希望する税金の使途1位は「貧困と社会不平等の緩和」

【プレスリリース】世界最大規模の世論調査会社イプソス株式会社(日本オフィス所在地:東京都港区、代表取締役:内田俊一)は、日本を含む世界28カ国20,630人を対象に、「ポピュリズムに関するグローバル調査2024」 を実施しました。本調査では、日本人が最も希望する税金の使途は「貧困と社会不平等の緩和」であり、日本は衰退していると感じている人が2016年以降1.7倍に増えていることが明らかになりました。

イプソスが実施した「ポピュリズムに関するグローバル調査2024」で、日本人が最も希望する税金の使途は「貧困と社会不平等の緩和」であり、日本は衰退していると感じている人が2016年以降1.7倍に増えていることが明らかになりました。グラフ①(グラフ①)

調査結果のサマリー

  • 希望する税金の使途1位は「貧困と社会不平等の緩和」
  • 「一般市民と政治や経済のエリートとの間に大きな格差がある」と感じている日本人は75%(28か国中5位)
  • 「自国は衰退している」と感じている日本人は68%、2016年の40%と比べて1.7倍に増加。
  • 「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と回答した日本人は62%、2016年の39%と比べて約1.6倍に増加

調査結果

希望する税金の使途1位は「貧困と社会不平等の緩和」

上記グラフ①にある通り、日本人が税金の使途で最も重要と考える項目は「貧困と社会不平等の緩和」でした。「医療」や「仕事の創出」、「教育」、「インフラ」などを上回り、経済状況の改善を求める日本人の姿が明らかになりました。

「一般市民と政治や経済のエリートとの間に大きな格差がある」と感じている日本人は75%(28か国中5位)

一般市民と政治や経済に関わるエリート層との格差があると感じている日本人は75%と、2021年よりは3ポイント減少するものの、依然、世界でも5番目の多さであることがわかりました。こうした格差の実感が、①にある「貧困と社会不平等の緩和」を求めるという回答に反映されているとも考えられます。(グラフ②)グラフ②

「自国は衰退している」と感じている日本人は68%、2016年の40%と比べて1.7倍に増加。

日本人の68%が、「日本は衰退している」と感じており、世界各国と比較しても、28か国中5 番目の多さとなっています。また、2016年からの経年変化をみると、その割合は1.7倍(平均伸長率約1.1倍)にまで増加し、現在の日本に対して、前向きな明るい期待を持つことが難しい状況であることがうかがえます。(グラフ③、④)グラフ③グラフ④

「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と回答した日本人は62%、2016年の39%と比べて約1.6倍に増加

「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」という問いに対し、62%の人が「そう思う」と回答。世界各国平均(64%)は下回っているものの、2016年からの経年変化を見ると、約1.6倍に増え、政治への不信が加速していることがわかります。(グラフ⑤)グラフ⑤

今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一は以下のように述べています。
「2016年以降、2020年からのコロナ禍も経て、政治に対する不信感や、格差・不平等を感じている国民が増加傾向にある、あるいは、世界的にみても多い傾向にあることがわかりました。最近でも物価高騰や政権与党の裏金疑惑など、不安を感じるような出来事が続き、将来への希望を持てなくなっているものと考えられます。しかし、2023年11月に当社が発表した国家ブランドランキングでは、日本はドイツやカナダをおさえて、アジア太平洋地域国初となる1位を獲得しています。こうした国外からの評価が一般の生活に好影響を及ぼし、それを実感するまでには時間がかかるのかもしれませんが、今後、そうした前向きな情報がより多くの方に届けられることを期待します。本調査は今後も継続的に実施していきます。どのような変化がみられるのかはまたお知らせしていきます」 
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