日本女性は声を上げにくい?職場における男女平等に関するグローバル調査
職場での男女平等はまだ達成されていないようです。国際女性デーに向けた新しい世界調査によると、男性調査対象者の28%が が職場で性的な内容のジョークや話をしてもよいと考えていますが、このようなジョークや話を受け入れられると答えた女性は世界でわずか16%に過ぎません。
国際女性デーのために、イギリスのイプソス・モリがキングズ・カレッジ・ロンドン(King's College London)のグローバル・インスティテュート・フォー・ウィメンズ・リーダーシップ (Global Institute for Women's Leadership) と共同で、世界27カ国で実施した新たなグローバル調査によると、職場における男女平等については男女間で依然として意見が分かれています。このオンライン調査は、16歳~74歳までの20,204人を対象に実施されました。
世界中のほとんどの人は、自国の職場が男女の平等な競争の場であるとは思っていない。そしてそこには大きな男女間の差がある…
世界的には、自国の職場における男女平等について、男性の49%が平等だと回答しているのに対し、女性は32%に止まっています。
職場における不平等を最も深刻に感じている国は、ブラジル (72%) 、日本 (71%) 、フランス (69%) で、逆に、マレーシア (68%) 、中国 (60%) 、インド (54%) の人々は、職場では男女平等だと感じているようです。
企業や政府にもっと女性のリーダーがいなければ、男女平等は達成されないだろう
58%が企業や政府にもっと女性のリーダーがいなければ、女性は男性と平等になれないと考えており、36%がこの意見に反対しています。
しかしながら、これには男女間の差があり、女性の65%がこの意見に同意しているのに対し、男性では51%です。
この意見に最も同意するのはインド (69%) 、南アフリカ (69%) 、そして日本 (68%) で、反対する傾向が最も高いのは中国 (61%) 、ロシア (49%) 、韓国 (47%) です。
男女ともに、男女平等を達成するためには男性が役割を果たす必要があることを認識している
調査対象者の68%は「男性が女性を支援するための行動を取らない限り、男女間の平等は達成されない」と考えていますが、27%はこの意見に反対しています。
ここでは男女間の差はずっと少なく、女性の74%)、男性の62%が同滋養に考えています。
平等を達成するために男性が役割を果たす必要があると考えている割合が最も高いのは、南アフリカ (80%) 、インド (78%) 、ハンガリー (77%) でした。一方、この割合が低いのは、オランダ (53%) 、ロシア (49%) 、中国 (42%) となっています。
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Kelly Beaver, イプソス・モリ パブリックアフェアーズ部門 マネージングディレクター: 「男女が共に変化を起こさずに平等が実現することはありませんし、いまだに男性に支配されている仕事の世界では、より多くの男性が平等を優先し、必要ならば立ち向かわなければなりません。」 |
職場で受け入れられることとは
性的な内容のコンテンツを表示
世界的に見ると、男性の13%が職場で性的な内容を見せることを容認すると回答しており、女性の7%のほぼ2倍となっています。
中国の男性はこれが群を抜いて高く、32%が容認できると考えています。インドの女性も23%が容認できると回答しており、調査対象となったどの国の女性よりも高い割合でした。
「ノー」 と言っても、同僚にデートを申し込む
しかし世界全体では、男性の15%という高い割合が許容範囲内であるとしているのに対し、女性は9%です。
マレーシア (29%) とインド (26%) では、これは許容範囲だ考える傾向が最も強く、中国では男女差が最も大きく、男性の30%が容認できるとしているのに対し、女性では15%に止まりました。
同僚にデートを申し込む
世界的には男性の52%、女性の41%が、同僚にデートを申し込むのは容認できると回答しています。
アメリカの男性 (37%) と女性 (19%) はこれが容認できると回答する傾向が最も低くなっています。
Julia Gillard, 元首相、グローバル・インスティテュート・フォー・ウィメンズ・リーダーシップ議長:
職場は男女平等のための闘いにおいて最も重要な戦場の一つであり、これらの調査結果は、この先の道のりはまだまだ長いことを示している。ストレスの多い職場環境を助長する人々は少数派ではあるが、それでも大きな影響を与え、それは人々の労働生活を悲惨なものにする可能性がある。男女平等を口先だけではないものにしたいと思うなら、雇用主は多様性を重視し、すべての人に尊敬の念を抱かせる文化の創造に投資する必要がある。
誰が不適切な行動に声を上げられるのか
上司や年上の同僚の性差別的な発言に対して、スウェーデン (69%) 、南アフリカ (68%) 、スペイン (63%) の人たちは自信を持って立ち向かえると言いますが、日本 (31%) 、ポーランド (32%) 、フランス (38%) の人たちはそうではありません。
ロシア人の71%が、公共の場で女性に嫌がらせをする男性と対峙することに自信があると答えている一方で、日本では29%、韓国では31%に止まっています。
女性のキャリアに偏った害を及ぼすものは
世界的には、このような選択や責任が女性や男性のキャリアに悪影響を及ぼすかもしれないという点では、男女格差は少ないと考えられたいます。しかし、いくつかの問題では意見が分かれています。
- デートや恋愛関係を望んでいる同僚を断ることは、女性のキャリアを傷つける可能性が高いと答えたのは26%で、男性のキャリアを傷つける可能性が高いと答えたのは7%だった。
- 自分の家庭生活について話す女性はキャリアを傷付ける可能性が高いと回答したのは14%で、男性が同じことをすることでキャリアに影響を受ける可能性が高いと考えるのは6%である 。
- 仕事よりも家庭を優先することが女性のキャリアを傷つける可能性が高いと回答したのは25%。男性の場合は9%のみである。
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Kully Kaur-Ballagan, イプソス、リサーチディレクター: 「この調査は、私たちが職場で平等を得るためには、まだどれだけの道のりを歩まなければならないかを示していますが、明らかなのは、女性だけではそれができないということです。男性には行動を起こしてもらい、雇用主にはリーダーシップを発揮したい女性を支援してもらう必要があります。」 |