世界が懸念していること – 2024年9月

イプソスが毎月行っている「世界が懸念していること(What Worries the World)」調査では、一般市民が現在最も重要な社会問題や政治問題は何であると考えているのかを調査し、最新のスコアとその背景を10年以上のデータをもとに探ります。

主な調査結果:

• 金融/政治腐敗に対する懸念（30か国で28％）が、特にアジア太平洋地域とアルゼンチンで増加しています。
• アジア諸国から北米に至るまで、税金が隅々まで及ぶことへの懸念が高まっています。
• フランスの悲観論は新たな最低を記録し、「国は正しい方向に向かっている」と答えた人の割合はわずか9％と、10年ぶりの低水準となりました。 

世界の懸念: 長期的トレンド

Q: 次の中から、あなたの国において最も懸念される事項を3つ選択してください。

犯罪と暴力は依然として上位、汚職への懸念は高まっている

8月調査で、30か国全体で「犯罪や暴力」と回答した人の割合は32%、インフレに対する懸念は30%に留まりました。

アジア太平洋地域では汚職への懸念が高まっており、マレーシアでは8ポイント上昇して59%となり、タイでは7ポイント上昇して51%となりました。 一方、インドネシアでは4ポイント上昇して72％となり、2022年8月に同国が調査対象国に加わって以来、最高となりました。

さらに、ミレイ大統領の妹を巻き込んだ最近のスキャンダルを受けて、アルゼンチンの汚職に対する懸念は11ポイント上昇して36％となり、2022年9月以来最高となりました。なった。

最近の混乱を受けて、インドネシアでは税金に関する懸念のスコアも12ポイント上昇し、過去最高の35％に達しました。

さらに、アメリカ人の税金に対する懸念は5ポイント上昇し、現在5人に1人（21%）が懸念していると答えており、これは8年間で最高となっています。

フランスは、2024年6月に国民議会が解散して以来、政治的に不安定な1年を過ごしました。フランスのパブリックアフェアーズチームのアカウントディレクターであるMathieu Gallardが、フランスに焦点を当てたデータの背景を説明します。

正しい方向と間違った方向

30カ国全体で、自国が「正しい方向に向かっている」と答えた人の割合は37％で変わりありません。これは昨年の同時期よりも3ポイント低い数字です。

フランスでは今月、楽観度が過去最低を記録しました。フランスが正しい方向に進んでいると考える国民の割合は減り続け、現在は9％となっています。これは、この指標で過去 10 年間に記録されたフランスの最低スコアです。

海峡を渡ったイギリスでも悲観論が高まっており、国の正しい方向性スコアは1か月で5ポイント下落し、30％となりました。これは昨年9月のスコアより10ポイント低くなっています。

一方、マレーシアでは楽観度が11ポイントも急落しました。現在、「正しい方向に向かっている」と回答しているのは61％です。

現在の経済状況 - G7諸国

Q: 自国の現在の経済状況を表現するとしたら、当てはまるものはどれですか。

現在の経済状況

イプソスの調査に含まれる30カ国の中で、インドネシアは自国の経済を「良い」と評価する人の割合が12か月間で最大に減少した国となりました。インドネシアの（自国の）経済を良いと評価するスコアは2024年9月から25ポイント下降、53％から28％となり、過去最低となりました。 

その他の国では、フランス（-20ポイント）、ドイツ（-14ポイント）、メキシコ（-12ポイント）、オランダ（-10ポイント）も、昨年の同時期と比べて2桁の低下を記録しています。

一方、韓国のスコアは2024年9月から14ポイント上昇し、2018年5月（33％）以来の最高スコアとなりました。 アルゼンチンでも、昨年の同時期より10ポイント増の2桁増加となっています。