2023 年 10 月、東南アジア全体で消費者信頼感が急激に低下
イプソス グローバル消費者信頼感指数は、先月から0.4ポイント低下し47.2となりました。指数の前月比で大きな変化がないのは今月で 5カ月連続です。調査対象29カ国のうち、消費者の景況感が大幅に上昇したのはわずか4カ国で、9カ国では顕著な低下が見られました。
世界の現況指数と投資指数はいずれも0.5ポイント以上の大幅な低下を示しています。対照的に、世界の期待指数と雇用指数はほとんど変化を示していません。
今月は東南アジアで景況感が大幅に低下しました。マレーシア (-5.3 ポイント) とシンガポール (-4.0 ポイント) は、すべての国の中で最大の減少を示しています。インドネシアでも消費者信頼感は低下しています(-3.0ポイント)。
欧州でも景況感は大幅に低下しており、オランダ (-3.9 ポイント)、スウェーデン (-2.3 ポイント)、フランス (-2.2 ポイント) がいずれも大幅な低下を示しています。
一方、ラテンアメリカでは消費者信頼感が上昇しています。アルゼンチン (+3.9 ポイント)、コロンビア (+3.6 ポイント)、メキシコ (+3.4 ポイント) はすべて、前月比で少なくとも 3 ポイントの大幅な上昇を示しています。
グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべての総合または国別指数の平均値です。今月の記事は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームGlobal Advisor online platformで行われた、29カ国の75歳以下の21,000人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は、2023 年9 月 22 日~ 10 月 6 日に実施されました。
29カ国の消費者景況感
29カ国の中で、インド (64.1) が今月最高の国別指数を保持しています。 2月に新たに8カ国が調査に追加されて以来、インドネシア以外の国が最高スコアを保持するのは初めてとなります。
3 カ月連続で、国別指数スコアが 60 以上の国はインドとインドネシア (62.9) だけです。
他に国別指数が 50 を超えているのは6カ国です:ブラジル (58.5)、メキシコ (58.5)、タイ (58.1)、米国 (52.0)、シンガポール (51.7)、オランダ (50.5) 。
対照的に、国別指数が 40を下回っているのは、韓国 (39.2)、日本 (38.1)、アルゼンチン (37.0)、ハンガリー (35.6)、トルコ (34.5) の 5カ国のみです。
注目すべきは、現在カナダの景況感(45.6)が2020年12月以来最低値となっていることです。
12 カ月前との比較では、消費者景況観の大幅な減少を示しているのは、オーストラリア (-4.0) とカナダ (-2.5)のみです。11カ国が大幅な上昇を示しており、その中でも最も上昇している国はベルギー (+9.7) とメキシコ (+9.3) です。
トレンド
イプソスの世界消費者信頼感指数(調査対象 29カ国に基づく)は現在 47.2 で、 5カ月連続で安定しています(-0.4 ポイント)。 2010 年 3 月以来の調査対象である「レガシー 20カ国」のみに基づくと、45.2 となります。
現在の個人の経済状況、購買や投資意欲、雇用の安定性を反映する現況指数は、29 カ国全体で 0.7 ポイント低下し 37.1 となっています。現況指数が前月比で大幅に上昇(少なくとも 2 ポイント)しているのは 6カ国のみですが、10 カ国では大幅な低下を示しています。
消費者の投資意欲を示す投資指数は0.6ポイント低下し、39.3となりました。投資指数が大幅に上昇した国は 4 カ国のみで、9 カ国が大幅な低下を示しています。
消費者の今後の経済状況に対する期待を示す期待指数は、今月はほとんど変化がなく(-0.2)、 56.4 です。 6 カ国が期待指数で大幅な上昇を示し、6 カ国が大幅な低下を示しています。
雇用の安定と雇用市場に関する認識を反映する雇用指数は、今月は0.2ポイントの微減となり、現在57.4となっています。6カ国が雇用指数で大幅な上昇を示し、5 カ国が大幅な低下を示しています。
注目すべきは、シンガポール、オランダ、スウェーデンが 4 つのサブ指数すべてで大幅な下落 (少なくとも 2 ポイント) を示していることです。対照的に、アルゼンチンとコロンビアは、4 つのサブ指数すべてにおいて前月比で大幅な上昇を示しています。
本調査について
この調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームと、インドではIndiaBusプラットフォームを使用し29カ国で実施されている月次調査のデータに基づいています。これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) により毎月報告されるものです。
この調査結果は、インドでは18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳の成人21,200人以上を対象に実施された調査に基づく結果です。