コロナ抑制に関する政府の対応への評価は打撃の大きい国で低下ー世界の世論調査
イプソスが世界13カ国で実施した最新の世論調査によると、政府がコロナウイルスの大流行をうまく抑制しているかどうかについての評価は、1カ月以上にわたって多くの国で揺れ動いています。
4月23日から26日にかけて26,000人近くを対象に実施された調査によると、13カ国中9カ国で対象者の過半数が、政府は新型コロナウイルスの拡大をうまく抑制していると回答しました。インド(87%)、オーストラリア(84%)、カナダ(81%)、ドイツ(75%)、イタリア(61%)の人々は「うまく対応している」と回答する傾向が高く、一方で「うまく対応できていない」と回答する傾向が高いのは日本 (62%) と被害の大きかったヨーロッパのスペイン (60%) 、フランス (51%) 、ロシア (47%) です。
しかし、1カ月以上前 (3月19日~21日) の調査結果を振り返ると、感染拡大の中心にあるいくつかの主要国では「うまく対応している」という評価が低下してきています。この割合が最も低下したのは日本で、18ポイント低下しました。次いでフランス(-13)、ブラジル、ロシア(いずれも-9)、イタリア(-5)、アメリカ(-4) と続いています。
一方、3月以降、政府の対応に関する評価が最も高まったのはドイツ(+26ポイント)で、次いでオーストラリア(+24)、メキシコ(+13)、カナダ(+10)と続いています。イギリスの政府に対する評価は横ばいで、59%が政府の対応に満足しています。
世界保健機関 (WHO) の活動に対する人々の評価については、調査対象13カ国中11カ国で過半数の対象者が、WHOは新型コロナウイルスの拡大をうまく抑制していると考えていますが、イプソスが継続調査を実施した12カ国のうち9カ国では、この評価は3月以降、低下しています。
WHOの対応に満足している傾向が高い国は、メキシコ(78%)、インド、ブラジル(75%)などの新興国が中心であり、次いでカナダ(69%)、イギリス(64%)の先進国となっています。不満の声が満足を上回ったのは日本(63%)とロシア(42%)の2カ国だけです。
イプソスの他の調査では、回答者がウイルス拡散を防止するための機関の働きについて質問された場合、閉鎖による経済的影響などを含む別の視点からの見方も、コロナ拡散を抑制することと関連する機関の働きを評価する方法にも影響することを示しています。
世界保健機関 (WHO) の対応に関する評価が最も低下した国はフランス(-14)、インド、ロシア(いずれも-12)、オーストラリア(-9)です。評価が高まった国は、ドイツ(+13)と日本(+2)だけです。