市民の意見はほぼ一致:世界はより危険になりつつある
ハリファックス国際安全保障フォーラムのためのイプソスの調査によると、30カ国の平均で70%の人々が、今後25年以内に第一次世界大戦と第二次世界大戦のような超大国による世界紛争が再び起きると予想していることがわかりました。
このところ、世界は恐ろしい場所のように感じられます。
ハリファックス安全保障フォーラムのために、2023年9月22日~10月6日(2023年10月7日にイスラエル・ハマス戦争が始まる直前)に30カ国にわたって実施された新たなイプソスの世論調査では、大多数(世界平均で-1ポイントの84%)が、この1 年間で世界はより危険な場所になったと考えています。
2024年2月にはウクライナ侵攻から2年が経とうとしている中、イプソスのグローバルアドバイザーオンライン調査プラットフォームで実施された年次世論調査によると、「世界がより危険になった」と感じている人の割合は、2022年に85%と過去最高を記録した後、この1年間でほとんどの国でやや緩和されましたが、それでも2018年の74%からは大幅に上昇しています。世界がより危険になったと感じている人が前年比で大幅に増加した唯一の国はトルコで、10 ポイント増の 86%となりました。世界がより危険だと感じている米国人の割合は4ポイント減の84%でしたが、カナダでは変わらず86%にとどまりました。
過半数が世界的な紛争が起きると予想
今後 25 年以内に、第一次世界大戦や第二次世界大戦のような超大国を巻き込む世界紛争が再び起きるとの予想に同意する割合もわずかに減少しました (-3 ポイントで 70%)。今後 25 年間に世界紛争が起こると予測する割合が大幅に増加した唯一の国はインド[1] (3 ポイント増の 82%) です。世界紛争に対する懸念は、カナダ人の間でわずかに緩和され(-1ポイントで75%)、米国人の間では横ばいでした(76%で変化なし)。
核攻撃への懸念が少しおさまる
世界のどこかで核・生物・化学攻撃が起きる脅威が現実であると回答する割合は、ウクライナ侵攻後の2022年に9ポイント上昇した後、2023年には世界平均で4ポイント低下して71%となりました。
他の問題に関しては、人々は前年に比べ安全性が少しずつ低下していると感じています。自国でテロが発生することへの脅威はわずかに上昇し(+2 ポイントで 62%)、個人の安全/セキュリティ侵害(+2 ポイントで 63%)や自国での民族紛争(+1 ポイントで 60%)も上昇しました。
一方、テロ攻撃(48%で変化なし)、民族間の暴力的紛争(+1ポイントで48%)、他国との武力紛争(44%で変化なし)、核攻撃(44%で変化なし)などへの政府の対応能力について自信を持っている人は半数を下回りました。
戦争国家への懸念がやや和らぐ
ほぼ半数(-1ポイントの49%)が、自国が他国と武力紛争に陥る脅威は現実的であると回答しており、タイ(79%で変化なし)、米国(+3ポイントの77%)、トルコ (-3 ポイントで 74%) が最も懸念を示しています。
10人に6人強(-5ポイントで61%)が、ウクライナでの戦争が自国にとって重大な脅威となっていると考えています。ウクライナと国境を接するポーランドでの懸念が最も高いのは当然ですが、この1年で3ポイント低下し81%となりました。ウクライナでの戦争が自国にとって重大な脅威をもたらすと考える割合は、米国では5ポイント低下して62%、カナダでは12ポイント低下して50%となりました。
ほぼ10人に7人(-1ポイントで69%)が、”今後一年近くで、中国がアジアで、ロシアがウクライナでとったのと同じような行動を取るのではないかと懸念している”、という意見に同意しています。アジアにおける中国主導の紛争に対する懸念はほとんどの国で低下しましたが、調査対象国すべての過半数が紛争が起こる可能性を懸念しており、ハンガリーの57%(-9ポイント)からインドの82%(+6ポイント)に及びます。米国 (-2 ポイントで 75%) とカナダ (+1 ポイントで 76%) でも同様の割合の人々が、中国がアジアでロシアがウクライナに対してとったのと同様の行動を取るのではないかと懸念しています。
目次
- カナダとドイツは世界で前向きなリーダーとみられる傾向が強い
- ドローンの攻撃: 10人に6人がAIベースの防衛システムの脅威を感じている
- HISF-イプソス脅威指数によると、自然災害が最も急速に拡大している脅威であることが判明
- 市民の意見はほぼ一致:世界はより危険になりつつある
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本調査について
これは、イプソスが 2023年9月22日金曜日~10月6日金曜日にイプソス グローバルアドバイザー オンライン プラットフォームで、インドでは IndiaBus プラットフォームで、30カ国を対象に実施した調査の結果です。インドでは18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、他のすべての国では16~74歳の23,220人を対象に調査を実施しました。
[1]調査手法の変更により、この調査はより広範なインド国民の感情を捉えています。インドのサンプルは、メトロでは社会的経済階級 A、B、C、4 つのゾーン全体では第 1 層~ 3 層の都市人口という大都市人口のサブセットを表しています。