自動運転や自動運転車へのシフトは、メーカーやテック業界にとって想定以上の大きな課題になっています。それでもこの技術には、引き続き膨大なリソースが注ぎ込まれるでしょう。手動で運転する車が過去のものになるのは明らかです。
自動運転車がもたらすメリットは数多くあり、例えば、長距離トラック輸送や農業分野におけるコスト削減、送迎・配車サービスの向上、公共交通機関の改善、より衛生的な道路清掃の実施などが考えられています。こうしたベネフィットは既に知られているもののほんの一部であり、その活用は無限の可能性を秘めています。
消費者へのメリットについても疑う余地はありません。高齢者など身体機能が低下している人たちにとってはモビリティが拡大します。効率的な運転ができるようになると交通渋滞が減ります。その結果公害が減り、より快適な都市が実現します。運転する必要がなくなれば、毎日のように自動車通勤している人たちは運転から解放され、そのぶん仕事や遊び、テレビ鑑賞、食事など、ほかの活動に時間を費やすことができます。このように、そのインパクトは非常に大きいものです。
しかし、AIの誤作動やプライバシーに関する懸念など、自動運転には懐疑的な見方もあります。特に欧米ではその傾向が強く、アメリカ人の49%は自動運転車の保有を考えていないとアンケートで回答しています。自動車メーカーやテック企業が消費者の信頼を勝ち取るためには、こうした障壁を乗り越えなければなりません。
Key takeaways:
- MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)は、自動運転技術の実現や自家用自動運転車の普及に向けた一つの道筋になるでしょう。
- 自動運転はさまざまな商用展開が期待されます。長距離トラック、ラスト・マイル・デリバリー、点と点を結ぶシャトル、運輸、農業、道路清掃に至るまで、あらゆるものに革命が起きるでしょう。
- 商業的な利益は消費者の利益につながります。都市では交通渋滞が減り(交通流が35%改善)、緑地が増える可能性があります。
- 自動運転は新しい消費習慣をもたらします。近い将来、私たちの時間管理や日常生活に大きな変革が生まれるかもしれません。
- 自動車メーカーやテック業界は障壁を克服する必要があります。自動運転車の信頼性を疑問視する声は、交通事故に対する不安を持つすべての世代から聞かれます。業界はこうした懸念に対処しながら、自動運転のベネフィットを示していかなければなりません。
Ipsos Views - Future of Mobility: Autonomous driving and the impact on our lifeは、グローバル自主調査Mobility Navigatorとエキスパートインタビューをベースとしたイプソス独自の考察です。ぜひダウンロードしてお読みください。