ブラジルの自動車市場: 課題の中で成長を続ける
ブラジルの自動車市場: 課題の中で成長を続ける

ブラジルの自動車市場の最新トレンド: 課題の中で成長を続ける

エタノール燃料とEVの間で進化する“次世代カー戦略”ブラジルの自動車市場に関する最新のPOVをお読みください。

成長を続けるブラジル自動車市場

世界的に景気の不透明感が続くなか、ブラジルの自動車市場が再び注目を集めています。
新型コロナの影響を受けた後も、2020年から2024年にかけて販売台数は27%増加。インフレや政治的な変化がありながらも、底堅い成長を見せています。

特にここ数年で存在感を急速に高めているのが中国の自動車ブランド。
わずか4年前は市場シェアが1%程度でしたが、いまでは7%近くまで拡大。2025年には10社以上が参入する見込みです。

 

エタノール燃料とは

ブラジルの車事情を語るうえで欠かせないのが、「エタノール燃料」です。
これはサトウキビなどから作られる植物由来の燃料で、ガソリンよりも環境にやさしいとされています。

ブラジルではこの燃料が昔から広く使われており、ほとんどの車がガソリンとエタノールのどちらでも走れる「フレックス燃料車」です。
そのため、政府は日本や欧州のように「EV(電気自動車)だけに補助金を出す」という形をとっていません。

つまりブラジルでは、「エタノール燃料を使う車」と「電気を使う車」が共存するユニークな市場なのです。

 

ハイブリッド車が架け橋

この2つの燃料の間で注目されているのがハイブリッド車(HV)。
ガソリンやエタノールを使いながら、電気の力で走行をサポートする仕組みです。

トヨタやステランティス(フィアットなどを展開する大手メーカー)は、ブラジル専用のハイブリッド車を次々に投入。
電気インフラが整った都市部だけでなく、充電設備が少ない地方都市でも使いやすい「現実的な選択肢」として人気を集めています。

 

中国ブランドの快進撃

EV(電気自動車)分野では、BYDGreat Wallなどの中国メーカーが急伸中です。
高品質でデザイン性が高い車を比較的手ごろな価格で提供し、ブラジルの消費者に支持されています。

2024年末には、BYDがブラジルの新車販売ランキングでトップ10入り。
この勢いは2025年も続き、複数の中国メーカーが新モデルを投入予定です。

一方、既存メーカーも対抗策を強化しています。トヨタはハイブリッド車での地位を守り、フォルクスワーゲンやホンダも電動化モデルの開発を加速中。
市場全体がまさに「転換期」を迎えています。

イプソスが行った最新の調査結果も記載しています。詳細はレポートをダウンロードしてご覧ください。

 

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