Data Dive: ロシアとウクライナの紛争は、人々の意見にいかに影響しているか?

消費者信頼感から新たな世界紛争への懸念まで、侵略がもたらす様々な影響について、5つのインフォグラフィックスを通し深く掘り下げます。

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2022年2月24日未明、ロシアの戦車がウクライナに侵攻し、ミサイルがキーウに降り注いだ、という報道が電波やソーシャルメディアのストリームを駆け巡ったとき、世界中の多くの人々に戦慄が走りました。

ロシアがクリミアを併合したのは2014年のことですが、それでも挑発的な拡大は衝撃的でした。

(少なくとも一部の人にとって)それ以上に衝撃的だったことは?それはウクライナ人は容易に屈することはなかったということです。

イプソスは、昨年6月にNATOが、今後何年も戦争が長引く可能性があると警告したことに対する反応をいち早く追跡調査しています。

ここでは、イプソス グローバルアドバイザー オンライン調査プラットフォームで行われた調査をもとに、制裁や難民などさまざまな問題に対する意見が、昨年2月の悲惨な朝からどのように変化しているかを明らかにします。

  1. 難民支援への意欲の低下
    侵攻が始まってすぐに、主に子供や女性たちが徒歩や車、電車を使い、暴力から逃げる映像が溢れかえりました。見ているのが辛くなるものでした。世界中の人々は溢れんばかりの共感を持って応えました。しかし、ウクライナ難民の受け入れに対する支持は依然として高いものの、戦争初期から8ポイント低下し、世界平均で66%となっています。Ipsos | Data dive | War in ukraine

     

  2. 制裁に対する支持率も低下
    生活を根底から覆された難民への共感があるのは明らかですが、一方で生活費への影響も懸念されています。戦争の影響でガソリンから食料品まで多くの日常的なものの値段が上がっている中、このインフレの時代における制裁への支持は、2022年3月/4月と比較して3ポイント減少しています。
  3. 消費者信頼感は打撃を受ける
    新型コロナウイルスの大流行などで経済が混乱した2年後、2022年の夜明けとともに事態は好転するかに思われたましが、ロシアがウクライナに侵攻しました。その後、特に近隣のヨーロッパ諸国では侵攻後数カ月で信頼感が急落しました。その後2023年1月には消費者信頼感が回復し始めましたが、それでも2022年1月の戦前の水準を大きく下回っています。
  4. 核兵器使用に対する恐怖が高まる
    一方、ロシアとウクライナの戦争は、前年比で核攻撃への恐怖を増大させることにつながりまた。過去12カ月間の核攻撃の脅威は主に暗示的なものでしたが、ロシアのドミートリー・メドヴェージェフ元大統領は先月、やや直接的な表現でこう述べました。「通常戦争で核保有国が敗北すれば、核戦争が起こるかもしれない。」昨年2月以降のこの種のコメントの意味するところは、核・生物・化学兵器による攻撃が世界が直面する脅威のトップとして見られるようになり、人々を不安にさせているようです(2022年対2021年で10ポイント上昇)。 Ipsos | Data dive | War in ukraine

     

  5. 第三次世界大戦への懸念が急増
    政治家、評論家、陰謀論者の間では、第三次世界大戦が起こりうるという話が頻繁に聞かれるようになりました。人々は危機感を抱いています。ウクライナへの大胆な侵攻は、多くの国の人々を震撼させました。2022年秋、2047年までに第一次、第二次世界大戦に似た紛争が起こる可能性があることに世界平均で4人に3人(73%)が同意し、世界紛争への懸念は2021年秋と比較して13カ国で10%ポイント以上跳ね上がっています。

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