピュテーションでは、それらを「企業の評判」の重要な構成要素として評価し、企業の総合力を高めるためのアクションを分析・示唆します。