Data Dive: インフレに対する意識調査
イプソスが最近行った世界的な調査から、消費者が物価の上昇や自国の経済についてどの程度懸念を抱いているか、また、近いうちに状況が好転すると考えているかについて、5つのインフォグラフィックスで見てみましょう。

果たしてインフレは世界の経済に吹き荒れるのか、それとも徐々に緩和されるのか?
実際のところ、誰もわかりません。
経済学者の中には、物価の高騰はまだしばらく続くと予測する人もいます。また、スタグフレーション(高インフレと高失業率の同時進行)を懸念する人もいます。さらに、深刻な不況が近いと言う人もいます。
新型コロナウイルスの流行やウクライナ侵攻の激化など、歴史的な出来事による経済の混迷は、夏から秋にかけても続きそうです。
イプソスのグローバルアドバイザー Global Advisorが最近行った調査に基づき、物価高が人々の生活に与えた影響と、今後の方向性に対する人々の考えについてご紹介します。
- 前例のない時代
パンデミックは世界経済に大きな打撃を与えた。2020年初頭には新型コロナウイルスに対する不安が高まり、その後、ウクライナ侵攻が起こった。2022年8月には、パンデミックに対する懸念が減少し、インフレに対する懸念がトップとなり、貧困と社会的不平等、失業が上位3位を占めた。
- 暗雲の中の光明
世界中の多くの国で消費者信頼感がパンデミック前の水準に戻るには至っていないが、例外的なケースもある。イプソスのグローバル消費者信頼感指数に含まれる23カ国のうち4カ国は、国別消費者信頼感指数のスコアがパンデミック前より大幅に高くなっている。
- 暗闇が訪れる
一部の地域では景気に明るい兆しが見られるものの、暗い雰囲気が漂っている。28カ国の平均で、67%の人が自国の景気は悪いと感じている。8月に自国の景気が良いと答えた人が過半数を超えたのは、わずか3カ国(サウジアラビア、インドネシア*、インド*)であった。
- 価格上昇に冷や汗
多くの人にとって、景気が悪いと感じる理由は十分にある。5月下旬から6月上旬にかけて、28カ国の平均で、ほぼ3人に1人が経済的にかなり/非常に困難であると回答し、快適に暮らしているとの回答は12%にとどまる。
- 衝撃の値段
食品価格が人々の家計を圧迫しており、多くの人が明確な終わりが見えないと感じている。28カ国の調査対象者の大多数は、春の終わりのころには、2022年6月から12月にかけて、食費に続いて、光熱費、その他の買い物、自動車燃料費、交際費などが多少なりとも増加すると予測していた。
*ブラジル、チリ、コロンビア、インド、インドネシア、マレーシア、メキシコ、ペルー、サウジアラビア、南アフリカ、トルコのサンプルは、一般人口に比べて都市部や高学歴、裕福な層が多く含まれています。これらの市場の調査結果は、より「コネクテッド」な人々の意見を反映していると考えるべきでしょう。