先行きの不透明さ:なぜコロナ後の経済回復に時間がかかると思うのか

消費者信頼感や景気の先行きに関する世論調査は、今後の景気回復に疑問を示しています。

Sorry we are closed | Economy during coronavirus | Ipsos世界第2位の経済大国である中国で四半期ごとの経済成長率が28年ぶりに大幅に縮小したというニュース、米国での失業者数の目を瞠るような急増、石油の需要が30年ぶりの低水準に落ち込むだろうというOPECの警告などにより、新型コロナウイルスの世界的大流行が終われば本当に通常通りになるのだろうかと多くの人が疑問を抱いています。

イプソスが実施した最新の世界的世論調査の結果によると、多くの政府がこの大流行が抑えられれば景気は急速に回復すると言っているにもかかわらず、人々は深刻な疑念を抱いています。

調査対象となった15カ国のうち10カ国の過半数が、新型コロナウイルスの流行によるロックダウンが解除されても急速な経済回復は望めないと答えています。この傾向は、大打撃を受けたヨーロッパ諸国で最も強いものです。

スペイン (76%) とフランス (72%) が急速な回復に最も否定的であり、次いでイタリア (68%) 、イギリス (67%) 、ロシア、日本(64%) の順となっています。

専門家らは、いつ閉鎖が終わるのか不透明であること、それによる資産の損失、景気後退のスピードと深さ、ワクチンのない新型ウイルス発生の危険性などが、景気回復に対する国民の信頼にのしかかる要因だと分析しています。

BMOフィナンシャルグループのチーフエコノミスト、ダグ・ポーター氏は、ウイルスを抑えこみ、感染が進む道筋をより明確にするまで、人々は経済の方向性を完全に信頼することはできないと述べました。

「仕事や投資を通じて、直接的な影響を受けてきたため、人々はより広範な経済回復に警戒感を抱くようになる」 とポーター氏。「失業が非常に広範囲に及び、非常に多くの人々に影響を与えているという事実は、その影響を直接強調している。」

Confidence falls with economic recovery outlook | Ipsos

信頼感の喪失

先週発表されたイプソスの4月の世界消費者信頼感指数Ipsos' Global Consumer Confidence Index は、2012年12月以来、7年以上ぶりの低水準となり、仕事や金融、地域経済に関する消費者の見通しを反映した期待指数は、過去のどの時点よりも4ポイント下落するなど、さらに暗い様相を呈しました。

CIBCキャピタルマーケッツのシニアエコノミスト、ロイス・メンデス氏は、消費者が混雑したレストランでの食事やショッピングモール内ののんびりした散策を安心して楽しめるようになるまでは、通常通りのビジネスにはならないと述べました。

「政府が活動制限を解除してもしなくても、ワクチンができるまではそれは起こらないだろう」 とメンデス氏。「多くの企業はうまく立ち直るだろう。しかし残念なことに、閉鎖期間を生き延びることができない企業もあるため、その結果、労働者は職を失うことになる。」

メンデス氏によると、他の企業では経営が大幅に縮小されているか、追加の債務負担が発生している可能性があるため、以前の従業員を全員呼び戻すことはできないだろうということです。

「これが終わっても雇用の先行きが不透明であるため、より多くの世帯が景気回復に慎重になるだろう」 と彼は付け加えました。

政府の最新の統計によると、米国では4週間で2200万人が失業保険を申請しましたが、他の主要経済国でも失業者は数百万人に達しています。

経済再開の危険性

これを受けて先週、世界各国の政府から経済再開計画が発表されました。ドイツは月曜日から小規模事業を徐々に再開し、学校は5月に再開する予定です。スイスは今月末と5月初めに同様の措置とることを発表しました。

一方、中国は、ウィルスが発生したとされる武漢市内の死者数を金曜日に50%上方修正したにもかかわらず、経済の一部を開放したと批判されています。アメリカのトランプ大統領も、州による封鎖を徐々に緩和する計画を明らかにしました。

しかし、カナダ国立銀行の上級エコノミスト、クリシェン・ランガサミー氏は、今回の大流行は、政府や当局が、準備不足か不運、あるいはその両方によって、この状況をコントロールできなくなる可能性があることを示していると述べました。

「信頼感を一度を失ってしまうと、再び当局を信頼し始めるまでにはしばらく時間がかかる」 とランガサミー氏。「現時点で不明な点があまりにも多いことを考慮すれば、各国政府は過剰な約束をしないほうがよいだろう。早期に経済を再開すれば、不必要な人命の損失や経済の再下降などの逆風を招きかねない。」

ワシントン外交問題評議会 (CFR) のブラッド・セッサー上級研究員は、通常通りの景気回復を示す政府の見通しは楽観的すぎると付け加えました。

「このショックは明らかに特異なものであるが、世界的な金融危機からの回復も緩慢であったことを思い起こす価値がある」 とセッサー氏。「新型コロナウイルスが完全に制圧されるまでには時間がかかり、復興にはなお時間がかかることを各国政府が認識することは有益であろう。」

専門家らは、下半期に予想される景気回復のペースが不透明だという点では意見が一致しています。なぜならそれは産業力の永久的な損失のような上半期の損害の程度に依存するからです。彼らは、現在の経済指標が継続的な景気後退を示していると言います。

「完全な回復は、新型コロナウイルスに効果的な治療法やワクチンを開発することにかかっているようだ」 とセッサー氏。「政府の経済支援も長期的に必要になるだろう。」

「心構えもせずに捕まるよりは、最悪の事態に備えて計画を立て、うれしい驚きを持つ方がよい。」

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