新型コロナウイルスの一年:世界の人々は制度への信頼感を喪失

追跡調査のデータで、この一年間の人々の信頼感の動向が把握できます。

2021年3月5日、ワシントン DC – 世界保健機関 (WHO) が新型コロナウイルスの蔓延をパンデミックと宣言してからほぼ一年近くが経過しました。イプソスは、8つの主要国のうち6カ国の人々が、自国政府の新型コロナウイルスへの対応能力について、昨年よりも信頼感を失っていることがわかりました。

世界の保健当局やメディアも信頼感について大きな打撃を受けました。オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、ロシア、英国、米国の調査対象者の過半数は、長期的には、人々が世界の保健当局を疑問視することになると予想しています。調査対象8か国のおよそ10人に3人は、1年前と同様にメディアが新型コロナウイルスの流行を誇張して伝えていると考えています。

医師や地域の医療従事者は、危機の初期よりも現在の方が信頼されている傾向があります。

各国政府は期待に応えなかった

過去1年間、ほとんどの調査対象国では、コロナウイルスに効果的に対処する自国政府の能力への信頼が低下しています。分析対象となった8か国のうち、例外はオーストラリアとドイツで、この2カ国では自国政府のコロナウイルス対応への信頼が一年前よりも高まっています(オーストラリアでは2021年1月は78%が 「非常に」 または 「ある程度」信頼 vs. 2020年2月は70%/ドイツでは54% vs. 50%)。

•    オーストラリアやドイツと同様、カナダでも過半数 (60%) が自国政府のコロナ対応を信頼している。

•    米国 (47%) とロシア (45%) の世論は二分している。英国 (37%)とフランス(36%)では3分の1、日本では全体の4分の1しか自国政府の対応能力を信頼していない。

•    自国政府のコロナ対応に対する信頼度が大幅に低下した国は、日本(−39ポイント)、英国 (−28)、米国 (−21)、フランス (−20) である。

 

Confidence in National Government to Effectively Deal with the Coronavirus


世界の保健当局の権威が失墜

8カ国のほとんどの調査対象者は、このパンデミックは世界の保健機関に対する信頼に影響を与えていると考えています。過去1年間で、この意見が広まりました。

•    フランスの73%からロシアの51%まで、各国の調査対象者の過半数は、長期的には世界の保健当局が疑問視される可能性が非常に高いか、ある程度高いと述べている。

•    世界の保健当局への信頼が低下するとの予想は、フランスと英国(いずれも+28ポイント)、カナダとドイツ(いずれも+22)、ロシア (+21) を含むほとんどすべての国で二桁の伸びを示しており、米国 (+17) とオーストラリア (+14) では若干低めの伸び。日本は唯一の例外でその上昇は一桁 (+4)にとどまった 。

 

Likelihood Trust in Global Health Authorities Will be Questioned in the Long Term


コロナ禍の一年、地域の医師、医療従事者は信頼を得る

調査対象となった8か国すべてにおいて、ほとんどの調査対象者が、地域の医師、医療従事者の地域社会でのコロナ対応に「非常に」 または 「ある程度」信頼を寄せています。
 •   現在のところ、オーストラリア (89%)、カナダ (84%)、米国 (80%)、および英国 (79%) は調査対象者が新型コロナウイルス対応について医療従事者を最も信頼している国々で、ドイツ (76%)、フランス (74%)、日本 (61%)、およびロシア (52%) がこれに続く。 

 •   一年前と比較すると、ドイツ(+27ポイント)、ロシア (+13) 、オーストラリア (+10) 、米国および英国(いずれも+8)、カナダ (+7) では、地域の医療従事者の新型コロナへの対応能力への信頼感が高まった。

 •   地域の医療従事者による新型コロナへの対応能力への信頼感が一年前よりも低下している国は日本(-15ポイント)とフランス (-4) のみである。

Confidence in Healthcare Professionals in the Community to Effectively Deal with the Coronavirus

メディアが新型コロナウイルスの流行を誇張している?

すべての調査対象国で、ある程度の対象者が、メディアが新型コロナウイルスの流行を誇張して伝えていると考えています。調査対象8か国の平均では、10人に3人(英国の23%から米国の37%まで)が、メディアはコロナの流行の程度を誇張していると考えています。

•    昨年2月と比較すると、日本(+8ポイント)とアメリカ (+7) の二国で、パンデミックの報道が誇張されているという見方が強まっている。
•    ロシア (-18ポイント) 、ドイツ (-6) 、英国 (-4) ではそういった見方は弱まっている。
•   カナダ (-2) 、オーストラリア (-2) 、フランス (+3) では、統計的には変化がほぼない。

Belief that Media Exaggerated Extent of COVID-19 Outbreak

 

One year on, most don’t see an end to the pandemic before the end of 2021 – if at all もご覧ください。

調査について
本調査は、カナダと米国では18~74歳、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、ロシア、英国では16~74歳を対象に、Ipsos Global Advisorオンラインプラットフォームで実施されました。
第1ウェーブは2020年2月7~10日に実施、このレポートで報告の最新の第33ウェーブは2021年1月28~31日に実施されました。
オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国、米国については、各ウェーブのサンプルサイズは1,000人で、各国の16~74歳(米国とカナダについては18~74歳)の一般人口の代表ととらえることができます。
ロシアについては、2020年2月から7月の調査ではサンプルサイズは1,000人、8月以降は500人です。ロシアの対象者は一般人口よりも都市部居住者で、教育水準が高く、かつ/または富裕層であり、よりインターネットでつながる層の見解を反映しているとみなすべきです。
各国のサンプル構成が、最新の国勢調査データに基づく成人人口の人口統計学的特性を最もよく反映するように、データは加重されています。複数国平均は、調査が実施されたすべての国の平均結果を反映しています。これらは各国の人口規模に合わせて調整されたものではなく、全体的な結果を示すことを意図したものではありません。
結果の合計が100にならない場合、または 「差」 が実際よりも+/- 1多い/少ないと思われる場合は、端数処理、複数回答、または「分からない」の除外、または明記されていない回答が原因である可能性があります。
イプソスオンライン世論調査の精度は、1,000から+/- 3.5パーセントポイントの精度と500から+/- 4.8パーセントポイントの精度の世論調査の信頼区間を使用して計算されます。
イプソスの信頼区間の使用についての詳細は、Ipsosのウェブサイト (www.ipsos.com) をご覧ください。
これらの調査結果の公表は、各国の規則に従います。

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